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2021/10/18                       国策詐欺だった、再エネ潰しのエネ基本計画!!
2030年には、再エネ化率35%達成も
出力抑制頻発で発電業者がバタバタと倒産
それは経産省の狙い、晴れて原発復活
しかし、技術大国日本は世界の笑い物
経産省初め、日本政府の信用失墜
正しく制御すれば、再エネは巨大な安定電源になる
その時、日本はエネルギー大国になり
液化電気と再エネ制御関連製品の輸出大国になれるのに!!

    
            
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プロローグ
経産省、再エネを本気になって導入する気は無し
 秘かに、再エネが失敗することを願っている   

2030年頃には、再エネ導入量が現在の2倍程度が稼働し始めるが、
殆どの地域は、その時、大量の出力抑制発生となる。 (図1.0)
多いところでは、年200回以上の発電停止となり、
発電業者の売電収入が大幅に減少し、発電事業を継続できなくなる。
その時、発電業者の大量倒産が発生する。
倒産したら、主力電源化も、RE100も脱炭素も夢のまた夢
しかし、経産省はこの問題に対して何ら解決しようとしていない。
当然このような状態になる事は経産省としても理解はしているはずだ。

                                                         (図1.0)

このような悲惨な状態になる事は、優秀な人材が集まっている経産省では分かっていた事である。しかし、このような状態になる事は一言も、外部には漏らしていない。何故、漏らさないか、理由は簡単、再エネが行き詰まることを期待していたのである。
行き詰まれば、「やっぱ、再エネはだめだ!!原発しかないじゃん」と言って、原発を本格的に稼働させることが出来るのを、秘かに狙っているのである。
再エネの主力電源化や、脱炭素化などは、まぎれもない国策詐欺に他ならない。

電力会社

元々電力会社は再エネには反対だった。著者は、電力系問制御担当幹部から直接言われたことがある。「買い取った電気は捨ててしまうのが、電力会社にとってコスト面でベストだ」と言われたことがある。要するに再エネはやりたくないと言う事であった。
また、東京電力から正式に「太陽光発電は不安定で使い物にならない」と返事をもらったことがある。それは今から数年前に、東京電力のホームページに自社の太陽光発電所の発電状況をリアルタイムで表示していたが、その表示結果を個人的使用以外の使用の場合は、事前に同社の許可を取る事とあったので、正式に使用申請したら、「使用不許可」の返事があった。不許可の理由は『HPへの掲載目的は、いかに太陽光発電が不安定で使い物にならないかを見て貰うためであるから、発電予測に使うなどもっての外』 と言う事だった。要するに東京電力は、「太陽光発電は不安定で使い物にならない」と決めつけて、再エネの出力抑制解消など考えようともしない。
また東北電力の関連会社に、近い将来東北地区の太陽光及び風力発電に出力抑制が多発化し、発電業者の殆どが倒産の危険性が有るので対策取るべきだと提言したら、返事は『業者倒産で再エネの発電が出来なくなっても、電力会社には自社のバックアップ電源が有るので心配不要』とのことだった。

経産省も、電力会社も、「無制限無保証」の条件で発電業者は導入しているので、少々出力抑制が有るからと言って、再エネを経済的・安定的に導入させるような工夫は不要だと言う事である。

有識者の評価

再エネで稼いでいる輩は多い、真剣に再エネの将来を理解している人は殆どいない。メディア出現の多いコメンテーターは「再エネは不安定かつ出力も小さく、EV時代には頼りにならない。だから原発を推進すべきだ」と、口を揃える。
だから彼らは「出力抑制が激増する」なんて考えもしない。抑制対策など考えた事も無いようだ。
某有名な再エネ推進の支援財団の研究員は「出力抑制は無いものとして、国に他の提言をする」と発言しいる。全く役立たずの財団だ。

発電業者

四国の某発電業者に、近い内に四国も大変な出力抑制に襲われると指摘したが、彼は信じようともしなかった。いやなことには目を瞑りたかったのだろう。


再エネがもたらす偉大な効果を引き出そう

再エネの特性を十分に知った上で適切に対応すれば、
再エネは安定した最も安い電気となる大きなメリットが有る。
対応しなければ出力抑制という悲劇だけが、襲い掛かって来る。

