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りくでん(北陸電力)は水力とバイオのお陰で、僅かな出力抑制で、再エネの主力電源化実現

(2020/6/28)
電力需要が最下位のりくでん(北陸電力)だが、わずかな出力抑制で、
再エネ化率58パーの日本一になる。
再エネ化率構成は、水力が26.7パー、バイオが15.4パー、太陽光6.8パー、風力9.3パー。
出力抑制で売電収入の減少率は
太陽光が6.4~10.0パー、風力が4.5パーで何とか耐えられる水準。
果たしてこれ以上の再エネ化率は達成できるのか?
りくでんの分析を通して再エネ化について需要なことが明確になった。
(最後にまとめて記述してます)


1.りくでんの再エネ化率現状

りくでん(北陸電力)は内地の電力9社中、一番か2番の電力需要の少ない電力会社。一番大きい東京電力と比べると10分の一、関西電力とは5分の一の規模である。
しかし、北陸は北海道に次いで降雪量の多い地区。冬の間にためた雪をダム代わりにして雪解けの始まる春先から水力発電をフル稼働させる。そのため水力発電所が131ヶ所もあり、関西電力の141ヶ所に肉薄している。
従って水力発電の占める率は27.6パーもあり、太陽光(4.0パー) や、風力(0.7パー)よりはるかに大きなウエイトを占めている。(図1.1)水力を含む再エネ化率は34.2パーで、主力電源にはなってはいないが、日本一の再エネ化率である。もちろん、現時点では出力抑制は発生していない。実は、年間通して8.6パーの供給過剰であるが、全て、関西または中部電力に過剰分の処理を引き受けてもらっているので、出力抑制処理は必要としていない。ラッキーである。
ちなみに、需要の最も少ない5月のゴールデンウィーク期間の稼働(図1.2を見ると、下げ代ぎりぎりで火力発電を運転しているため、水力の発電量の方が多くなっている。この時、水力は52.9パーで、この時点だけでは、辛うじて再エネが主力電源となっている。火力は49.8パーだった。

                                                                            (図1.1)
(図面をクリックすると拡大できます)

(図1.2)をよく見ると、7日間の毎日が需要を超えて供給している。それでも、出力抑制は発生していない。何故か?
超過分の全ては、関西と中部電力に送っているからである。年間の伝送量は2.5TWhで、りくでんの年間需要8.6パーに相当する。(図1.1)


                                                                            (図1.2
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2.承認済と検討申込の全てが稼働した時、
再エネの主力電源化は?     出力抑制の発生は?

現在、りくでんで稼働している再エネは141万kWで、内訳は太陽光が再エネの70パー強を占め103万、風力が16万、バイオが13万、水力が8万である。
その再エネは、将来の導入を承諾したものが125万あり、さらに接続検討申込をしているものと合わせると337万になる。検討申込と承諾済みと合わせると数年後には最大603万になる。なんと、現在稼働している量の4.3倍である。(図2.1)
4.3倍になった時、出力抑制は発生しないのか?発生した場合、どの程度の頻度となるのか?またその時、再エネの主力電源化は実現しているか?

                                                                        (図2.1)
(出典)北陸電力               (図面をクリックすると拡大できます)


予測結果
その予測結果が (図2.2)である。
予測は、2019年度のりくでんの需要実績を使用し、そこの再エネ発電実績に対して将来の倍率を1時間毎に乗じ、かつ時間毎に同時同量を実現しながら出力抑制処理を行った。

処理結果を見ると水力を含む再エネ化率は58.3パーになった。
原発は停止中で、火力は40.2パーだから、再エネが主力電源になる。おめでとうございます。
再エネの内訳をみると、水力が26.7パー、バイオが15.4パー、2つ合わせると42.1パーとなり火力より多くなる。太陽光と風力は6.8パーと9.3パーにしか過ぎないのは少し寂しい限りである。
太陽光と風力の率が少ないため出力抑制の発生も少ない。センターから昼間に発令された停止回数は年間62回にしか過ぎない。各発電所の停止回数は太陽光が23.1回、風力が26.9回で、売電収入減は多く見積もってもせいぜい10パー以下である。(図2.3)

                                                                        (図2.2)
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                      (図2.3)
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3.更に導入拡大で、
再エネ化率80パー以上の達成は可能か?

