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現在、どの程度の出力抑制が発生しているか? 九電の種子島では!

2018年4月の種子島の出力抑制の実績を報告します。
恐ろしい現実は早めに報告したほうが、被害を少なくできるのでは
との思いからの報告です。
(2018/8/19 ; 掲載)                         (出典;九州電力「離島における平成30年4月の再生可能エネルギーの出力制御実績をお知らせ」より)



1.2018年4月の出力抑制は20回発生した。
    昨年の4月は4回だった抑制回数が、今年の4月は20回になった。確実に増えている。
    一回の抑制では、午前9時から16時まで発電禁止になっている点にご注意ください。
    増加した原因は、太陽光発電の導入容量が増えたからである。1年前に比べると太陽光発電
    導入量は11,067KWであったものが、2.4MW増えて13,461kWになった(図2.1) 
    南中時の電力需要が17.0MW程度であるので、2.4MWの増加は、需給バランスを維持する上で
    の影響は大きい。
    (図2.2)は昨年(2017年)に電力広域的運営推進機関が公開した資料であるが、それによると             11.0MWの容量を持つ太陽光発電が3月の晴天日に発電すると、最大9.0MWの発電になるが、
    その時需要を1.0MWほど超過となっている。
    そんな環境の中で、2.4MW増加すると出力抑制の頻度はどの程度になるか?
    その出力抑制の頻度実績を、九州電力が公表しているので、その実績を次に説明する。



(出典】九州電力

需要量と設備能力
(出典)電力広域的運営推進機関



2.4月の出力抑制実績と天気実績
    九州電力が発表した種子島の抑制実績と、気象庁の天気実績と対比して、どの程度の天気の時
    に抑制命令が出されたのかを見てみよう。
    4月の抑制回数は20回あった。その抑制日の天気状況を合わせて図2.3に 表示する。
    図2.3は左側が九州電力発表部分で、右側は気象庁のデーターである。
    種子島気象台では、職員が毎時天気を観測して記録しているので、その中から9時と12時と15時
    の天気を表示した。
    この表からわかることは、晴れの日はすべて抑制日となっている。抑制されない日は天気の悪い
    日であることも分かる。実際、12時に晴れで、日照時間が5時間以上は殆どが抑制日となってい
    る。例外として、12日と26日が抑制日となっていない。12日は0.5ミリ以下の雨が降っているの
    で天気予報では日照時間が5時間以下になっていたのではないだろうか?
    26日は12時に晴れで日照時間が10.6時間もあるのに抑制されなかったのが不思議である。その
    原因を追跡してみたが、おそらく、26日の時間ごとの値を見ると午前の日照時間が0.5時間以下
    になっていたので、前日の天気予報で日照時間が5時間以下と予測したのではないだろうか?
    その為、26日の正午近い時間に周波数が乱れたのではないかと心配している。

2018年4月の種子島の出力抑制の実績
(出典)九州電力と気象庁「過去の気象データ」

    5月、6月、7月の出力抑制実績は

  (注意)離島である種子島で抑制が多い理由は、
                ①他の地域と連携していないので、超過分を他所に処理をお願いすることが出来ない。
                ②種子島には揚水発電がないので、超過分に対応できない。
                からである。
                その点、九州本土などの地域では①と②は満足しているので、抑制は発生しない。
                と信じている方はご注意ください。
                                    ⇒⇒ 種子島を食いつぶした妖怪が、九州本土に上陸