①縦に伸びる太陽光を、横に寝かせて出力抑制完全解消
②洋上風力は需要の小さい地方には不適切、即液化水素
③RE100実現は抑制で捨てられる分が多すぎて実現不可能
③再エネ効果の最大化は、マイクログリッド(MG)を実現すべき
④MGでブラックアウトを防ぎ、災害に強い国家を作る
⑤洋上風力フル稼働でエネルギー輸出国になる
⑥限界コスト不要と電力流通コスト低減で世界一安い電力の国になる

目      次

                Ⅰ.2030年、何故そんなことに?
                    (1)今は、どうなっているか?
                    (2)簡単に、2030年を予測してみよう
                    (3)(2030年)「全国で再エネ供給過剰」
                    (4)2030年のシミュレーション結果

                Ⅱ.知っておくべき「再エネの特性」
                    (1)タケノコシンドローム特性 
                    (2)3倍特性    
                    (3)最大出力が3分の一~4分の一に減る特性
                    (4) 天気に左右される太陽光も年間では安定特性
                    (5)地政学的にも日本は出力抑制多発地帯特性
                    (6)風力は太陽光より出力抑制になりやすい特性
                    (7)再エネ化率100パーセントは非現実的特性

                Ⅲ.間違いだらけの我が国の再エネ制御
                    (1)停止発電所が2倍になるお粗末な制御方法 
                    (2)役立たずの供給過剰分解消装置
                    (3)誤解も激しい系統容量拡大策
                    (4)甘すぎる洋上風力ブーム

                Ⅳ.再エネの特性を生かした理想的な再エネ導入
                    (1)太陽光発電の出力抑制解消
                    (2)供給過剰分(捨てられる分)の有効利用
                    (3)供給過剰分をグリッドストレージに保存して
                                                    マイクログリッドの構築
                    (4)地産都消で地域の活性化
                    (5)ブラックアウトよサヨナラ!!

                Ⅴ.日本が「新エネルギー産業革命」で世界に光を
                    (1)再エネで世界一易い電気料金に!!
                    (2)世界に「新エネルギー産業革命」を売り込もう!!




Ⅰ.2030年、何故そんなことに?
      経産省が仕組んだ悪質再エネ潰し  

 
(1)今は、どうなっているか?
 

①現在の稼働状況と2030年の想定量

電力各社は毎月、2~3月遅れで「再生可能エネルギーの接続・申込状況」を公表している。その中身は現在稼働中の再エネ種別毎の容量と、接続検討申込と承認済の容量が記載されている。それを集約した表が(図1.1)である。                    
その表を見ると、2021年7月末時点で稼働中の合計は10,551万kW、内訳は太陽光が6,240万kW、風力が454万kW、バイオが1,772万kW、水力が2,030万kW、地熱が54万kWである。太陽光は59.1パーセントを占め圧倒的である。次いで水力で19.2パーセント、バイオが16.8パーセントなっている。風力は僅か4.3パーセントしかない、地熱は東北、九州、北海道だけで僅かな0.5パーセントである。
未稼働には2種類あり、既に承認されているものと、検討中の2種類である。承認済は3年ないしは5年内に稼働する確率は高いと思われる。その承認済が太陽光で2,296万kW、風力が2,481万kW、検討中が太陽光で2,727万kW、風力がなんと9,031万kWと極めて多い。風力の承認済と検討中合わせると11,966万kWと現在稼働中の26.3倍となる。風力の検討中の全てが稼働までに至る確率は低いとみているが、半分が稼働したとしても7,000万kWとなり膨大な量である。
風力の内訳として、洋上か陸上かの内訳を知りたいところだが、中部電力以外は公表していないので、中部電力のケースで考えざるを得ない。それによると陸上が85万kWに対して、洋上が469万kWであることから、洋上は85パーセントを占めると考えたい。また、洋上の発電効率は陸上の2倍と言われていることと、風力の発電時間帯は24時間で太陽光の3倍近いことから、風力発電は将来の我が国の再エネの主要電力となるだろう。
                                                                        (図1.1)


②原発停止を、如何にして乗り越えたか?

