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各地に、太陽光発電の導入余地はあるか?

地方で生産して、地方で消費するだけの地産は、スケールが小さすぎる。
地産消は、地方は地方だけで、小じんまりと生きろと言われてるみたいだ。
しかし、地産は、地方で生産して、大消費地の都会で消費する。
地方で作った電気を都会で消費するこれが地産だ。
                               地方創生は、地産地方の収入増を保障することから始まる。                               
           




Ⅰ.都会の電気は地方が支える
















































 

 
Ⅱ.地域別適切導入量
























 
 










Ⅲ.各地に、太陽光発電の
導入余地はあるか?
































 





Ⅳ.都会地の分を地方へ分担











































































 
 
Ⅴ.地方で発電した電気を都会へ届けるには!!































 
 
 
Ⅵ.送電設備は十分か?





















































































Ⅶ.送電線増設、区間連携増設の費用はだれが負担するのか?














































Ⅷ.地方の新たな収入




- -  都会の電気は地方が支える - -

(1)地域独占時代の悪弊
電力業界の地域独占時代は、地域の電力需要は、100パーセントその地域の電力会社が供給しなければならなかった。他地区に電力供給をお願いするのは、大災害などの緊急時のみで、それ以外の時は自分の電源で供給しなければならなかった。

地域独占が崩れ、自由化された現在では、地域の電力需要はその地域の電力会社が供給する義務は無くなった。東北電力が東京のお客さんに電力を供給してもよいことになったのである。
この自由化は、一般電気事業者(いわゆる電力会社)も少しづつ推進しているが、主に新電力(PPS)と言われる 小売電気事業者熱心に推進している。

しかし、再エネの系統接続に関する考えは旧態然とした地域独占のままである。
すなわち、再エネはそれを導入した地域の電力需要を賄うことを主目的として供給することになっている。東北に導入した再エネは、東北の需要のために発電する事になっている。

この旧態然とした考え方の欠点は、再エネ導入用の敷地は十分にあるのに、その地域の電力需要は少ないので導入させて貰えない(出力抑制されてしまう)という事である。
逆に、電力需要は多いのだが導入敷地が少ないため、再エネ化を進められないという事になる。

再エネ導入可能な敷地は、人の住める土地(可住地)と同じであると定義し、国土地理院のデーターから電力会社別の可住地面積と、その電力の年間電力需要を比較したグラフを作成すると図1のようになる。

図1から分かることは、電力供給域の中で最大可住地面積は東北電力の2.5万キロ平方メートルで、次いで北海道の2.2万キロ平方メートルである。最小は沖縄で0.1万平方キロメートルである。

一方電力需要の多い地域は東京電力で、2番3番は関西電力、中部電力なっている。

図1からの問題点指摘
    ①太陽光導入敷地は有るのに電力需要が少ないため、出力抑制されてしま地域がある。
        北海道、東北、九州
    ②再エネ化率を高めたいのに、導入敷地が不足すると思われる地域がある。
        東京、関西、中部

                                                                                                          (図1)




- -  地域別の適切な導入量を決める - -

それでは、地域別に適切な導入量は、どうあるべきかを検討する。

(2)電力会社別適正放電量を決める
前提条件として全電力会社の太陽光発電は蓄電池(HBBS)を使用し、発電終了後の午前ゼロ時から24時間均等放電を行うとする。
その時間当たり放電量は、各電力会社の閑散日の最低需要量を超えない程度を設定する。
東京(図7.1)と、四国(図7.2)と、九州(図7.3)に対して設定したのが下図の通りである。残りの7社についても同様に設定する。
                                    (図7.1)                                        (図7.2                                   (図7.3

各社の時間当り放電量が設定できたので、その放電量から一日24時間の放電量を求める。
その放電量を満たすための太陽光発電の容量を計算する。その計算は、一日当たりの発電量×定数であるが、その定数は設置場所(地域)や季節やパネルの種類で大きな差(3.0〜4.0倍)があるが、弊社の長年の研究から中間値の3.5倍とした。
算出された太陽光発電容量に対して、設置スペースを計算する。その計算で最大の考慮事項は、ソーラーパネルの発電効率(単位面積当たりの発電量)はたえず改善されており、今後2、30年間は改善されるといわれている。そこで現状調査結果に対して将来の見込みを組込んで
1MW当り0.6平方キロメートル
とした。これを当てはめてソーラー・パネルの設置面積を求めた。

