出力抑制の見通しを資源エネ庁が発表

年間の出力抑制時間を九州電力は1,513時間、東北電力は1,559時間、

北海道電力は1,509時間と発表しました。

1.電力会社別年間抑制時間の発表

資源エネ庁の第12回系統ワーキンググループが出力抑制時間を電力会社別に計算し、発表しました。(2017年10 月17 日)

1回の抑制は午前9時から16時まで発電禁止になるので、1,500時間は年間の回数にすると220回(日)となります。365日の内220日は発電禁止になるそうです。

2.「気配りに欠けた発表」

3.一つの発電所の抑制時間

(出典) 資源エネルギー庁、第12回系統ワーキンググループでの配布資料

+nn万kWとは、「30日出力抑制枠」の数値よりnn万kW超えた場合、いわゆる接続可能量を超えた場合という意味です。

東北は接続可能量を450万kW超えた場合、すなわち太陽光の稼働が1,002万kWになった時、1,559時間の抑制となってます。東北地区はすでに稼働中は473万kWとなっており、未稼働分が1,674万kWあり、合計2,147kWが、2年以内に稼働する予定です。その時は、「30日出力抑制枠」に対して+1,145万kWとなるが、上の表にはその超過に対する出力制御時間が表記されていません。

おそらく2,555時間(365日×7時間)となるので表記しなかったのでしょう。

同じく九州電力では、接続可能量を600万kW超えた場合、すなわち太陽光の稼働が1,417万kWになった時、1,513時間の抑制となってます。九州地区はすでに稼働中は889万kWとなっており、未稼働分が716万kWあり、合計1,605万kWが、2年以内に稼働する予定です。

実はこの発表は「間違い」とまでは言えないが、少なくとも「気配りに欠けた発表」と言わざるを得ません。

我々一般の日本人が知りたいのは、自分の発電所が年間何時間発電禁止になるかです。

しかしこの発表は電力会社が行う出力抑制処理時間を発表してます。この表を見た人のほとんどの方たちは、一つの発電所の抑制時間と勘違いしてしまいます。この表を見た人は自分の発電所が年間1500時間発電禁止になると解釈してしまいます。1500時間も禁止になれば絶対に太陽光では採算が取れないと解釈してしまいます。

それでは、一つの発電所から見た発電禁止時間はどれくらいになるのか?

図1は九州電力の未稼働分の全てが稼働する予定の2年後の抑制を予想したものです。

また予測は、18年7月の発電実績に対して未稼働分を加えたから予測してます。

予想結果、7月の1か月に17回の抑制が発生してます。

九州電力の系統制御システムが制御した時間は119時間になります。

                                                                                                                                                    (図1)

    ④発電所の抑止時間は9時から16時までとすると、5.2回×7時間=36.4時間となる。

  

問題は、一つの発電所に対して何回の抑制になるかです。

結論から先に言いますと、平均5.2回となりました。時間にすると36時間と計算できます。

計算方法は次の通りです。

    ①九州電力の7月の太陽光発電は、南中時の平均発電量は10,000kWです。

    ②南中時における最大超過量の合計値は51,800kWhであった。

    ③公平の原則から各発電所を均等に抑制させるとした場合、51,800÷10,000 = 5.2回が発電所の抑止回数となる。

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