東日本大震災以降、我が国の原発の殆どは停止状態にあった。
停止の為、供給力不足に陥り、老朽火力発電を再度立ち上げて不足分を補ったりした。しかし、それも十分ではなく他所の電力から連携線経由で補給して貰っていたのである。
どの電力が何所からどれだけ供給して貰っていたかが分かる図が(図1.2)である。この図は電力各社が公表している電力需給実績(EXCEL)の連携線の欄の数値を、会社別に集計したものを載せている。
電力9社の箱の社名欄のすぐ下の数値は、その電力の1年間の連携線欄の合計値である。黒であれば外部から取り込んだ、赤字は供給過剰のため外部に放出したことを表している。
黒字で一番大きな数値は東京の32,204GWh、次が関西で18,683GWh、中国5,540GWh、中部2,969GWh、北海道194GWhの5社が供給力不足であったことが分かる。この5社の内、関西以外は原発が完全停止したためである。
赤字で一番大きな数値は東北の31,119GWh、次いで九州15,537GWh、四国9,764GWh、北陸3,172GWhであった。
連携線に流れた量を追っかけてみよう。まず九州から出た15,537GWhは中国に入り、中国で不足していた5,540GWhが中国で消費された。残りの9,997GWhと四国から来た9,764GWhと合わせた19,761GWhが関西へ送られた。関西は自社の不足分18,683GWhを補充し北陸からの3,172GWhと合わせた4,250GWhを中部へ送った。中部は自社の不足分2,969GWhを消費し、残り1,281GWhを東京に送った。
東北は北海道に194GWhを送った後、東京へ30,925GWhだけ送信した。東京は東北から来た30,925GWhと、中部から送られた1,281GWhで自社の不足分を補った。
ここで注目すべきは中部からは1,281GWhだったが、東京は1,279GWhだけ消費している。1,279GWhと1,281GWhの差2GWhは中部と東京間でのサイクル変換ロスと考えられる。
この図から明確になったのは、中央3社は供給力不足であったが、その不足分は地方電力が支えていたことが明確になった。詳しく言うと関西は四国と九州が支えた。中国は支えられたとなっているが、詳しく言うと中国は夜間は九州から支えられ、昼の一部は供給過剰が時々あったので、その分は関西に送り込んでいたのである。
東京は殆どが東北から支えられ、ごく一部は中部から支えられている。
中部は殆どが北陸からの支援であった。

またこの図からいえる事は、同時同量は連携線で結ばれた電力9社間で成立していることである。また連携線が有効になるのは、連携線の太さ(容量)では無く、供給力不足の所が有るからである。従って電力9社が全部同じ時刻に供給過剰になったら、連携線の効果が発揮できないのである。

2030年前に、稼働する再エネが2倍になる事と原発の再稼動がほぼ全電力で始まる事で、電力9社は南中時にイッセイに供給過剰になる。その時は他所の過剰分を引き受ける余裕のある電力は存在しなくなる。出力抑制で、再エネの発電を止めなければならない状態になる。



(図1.2)


③原発も、ほぼ全社で稼働予定

審査中で運転差し止めだった原発が2021年になって一斉に運転許可が出るようになった。その様子は(図1.3)にまとめて表示している。黄色で塗られた所が、新たに運転許可が出た発電所である。まだ許可が出てない発電所があるが、近い内に大半に許可が出るであろう。少なくとも2030年までには、供給力不足などの理由で発電許可が出ると予想している。
当サイトは何が何でも原発反対とは言ってない。安全なら動かしてください。しかし、動かすなら、動かす前にやるべきことを確りやってから、発電すべきであると主張している。

やるべきこととは何か?
原発がフル稼働すると電力間を流れる電気が大きく変わる。
前出では中央3社は供給力不足で地方電力から支援を貰っていた、特に関西と東京の不足分が大きかった。しかし、関西電力は希望する原発の全てが稼働することになった。高浜原発の3,4号機と大飯原発の3,4号機で合計411.2万kWが新たに稼働することになる。その時、地方電力からもらっていた支援は不要となるのである。四国からも、九州からも、中国からも不要となる。
東京は、柏崎刈羽の271.2万kWに稼働許可が出た。再稼働時期を東電は公表していないが、30年までには間違いなく稼働するであろう。東電の再エネの現在稼働量は日本一で2,500万kWが稼働しているが、更に検討中と承認済の合計6,900万kWが控えている。その時は東北からの支援は全く不要となるのである。
詳しいことは次の「(2)簡単に予測してみよう」で詳しく説明する。