 
(3)放電量から太陽光導入容量を求める
求められた太陽光発電用の面積に対する可住地の占有率計算結果は(図7.4)の通りである。
まず、注目すべきは、現在の電力会社の供給域で最も広い区域は東北電力である。北海道電力よりわずかではあるが広い。また、電力需要の30パーセントを持っている東京電力は、東北と北海道の半分の広さにしか過ぎない。しかし、設置すべき太陽光発電の容量は、東北の3倍以上、北海道の8倍近い容量である。
東京の次に電力需要の多い関西と中部は、面積では中部は東京とほぼ同等、関西は東京より30パーセント程度少ない。
可住地で見ると日本で最大地は東北で、ついで北海道である。最小地は沖縄で、東北の20分の一にしか過ぎない。
可住地に対する太陽光発電敷地の占める率で最大地は、関西で6.0パーセント、ついで東京の5.4パーセント、中部が3.3パーセントとなっている。
地方の電力では、最大値が北陸と中国で3.1パーセントである。認定受付の多い九州は2.4パーセントで、東北は1.3パーセントである。
この占有率だけ見ても、東京と関西は導入困難と思われる。実際の、空き地の存在や、土地代の高さを考慮に入れると、都会地に、計画通りに太陽光発電を導入することは、非常に困難、乃至は不可能と判断できる。しかし、都会地の再エネ化率を高めないと、日本全体の率は高くならない。
                                                                                                                                   (7.4

                                                                            
(4) 都会地の分を地方へ分散させる。

都会地には、現在認定されている分と同じ量まで、今後、受付可能とする。つまり、現在受付の2倍までの量を都会地で発電させて、残り分は地方へ分散させる。
現在、東京電力管内での受付分は、2,052万kWであるので、その2倍の4,104万KWまで発電可能とする。東京電力に必要な容量は17,143万KWであるので発電不可能分13,039万KW分は地方へ分散することにする。
中部と関西についても同様の考えを適応する。中部の発電不可能分は5,299万kW、関西は6,987万kWとなる。
3電力の導入不可能分合計は25,323万kWである。この値は、地方電力7社の発電可能分合計値22,560万KWより大きい、驚きである。
この事実は地産地消や地方創生を考える場合、大きなポイントになるので記憶しておくべきである。それについての詳細は、後で、詳細を記述する。
3電力の発電不可能分合計は25,323万kWの分配方法は、分配した後の「可住地に対する率」が地方の7社は3〜5パーセント程度になるように配分する。
配分結果は図7.5の通りである。
                                                                                                                                                  (7.5)


配分結果を見ると、北海道は、現在すでに稼働している太陽光の72.3倍と驚異的である。
次いで東北も、同じく51.7倍と驚くべき数字である。これは需要の9倍の発電である。(図7.6)
別の見方をすると、北海道も東北も広大な可住地を十分に使いこなしていなかったとも読み取れる。


需要の9倍の太陽光発電

逆に地方と言えども、可住地に余裕があるからと言っても、本当に発電所設置の場所があるのだろうか?
        最近、地方での再エネ設置場所に関しても新しい動きがある。
            ①再生利用困難な荒廃農地利用(平成26年時点で2,760km2)
                    農業従事者数175万人、平均年齢67.0歳
                    生産農業所得 5.1兆円から2.8兆円へ45%減少
                    「農山漁村再生可能エネルギー法」(平成26年5月1日施行)
            ②人気薄のゴルフ場利用(平成26年時点で稼働中・計画中が60件)
            ③放射能汚染された福島、不要となった火力、原発跡地に設置
           図7.5でPV必要面積の全地域合計が3,328km2であるが、荒廃農地2,760km2とゴルフ場など
           で土地は確保できそうだ。

 
(5)地方の太陽光で発電した限界費用ゼロ(燃料費)の電気を都会地に届ける         
地方から都市へ送電する場合、途中の地域の送電線も使用する。したがって、途中の地点は自地域から都市へ送電する分と、他所から通過する分を合わせた送電量となる。各地域を通過する容量を下図から求める。
図7.8は、電力会社別のベース電源容量と、都市支援のために送電する分と、他所から通過する送電量を表している。
東からは東京を目指し、西からは関西、中部を経由して東京を目指すことを表現している。
図の見方を関電中心に説明する。

関電は、ベース電源として時間当たり1230万kWが必要であるが、自地域では211万kWしか発電出来ないので、残り1019万kWを他所から送電されてくる分を宛がう。関西には中国から1,804万kWと四国から140万kW、北陸から43万kWが送られてくる。過剰分968万kWは隣の中部電力に送電する。



(6) 区間連携線の容量は十分か?
都会地の電力需要を満足させるために、地方で発電し、都会に送る量は明確になった。日本では9電力会社間は連携線が設置されており、その連携線の容量もわかっている。(図7.9)それでは、その容量は十分か?前述の区間連携容量から現在の連系線の容量を比較し、不足している分を要増強として、その不足分を図7.9に赤字で書き込んだ。
(図7.9)
出典:資源エネルギー庁資料に弊社の計算値を加えた


区間連携の増強分合計は2,972万kWになる。
北海道から東京へ電力を送電する場合、北海道と東北の間の連系線を使用するが、その連携ポイントを過ぎると後は東北電力の送電線も使用する。
東北自身の都会向け送電量もあるので、東北の送電線には、新たに北海道と東北の都会向け送電量が、通常の送電量に加算される。
問題は、東北に新たな送電量を受け入れ可能な送電線があるかということである。
通常電力設備は、最大需要を少しオーバーするほどの余力しか残っていないと考えるのが妥当である。有り余るほどの余力があると、設備利用率が悪いということで、経営に悪影響を与えるからである。