最近は、電力自由化の進展で電力会社といえども価格競争にどっぷり浸かっている。りくでんは、燃料費のかからない水力をはじめとした再エネで60パー近くを発電しているので。りくでん全体の利益率もよい。したがって、電気料金に関する価格競争も、現時点では有利な位置にある。
しかし、競合他社も再エネ導入には力を入れているので、いずれの日にか他社も再エネの主力電源化を実現し、料金値下げ競争が激しくなる。
そんな時には、りくでんは現在の再エネ化率60パー程度に甘んじることなく、さらに再エネ化を推進せざるを得ない。

果たして、りくでんは再エネ化率80パー以上を達成できるのか?
80パー以上を想定して、再エネの導入量を太陽光を4.5倍、風力を32.7倍(図3.1)のように設定して、稼働をシミュレーションした。

                                                                    (図3.1)
(図面をクリックすると拡大できます)
 
シミュレーション結果は、再エネ化率は60.5パーにしかならなかった。(図3.2)太陽光と風力を大量に導入したのに、増えたのは出力抑制だけである
太陽光の有効発電量は651TWhしか増えなかったが、抑制量は2,507TWh増加した。風力も有効発電量は886TWhの増加で、抑制量は3,336TWhも増加した。
太陽光も、風力も、半分の発電させてもらえていない。これでは両発電業者は倒産するしかない。残念。

                                                                        (図3.2)
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出力抑制増加の詳細を見てみよう。
(図3.3)は系統制御を行うセンターが発令した抑制回数と、一つの発電所がセンターから発電停止命令を何回受取ったかの回数である。センターの一回の発電停止は全発電所に命令するのではなく、供給過剰分に相当する量を満たすだけの発電所に命令を出している。したがって、数回のセンター停止で全発電所が公平に1回筒停止した後、2回目の停止となる。
(図3.3)の「センター停止回数」は昼と夜がある。昼は太陽光と風力発電所に対して発令されるが、夜は太陽光は発電していないので風力だけに命令される。したがって、風力は昼と夜の2回命令されることになる。昼と夜に同じ風力発電所に対して命令する場合もあれば、別々の発電所になることもある。
年間の昼の停止回数は365日中、290回の停止であり、夜は121回であった。
「個別発電所抑制率」は月ごとに停止させられた回数である。例えば4月にPVが-21.9とあるのは21.9回停止させられたことを意味する。WINは昼と夜を含めて25.1回停止したことを意味する。年間で一つの太陽光発電所は180.9回停止させられ、風力発電所は252.1回であった。

                    (図3.3)
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 年間の稼働状況を見える化してみよう。
5/1~5/6の日別時間別の稼働状況を(図3.4)に表示した。
グラフを見ると6日間中5日が抑制となっている。抑制された分は「白地」で表現されている。太陽光と風力の両方が抑制されていることが分かる。
抑制分が需要ライン以上になっているため、穴埋めとして揚水発電で補充している。また火力は下限ぎりぎりまで落とし、かつ水力も止めるだけ止めて供給過剰を解消している。

(図3.4)
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4.各太陽光にHBBS
系統制御センターにPVSSを導入すると
再エネ化率100パーが実現できます。

この結果、我が国はエネルギーの自立化を
実現します。




りくでんが教えてくれたこと
(1)出力抑制を極力抑えながら、再エネ化率を高めるには、太陽光と
           風力を極端に少なくし、水力やバイオ、地熱を増やすべきであ
           る。
(2)経産省主導の超過分切り捨ての系統制御方式で、太陽光が多
           場合は再エネ化率30パー、風力が多い場合は50パーを超え
           ると、出力抑制と発電業者倒産ばかりが増えて、再エネ化率は全
           く増えない。
(3)経産省主導の超過分切り捨ての系統制御方式のままで、「再エネ
           の主力電源化」を唱えることは、国民をだました詐欺そのものと
           なる


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