                                                            (図1.3)



 
(2)簡単に、2030年を予測してみよう
 

経産省と電力会社の系統制御担当者以外、将来日本全国は出力抑制だらけになると予測できている人は殆ど存在しない。
太陽光発電のパネルを研究している大学教授も、メディアへ露出頻度の高い評論家も、自然エネルギー専門の研究所も、大型太陽光発電事業を手掛けている発電業者も、・・将来我が国において出力抑制が頻発し、発電業者がバタバタと倒産してしまう状況に陥るなんて、考えても居ないし、考えたくも無いのであろう。

何故、考えようとしないのか?
考えたくないと言うのが本音かもしれないが、実は考えるための信用できるデーターが無い。と言うより、探そうとしない。そんな問題はどこかの国で考えるだろうからそれを待てばよいと、某自然エネルギー専門の主席研究員の呟きだった。
出力抑制は、供給量がその時の需要を超えたときに出される位の事は分かっているが、その需要量も詳しくは分からないし、どれ位供給されるかも分からない。

そこで、何所でどれだけの需要があって供給量はどれ位増加するかをまとめた表(図1.4)を掲載した。この表は、弊社著作である。簡単に説明する。
表は電力会社別に需要量と供給量を乗せた。需要は季節別に、太陽光が南中時(12時)の最大需要量である。電力各社の電力需給実績から拾った。供給量は大きく分けて2種類、現在稼働中と将来稼働する量の2種である。これの作は (図1.1)から取り込んでいる。
最下欄の「比較テーブル」は、閲覧者の便を考慮して作成した。ここの欄を見ればどこの電力の出力抑制が多いか、少ないかが分かるようになっている。
「比較テーブル」は稼働中の量で供給過剰になるかを、または将来の再エネ量でそうなるかが分かる。作成した計算式は 
合計数値×0.8+火力最低出力+揚水発電+原発容量
で計算している。
結果からの判断で、まず「比較テーブル」の「稼働中の最大出力」を見る。
北海道は409であるがこの数値は春と秋の平均日より大きいので、春秋は供給過剰になるが、冬と夏のピーク日よりは少ないので供給過剰にはならない。東北の1,654は夏のピークより大きいので1年中過剰になる。九州の1,353は冬ビークより大きく夏ビークより少ないので夏以外は過剰になる。四国の475は九州と同じである。そのほかの電力は春秋の平均日より少ないので、殆ど過剰にはならない。
「将来合計の最大出力」を見ると、中部・関西・北陸以外は、夏ピークも超過しているので、年中過剰になる。中部・関西・北陸の3地域は平均日は供給過剰になっているが、ピーク日は過剰にならないだろうと予想できる。
現在出力抑制が発生しているのは九州だけで、他の電力では発生していない。
しかし、この比較テーブルでは東北と四国が供給過剰と出ているのに、何故抑制になって無いのか?その理由は前述で説明したが、過剰分を東北は東京に、四国は関西に送電しているので、出力抑制は必要無かったのである。

このテーブルを使うと将来の出力抑制の発生する地域が発見でき、大体の頻度なども予想可能である。
さらに詳細を予測したければ②2030年のシミュレーション結果を見て頂きたい。     
抑制の多かった北海道は、風力の発電量の内76パーセントが、太陽光は61パーセントが発電禁止になっている。東京の風力は40パーセントが、太陽光は44パーセントが発電禁止になっている。
                                                                                                              (図1.4)



 
(3)(2030年「全国で再エネ供給過剰」
 

2030年の出力抑制をシミュレーションする前に、
シミュレーション上、極めて重要なことを説明する。

極めて重要なこ」とは2030年前には、沖縄を除く全域で、南中時の正午近辺で供給過剰になり、他所の過剰分を受取る事が出来ない。従って全電力は出力抑制として処理せざるを得なくなる事である。                                                                        
従って、(4)の2030年のシミュレーション結果は連携無しで計算している。


