原発で発電した電力を、他所の電力会社に売却

原発で発電した電力を、他所の電力会社に売却している九州電力、
原発再稼働は、『九州地区の電力需要にこたえるため』
発言していたはずだが・・・。









(1)ピーク日  


































































(2)閑散日












































 








(3)年間発電量


































(4)近未来の想定


原発で発電した電気を売却した結果、それまで3年間赤字続きだった九州電力は、2016年度1年間で営業利益1,226億円となった。原発様々 である。九州のための再稼働は方便だったのか?

それでは、九電の発電状況を見てみよう。
出典は、九電の「でんき予報」にある「系統情報の公開」からダウンロードしたデータ(2016年4月1日~17年3月31日)を弊社が編集したものである。

まずは、電気が最も不足すると言われている真夏ピーク日の需要と供給の内容を見てみよう。
時間当り電力需要が最大となる日をピーク日と定義すると、九州では8月22日がピーク日であった。その日の14時に15,503MW時の最大需要であった。
ピーク日の24時間における電源種別毎の時間別発電量を図1で示す。
図1で分かることは、総供給量が一日の殆どの時間で、ピーク日であるのに需要(赤破線)を超過している事である。同時同量の原則から行くと、超過は有ってはならない。
その超過分の処理として、他電力会社へ送電するやり方を取っている。他電力への送電分は図1のグラフではX軸の下側に「他電力へ」として表示されている。
他電力へ送電した量は、なんと原子力発電の発電量にほぼ等しいのだ。
別の見方をすると、原子力の発電量だけ余計となったので、他電力へ送電せざるを得なくなったととも解釈できる。
また、太陽光発電に対する出力抑制も発生していないことは、多少評価できる。


                        

           図1のグラフを作った元データを表1に掲載した。詳細の数値が分かる。
           表1から分かることは、原発が発電した量は、41,968MWhであった。他電力へ売却した量は            32,196MWhで、原発発電量の80パーセントに相当する。
           再エネの総発電量は35,103MWhで、総需要の11.8パーセントとなっている。
           従来からの水力発電も再エネと考えると、再エネの総発電量は46,529MWhとなり総需要の
           15.6パーセントになっている。

 

年間で最も電力需要の少ない閑散日5月5日の需要と供給の内容を見てみよう。
5月と6月は太陽光発電は太陽高度が高いことと昼時間が長いことから一日の発電量が1年間の内でも多い月になる。多い太陽光の発電を100パーセント受け入れるために揚水式発電所を動かして、超過分を吸収している。また、夜間には太陽光発電が終了し、電力不足になるため揚水式発電を稼働させているのも読み取れる。
需要が少ないにもかからず、原子力はピーク日と同じ量を発電している。需要を超過した分はピーク日と同様に、九州以外の電力会社に売却している。




            図2のグラフを作った元データを表2に掲載した。詳細の数値が分かる。
            表2から分かることは、原発が発電した量は、42,668MWhであった。他電力へ売却した量
            は20,200MWhで、原発発電量の47パーセントとピーク日の6割に相当する。
            5月、6月は太陽光発電量の多い季節であるため、再エネの総発電量は43,206MWhで、総需
            要の24.1パーセントと多くなっている。太陽光の発電分は需要を超過しているので、超過
            分は揚水発電を利用して貯水池に水をくみ上げている。
            従来からの水力発電も再エネと考えると、再エネの総発電量は67,129MWhとなり総需要の
            37.5パーセントと想像以上になっている。



1年間のうち、閑散日とピーク日の2日だけを見て、判断するのは正しい判断とは言えないので、1年間の発電状況を見る必要がある。
1年間365日の需要と原発と他社連携の3点に絞ってグラフを作った。(図3)
この図から分かることは、原発が10月から2月末までの5か月間は発電量が半減している以外は毎月同じ量を発電している。(半減理由は不明)
他電力への連携量は1年間ほぼ同じ量で、原発の発電量にほぼ等しいことが分かる。
このことから、原子力発電は最初から他所の会社に売却することを目的に再稼働したのであって、
九州地区の電力需要を満たす為ではなかったと結論しても間違いないだろう。



1年間の電源種別毎の発電量は表3の通りである。



次の2項目が実現する近未来の発電状況を想定する。
①玄海原子力発電所が稼働する。
            2号機;55.9万kW、 3号機 ;118万kW、 4号機 ;118万kW 、合計 ;291.9万kW
            (注)1号機は平成27年4月で運転終了
②FIT認定受付分がすべて稼働した場合。
            2017年3月現在で受付後未稼働の容量(単位:MW)
                ・太陽光 10,961 ・風力 616  ・水力 185  ・地熱   15  ・バイオ  1,171   ・合計 12,950

2項目が実現したときの想定
①全原発再稼働後の対応
        現在稼働中の川内原発分178万kWと新たに稼働する玄海原発分291.9万kWと合わせた合計
        469.9万kWが発電する一日分11,000万kWhの全ては、他電力へ売却される。
        (九州電力と中国電力間連携線の能力は557万kWあり、一日中送電すると13,368万kWhを
            送電できる)
②再生可能エネルギーへの対応
        FIT認定受付分がすべて稼働すると、電力需要の少ない5月のゴールデンウィーク期間に
        需要超過する。需要超過を避けるために未稼働分の再エネは接続拒否となる。
        (九州電力が公表した接続可能量は太陽光が819万kW、風力が58万kWとなっている)




玄海原発の再稼働は、九州地区の需要にこたえるためではなく、他所の電力会社へ売却するためであるかのように見えてしまう。
実際は、九州地区に九州電力以外の発電所がある。J-Powerとか住友金属などで、それらの発電所が発電したものは九州以外の地域で消費することが目的となっている。
上記グラフの需要量は九州地区の需要家の需要量であって、九州以外の地域の需要、例えばJ-Powerなどの需要は、含んでいない。
したがって、原子力発電の発電が九州以外の地域のために発電しているように見えてしまう。

最後までご精読ありがとうございます。ご質問、ご感想、反論等お待ちしてます。


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