(7)電力会社毎に新たに必要となる送電線の容量
検証手順
        ステップ1.電力会社別に各社の都市支援の通過分も含めた送電量を、24時間需要の全時間
                           に対して加算する(需要のかさ上げ)
        ステップ2.電力会社別に過去の時間当り最大需要量を調査しておく。(kW/時)
        ステップ3.ステップ1で作成した24時間需要の中での最大需要量を探す。
        ステップ4.ステップ3の最大需要量とステップ2で求めた過去の最大需要量の差を算出す
                           る。ここで算出したものが電力会社別送電不足容量となる。

検証結果は、図7.10の通りである。


(8)送電線と区間連携線増設費用

           増設費用算出に当たって、資源エネ庁は次の値を使用している。
                                                                    (図7.11)

                            この値を使用して算出すると
                                    地域内送電線増設総費用  =  14兆円 〜 25兆円
                                    総費用                               =  17兆円 〜 35兆円
                            となる。

 
 
(9)託送制度と託送料金
九州から東京に送る場合
九州から東京へ向けて毎時1026万kWを365日毎日24時間かけて送電する場合、各社の託送料金単価を適応して計算すると、図7.13になる。年間託送料金は合計で8,018億円となる。
                                                                                                                    (7.13)

これは05年にパンケーキ構造問題として取り上げられ、06年3月から廃止され、需要地側だけで託送料金を支払うことになった。
20年の発送電分離で送配電会社は1社にまとめられるので、託送料金制度は現在よりもっとやりやすくなると予想できる。

(註)パンケーキの言葉の由来は、パンケーキ(ホットケーキ)を積み上げていくのに似ていることから、名づけられた)


託送料金計算
・託送の種類
託送には供給区域内で消費するための託送と、都会地への託送の2種類がある。
何れに対しても、現在の単価(表7.11)を適応し、計算する。(表7.12)

・計算結果の託送料金
年間の託送料金は、地域内で7,254億円、都市支援で6,381億円、合計で1兆3,635億円となる。

・託送料金はだれが負担するのか?
05年にパンケーキ構造問題が解決したとき、需要地側だけで負担すると決められた。したがって、地域内託送は、該当地域の需要家が支払い、都市支援分は都会地が支払うことになる。都会地は、地域内と都市支援分の合計8,106億円/年、地方は7社合わせて5,529億円/年となる。
この託送料金は、最終的には電気の消費者の負担となるので、将来は地方の電気料金は都会より20%程度安くなる原因となる。

・送電設備増設費用は、耐用年数25年間の託送料金で十分支払い可能である。
 
 
 
③発送電分離後の送配電会社の大規模収入となる
発送電分離後の送配電会社の主な収入は託送料金である。新会社が売上高を  大きくしたいなら、託送量を増やすしか方法は無い。地産都消は大歓迎される。
                                                                                                                                                                                                    (表7.12)
   (表7.12)


地方で発電した電気を、都市のベース電源として利用する。
それによる地方の収入は毎年3.9兆円となり、自地域分の3.4兆円と併せて7.3兆円の収入となる。(図10.6)再エネ導入のしやすい地域から電気料金は下がるので、地方は都会に先駆けること10年くらい前から電気料金が安くなる。
10年間は都会地に電気を送電するための送電設備や、区間連携設備の増設工事が行われる。その工事の殆どは地方で行われるので、その間地方は、仕事と人であふれる。
その工事完了後から地方で発電した太陽光の電気が都会地に送られ始める。
全地域からの電気が届くころから都会の電気も安くなるが、地方からの託送量分だけ都会の電気は高くなる。20パ―セント程度は高くならざるを得ない。
しかし、託送料金を含めても都会の電気代は現在より40パーセント程度は安くなる。

                                                            

地産都消完成後の地域別収入(2036年頃?)


                新たに地方に出現する再エネ関係のビジネス
                    ・グリッド・ストレージ ビジネス
                        (1)太陽光発電向けグリッド・ストレージ・サービス
                        (2)風力発電向けハイブリッド・バッテリー・サービス
                        (3)電力系統全体のバランス支援サービス(長周期変動対応)
                        (4)都市部の区間連携遮断時のバックアップ・サービス
                    ・液体水素関連ビジネス
                    ・スマートセンターサービス

                                                                                        




                                                                                                          












                                                           


                                                                                                      

















(可住地とは)
総務省統計局は毎年、「統計でみる都道府県のすがた」を発表している。その報告書には日本全国の面積を可住地面積、森林面積、 自然公園面積、田面積、畑面積、宅地面積に分けて表示している。その中で可住地面積を、次のように定義している。
可住地面積=総面積-(林野面積+主要湖沼面積)
可住地面積の意味は、言葉が示す通り、農地や道路も含め、居住地に転用可能な既に開発された面積の総計である。
ソーラーパネルの設置可能場所は、居住地にほぼ等しいとの考えから、可住地に対してパネルの占める率で判断できる。

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