 
(4)2030年のシミュレーション結果
 

2030年の稼働状況を予測した。
2030年の再エネ導入量は  現在稼働中量 +  承認済み量 + 検討申込量の半分
として計算した。なお、風力は全て陸上風力として計算した。洋上風力で計算したら出力抑制で捨てられる分が増えるだけと思われる。
計算に使用したデーターは電力各社の電力需給実績を使用し、再エネの出力を増加させて、時間単位に同時同量を実施しながら計算した。
計算結果、日本全体の再エネ化率は35.2パーセントにしかならなかった。原因は再エネ発電の31.5パーセントが出力抑制として捨てられていったためである。その時の発電停止回数は(図1.0)である。

(図1.5)




Ⅱ.知っておくべき「再エネの特性」
   敵を知り、己を知れば百戦危うからず    

 
(1)タケノコシンドローム特性 
太陽光発電の導入容量が増えると、南中時の発電量は上へ上へと伸びて行く。
決して横には広がらない。
タケノコは一日に30センチ伸びる。猛烈な勢いである。
伸びきった「タケノコ」は、「天井」(需要)を突き抜ける。
 突き抜けた「タケノコ」は切らざるを得ない(出力抑制)

令和3年10月1日現在、東京電力の稼働中太陽光は1,679万kWであるが、既に承認した分が887万kWあるので、これが4~5年後に稼働すると2,566万kWになる。また現在検討申込されているが承認に至っていない案件が1,527万kWあり、これの全てが稼働すると合計で4,093万kWになる。東京のタケノコは1,679⇒2,566⇒4,093と上へ上へと伸びていく。
現在の1,679万kWでは5月GWの閑散日需要の2,700万kWを超えない。
承認済み分が稼働すると2,566万kWになるが、その時は火力の最低出力やその他再エネなどをベースとすると、春秋の平均日需要3,000~3,500万W超えるので、ピーク日以外は供給過剰となり、出力抑制が現在の九州並に発生していると予想出来る。

                    (図2.1)

最大の課題は、検討申込分を含めた4,093万kWし始めた時(図2.2)、風力やその他再エネを含めると7000万kW超える。この値は真夏のピーク需要5600万kW超える事になり、年中出力抑制が発生すると言う事になる。しかし、大量に出力抑制が発生しているにも拘らず、再エネ化率は32パーセント程度しか達成できず、主力電源化へ到着させるためには、更に再エネ導入量を増やさなければならない。                                                                   
(図2.2)は承認済と検討申込分が稼働した後の4月1ヶ月間の稼働予想図で、出力抑制回数は昼が22回、夜が5回となっている。太陽光発電は全発電量の42.6パーセントが発電禁止となる。

                    数年後の東京電力      (図2.2)

我が国の再エネの中で太陽光が占める率は60パーセント近く、世界の中でもユニークな存在となっている。その太陽光をどのように使いこなすのか、世界中から注目されている。注目の中で出力抑制頻発で発電業者が全社倒産しましたでは、世界の笑いものになるのは間違いない。


                                       (2)3倍特性    
         ※
需要を超えた発電は切り捨てると言っているのに、
一日の需要を太陽光だけで賄うには
南中時の需要の3倍以上の発電が必要と言っている

一日24時間の電力需要(需要曲線で囲まれた面積部分)(図2.3)を、太陽光発電(双曲線で囲まれた面積)だけで供給するとした場合、南中時の太陽光発電量は、同時刻の電力需要の平均3倍が必要となる。

例えば、閑散日の南中時の需要は2,485万kWであるが、閑散日一日の需要と同じ量を発電出来る太陽光発電はステップ2の曲線となる。その曲線の最大発電量は7,922万kWであり南中時需要の3倍以上となる。
同様に、ピーク日の需要と同じ量を発電出来る太陽光発電は、南中時需要4,947万kWの3倍近い12,675万kWの太陽光発電が必要となる。

注意すべきは、3倍は晴天日の場合であるが、実際の雨や曇りを含めると、晴天日の4〜5倍の発電量が必要となる。
また最低限の火力発電が必ず稼働していることを考慮に入れると、再エネ化率も30パーセントが最大となる。その30パーセントも、原発稼働などで更に少なくなり、20パーセント程度でも出力抑制が発生することになる。

再エネの主力電源化を実現するためには、再エネ化率を少なくとも50パーセント以上にしなければならないが、太陽光は20~30パーセント位で出力抑制になってしまうようでは、主力電源化は論理的にも不可能である。これが我が国の最大の課題になる
                                               
                                                                                      (図2.3)