3.各発電所の抑制回数は?
    4月の種子島では20回の出力抑制が実施された。しかし、すべての発電所が20回も抑制され
    た訳ではない。どこの発電所を抑制するかは、その日の必要抑制量、つまり需要超過量に依存す
    る。超過量が多いときは多くの発電所が抑制対象となり、少ないときは少ない発電所しか対象と
    ならない。
    種子島には家庭用も含めると500件弱の太陽光発電所がある。平均容量は50kWとなる。
    需要超過量が1MWであれば、20ヶ所の発電所を止めればよい。500ヶ所の発電所の内の
    20ヶ所の発電所は、4パーセントとなる。
    4月1か月間の抑制容量(MW)は57.4MWであった。稼働中太陽光発電の容量は13.4MWであ
    るので発電所から見た抑制回数は  57.4 ÷ 13.4 = 4.3回となる。
    計算上は4.3回となるが、予測と実際との差異や公平性などを維持するために、20~30パーセン
    トの余裕を持たせるべきである。したがって、発電所の抑制回数は5~6回と見るべきである。
 
    結論からすると、一つの発電所が4月に、出力抑制で発電出来なかった日が5~6回、天気が悪
    くて発電量が極めて少なかった日が10回で、まともに発電出来た日は月の半分の15回であっ
    たとなる。



4.更に太陽光の導入が増えた場合
    4月時点の接続検討申し込み分と承諾済みを合わせると、2.8MWの太陽光発電が未稼働状態に
    ある。この未稼働分2.8MWがすべて稼働開始した時、出力抑制回数はどうなるか?

    (風力発電の未稼働分が稼働した場合も考慮に入れるべきだが、承諾前が14.0MWもあり全てが
    承諾されるかどうかは未知数である。承諾されるかどうかは稼働全体への影響が極めて大きい
    ため、今回の検討には入れない事にする)

    詳細の説明は省くが、太陽光が2.8MW増えると、4月の同じ気象条件であれば、島全体の抑制
    回数は23回となり、発電所別の抑制回数は9.5回となる。悪天候でほとんど発電出来ない日が
    同じく10回とすると、まともに発電できる日は10回と考えるべきである。
    4月1か月間がすべて晴天日であった場合と比べると、3分の一の発電しか出来ないと考える
    べきである。この売電収入で投資の回収ができるのだろうか?


5.ハイブリッド・バッテリーを導入した場合の出力抑制はどうなるか?
    蓄電池を使用した系統接続方式(HBBS)を採用すると、太陽光発電が16.0MWに増加しても、
    出力抑制は一切発生しない。⇒⇒ HBBS概要
    太陽光発電が16.0MWになり、晴天日に最大発電量になったとしても、翌日の放電量は1時間
    当たり3.3MWであるため需要を超過することはあり得ない。(図2.4)
    時間当たり放電量が最低需要を超過するとしたら、早朝の需要が最低時にしかありえない。
    早朝の最低需要は13.0MW程度であるため、太陽光の容量が60.0MW程度まで増加しない限り
    放電量が需要を超過することは発生しない。
    (放電が早朝の最低需要を超過してもHBBSではキチンと対応してます。ご安心ください。
                     詳しくは  ⇒⇒ 新たなタケノコシンドローム をご参照ください)

                                                                                          (図2.4)                                   


        蓄電池コストは、20年間の出力抑制で発電できなくなる分や、最大電圧が4分の一になる
        ために系統接続費用が安くなることや、蓄電池とソーラーパネルをセットにした製品のため
        価格が大幅に安くなることなどで回収できる。

               詳細は  ⇒⇒ 出力抑制解消のための高額蓄電池コスト問題を解決する  ご参照ください。

         HBBS(蓄電池)を使用する発電所は、使用しない発電所より大きな利益が出せることを
         現実の蓄電池等の価格等を使用して発電所規模別に17年間の粗利益を計算して実証して
         いる。経産省も注目のレポートです。最近最も人気のあるサイトです。

              詳細は  ⇒⇒ 膨大な蓄電池のコストは解決済み

   
  
    (参考)
        九州本土も出力抑制が始まった

        九州本土の出力抑制は、年収を20パーセントを減らしてしまう

        経産省が考えている出力抑制解消システムは「役立たず」

        安定給電保障・調整力保障機能の詳細については

       東京電力の太陽光発電には出力抑制はあり得ないと思っている方必読

        「エネルギー基本計画」では出力抑制解消を全く考えていない


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