        ※
(3)最大出力が3分の一~4分の一に減る特性
上に伸びるタケノコを蓄電後、24時間かけた均等放電すると、
南中時の最大出力は3分の一から4分の一の高さに激減する。

太陽光発電が発電した最大発電日の一日分をいったん蓄電池に保存した後、24時間かけて均等に放電すると、1時間当たりの放電量は、南中時の最大発電量の3分の一から4分の一になるという、特性がある。(図2.4)
たとえば、Step1の曲線(白線)は最大値が2400万kWで、24時間放電では時間当たり847万kWになる。
Step2(赤線)では最大が7,922万kWで24時間放電では2,683万kWとなっている。
Step3の太陽光発電の一日分の発電量を24時間かけて放電すると、1時間当たりの放電量は4,294万kWとなる。この24時間放電放電量では、南中時の需要を超えることは無い。ただし、早朝の低需要時間帯の需要は超えることがあるので要注意である。

                                                                 (図2.4)

(図2.2)の4月1か月間の太陽光発電に蓄電池を適応して、24時間均等放電(図2.5)にすると、太陽光の供給過剰は完全に解消する。また昼の風力発電の供給過剰も同時に解消され、数回に激減している。

                                   数年後の東京電力にHBBS適応 (図2.5) 


         ※
 (4) 天気に左右される太陽光も年間では安定特
         ※
太陽光発電は天気に左右されるので不安定だと言われているが、不安定なのは日単位に見るからである。年単位で見ると非常に安定している。風力は年単位でも極めて不安定である。

太陽から届くエネルギー量は同じ軌道を通っているため毎年同じ量である。地上に降り注ぐ量は大気透過率の影響で、毎年多少の影響は受ける。がしかし、その影響度はたいして大きくない。それは気象庁が観測している全天日射量を地域別に数年間を比較してみればわかる。

                                                                                     (図2.6)

地上に届く年間全天日射量は、毎年ほぼ同量であることは分かったが、太陽光発電は温度や湿度の影響も受ける。
6年以上の発電実績がある愛知県の家庭用発電(出力4.8kW)の年間発電量(図2.7)を比較してみる。年間の発電量は大差が無いことが分かる。

                                                                                     (図2.7)

平成25年は平均値より3.5%程度多い。5年間の年間発電量の平均値に対する乖離が一番大きいのが平成22年の-4.9%で、次が平成25年の+3.5%となっている。他の年はこの範囲内に収まっている。

1年間の12カ月を旬毎に事前に、発電量予測可能
太陽光発電の1年間の発電量はほぼ安定しているので、更に季節毎に見ても発電量は安定化している(図2.8)。例えば発電量が最大の季節は夏至の6月頃で最低の季節は冬至の頃である。しかし、我が国では夏至の6月は梅雨の時期であるため、日照時間がやや少なくなる。また9月頃は台風の季節で天気が不安定である。等を考慮に入れて1年の12カ月を旬毎に予測しておく事が出来る。その予測値に対して実際の発電は多少の差異が生じるので、その際を補正する技術を持てば、太陽光を安定化電源として使いこなす事も出来るのである。

                                                                                        (図2.8)



        ※
 (5)地政学的にも日本は出力抑制多発地帯特性
多発地帯であるにも拘らず対策が何もない、怠慢である


①我が国は陸の孤島、陸続きの隣接国は皆無

ドイツは陸続きで隣接した国が9ヶ国、フランスでは6ヶ国ある (図2.9)。ドイツやフランスでは供給過剰の時は、数多くある隣接国にお願いして処理を引き受けて貰っている。
しかし、我が国は海に浮かぶ孤島の為に、陸続きで隣接する国が存在しない。従って供給過剰分は国内ですべて処理しなければならない。しかも、我が国は北から南に細長く、その地域ごとの連携も芋づる方式で、一本の線だけで結ばれており、連携にも自由勝手には出来ない。たとえば、九州と北海道は直接的には結ばれてはいないので、中間の地域の込み具合に左右されることになる。
                                                                                     (図2.9)


②太陽光大量導入で、全国一斉に供給過剰となる

日本列島は東経130度から145度(除く沖縄)に位置し、太陽光軌道の1時間の範囲にある。下のグラフ(図2.10)は、2020年5月3日の電力各社の電力需給実績(EXCEL)iに記載された太陽光発電の実績から作成したものである。このグラフを見ると沖縄以外はほぼ同時刻に最大発電量になっている。(東京と四国は単位が万kWであるが他は全てMWである)
また我が国の標準時間は1種類であるので一斉に12時になり、一斉に昼休憩になるなど電気使用パターンが北から南まで全く同じである。需要が少なくなる時も全く同じ時刻になるため、各地の連携で過不足を補い合う事が困難になる。

米国では東海岸と西海岸は時差にして3時間あるので、太陽光の南中時にも3時間の差が出る。従って米国全土が同時に太陽光発電で供給過剰になる事は避けられる。ヨーロッパ大陸も、特にEU諸国の間でも3時間以上の差があり、且つ標準時間もそれぞれ異なるので、ヨーロッパ大陸で同時刻に一斉に太陽光で供給過剰になる事は無い。

                                                 (図2.10)


(6)風力は太陽光より出力抑制になりやすい特性
洋上風力ブームは大きな弱点見落としから始まった

 理由1.太陽光が供給過剰になると、共犯として風力も出力抑制の対象となる。
            
太陽光が発電する昼間は風も必ず吹いている。風力が極めて少ない時もあるが、風力の発電は僅かであっても存在している。
現在東京では供給過剰にはなってないが、近い内に導入を予定している太陽光の全てが発電始めると、ほぼ全日供給過剰になる。その時は風力も驚くほど導入されるので、太陽光に合わせて風力もほぼ毎日出力抑制の対象になる(図2.11)

                                   太陽光が供給過剰になると風力も          (図2.11)


        理由2.夜間、特に深夜は電力需要は昼の半分以下になる。

しかし、深夜にもベース電源は止まらないので、再エネの余地は少なくなる(図2.12)それに反して、風力は昼より夜間のほうが強いので、発電量が多くなる傾向がある。
               
 図2.12は東京電力の2019年度の需給実績から、季節別時間別需要量を表示したものである。これを見ると需要が最大となる夏ピーク期の最大需要量は、15時ごろに発生した5543万kWhであった。その日の最低需要は、早朝の2971万kWhである。需要の少ない6月の最大需要は約4000万kWhであったが、最低はピーク日とさほど変わらない2590万kWhであった。
5月ゴールデンウィーク期間は最大値がピーク日の半分以下であるのに、最低はピーク日より少し下回るだけだ。
ここで言いたいことは、1年を通して最低需要は早朝時間帯に同程度のであると言うことである。
ところが、常に発電しているベース電源の発電量が2000万kWh程度ある。昨年1年間の最低発電量は1355万kWhであった。そのベース電源の上に風力の発電が上乗せされるので、簡単に最低需要を超過することになる。
風力向けの抑制対策は、Ⅳの(3)グリッド・ストレージで述べる。

                                                         (図2.12)


理由3.風力は需要の少ない北海道が最適地?     

発電した電気を需要家に使用して貰うためには、同時同量の原則を守らなければならない。従って、需要の多いところには多くの電気の発電が出来る。北海道と東北、東京の3地区の春一番の強い風の吹く3月末1週間の電力需要曲線を比較
したグラフが、(図2.13)である。                                                                         
それを見ると、北海道の最大需要は330万kW、東北が940万kW、東京がなんと4000万kWである。洋上風力最適地の言葉に煽られて北海道と東北に洋上風力の導入が一気にブームになっているが、風が強いのは確かだが、需要は最低であることを、導入業者は見落としている。

需要の少ない北海道や東北の発電は、全く受け入れられないと言う事ではない。受け入れられないのは、同時同量と言う制限を通すと困難と言う事で、それを通さない方法が有る。
その方法とは、発電した電気は直接液体水素に変換して、液体水素を電力系統に乗せずに、船便やトラック便で、希望する所に運べばよい、と言う事である。

                                                         (図2.13)


(7)再エネ化率100パーセントは非現実的特性
再エネ化率100パーセントの実現には大きな犠牲(出力抑制)が発生する

再エネ化率100パーセント(RE100)と軽はずみに口にするが、実は、主力電源化すら実現困難であるので、なお更100パーセントなんて、非現実的と言っていい。どうしても実現したいと言うならコストが膨大になり、一般市民の毎月の電気料金が倍以上になってもいいと言うなら、やってやれない事は無い。

ここからは、RE100がいかにコストが掛かるかを、東京電力の2020年需要実績を使用して説明する。

2020年4月の東京電力の再エネ容量は2,327万kWで、再エネ化率は12.7パーセントだった。その時点では未稼働であった再エネが既に7000万kWも受け付けていたので、もう一度その未稼働が稼働した時の容量9,484万Wで計算した結果、再エネ化率は60パーセントにしかならなかった。
再度、クドイようだが再エネ化率100を目指して、再エネ容量を2倍の18,960万kW(図2.14)にして再度シミュレーションした。結果は再エネ化率83.0パーセントにしかならなかった。(図2.15)(注;風力の発電量計算は陸上の発電能力で計算した)
                                                     (図2.14)


再エネ化率83.0パーセントにしかならなかった理由は、需要を超過した分は全て供給過剰として出力抑制の対象となるからであった。月別の詳細は(図2.15)に
掲載している。月単位で見ると8月以外は再エネの供給が多すぎた。 
8月は再エネの供給力不足で、揚水発電を動かしたり、他所の地区から連携線を使用して補給しなければならない状態だった。                                              
                                                     (図2.15)

(図2.15)の表をグラフ化したのが(図2.16)である。グラフを見ると8月以外は風力発電が抑制されているのが良く分かる。
                                                     (図2.16)

日別の詳細を見るために5月、8月、1月の月別詳細をグラフ化した。5月は月単位では供給過剰であるが、日別にみると5回も不足した日があったのが分かる。8月は需要が大きいため供給力不足の日がほぼ毎日であった。冬のピーク月である1月も月単位では供給過剰であったが、詳細に見ると供給が不足した日が20日もあったことが分かる。全体的に眺めると供給過剰でも詳細にみると不足の日が存在することが問題である。
                                                     
(図2.17)

このシミュレーションからの結論は、現在九州で行っている供給過剰分を出力抑制と称して切り捨てる(発電禁止)ようでは、RE100の実現には、膨大な無駄(出力抑制)が発生してしまうことが分かった。
ちなみに切り捨てられた風力発電の電気を、FIT買取単価15円/kWh(洋上風力なら36円)で買い取ると、毎年1.6兆円、17年なら28.5兆円となる。また風力発電は有効に利用された量が82,142TWhで、捨てられた量112,037TWhより少ないのである。

風力発電の発電能力に、洋上風力の能力を適応したら

これまでの計算は、風力に関しては陸上風力の発電能力を採用してきた。採用した理由は、電力各社発表のデーターに洋上、陸上の区別が無かった為である。洋上は陸上の2倍の発電能力があると言われているので、その2倍で計算してみた。陸上の能力を適応したものが(図2.16)であるが、その風力の発電能力を洋上風力として2倍にすると、(図2.18)となる。図を見てはっきりとわかるのは、抑制として捨てられる分が増えただけである。
陸上で捨てられた分をFIT買取単価15円/kWh(洋上風力なら36円)で換算すると、陸上では毎年1.6兆円、17年なら28.5兆円だったが、洋上で同じ15円で計算すると、4.5兆円、17年なら75.9兆円となる。これは東京1社の場合であるが、全電力で計算すると約3倍と見て良い。
捨てられる分は297TWhであるが、東電の年間需要279TWhより多いことに驚く。

現在経産省ご推薦制御方式は、供給過剰分切り捨て方式である。全く脳の無いやり方である。情けない事、情けないこと。

                                                (図2.18)




Ⅲ.間違いだらけの我が国の再エネ制御
★安易な供給過剰分切り捨て方式

(1)停止発電所が2倍になるお粗末な制御方法 
実際の抑制対象量の2倍の量が抑制されている

抑制される量が実供給過剰量より多くなる理由
(図3.1)の図を使用してその理由を説明する

我が国の電力会社は10社あるが、それぞれの会社で独自に電力系統の制御を行っている。制御の目的は、同時同量を絶えず成立させることである。
前日の内に電力需要予測を行い、天気予報から再エネの発電予測を行い、同時同量を成立させる計画を作る。しかし、中には再エネが供給過剰になると当日の制御では制御できないので、前日の内に停止すべき発電所にメールなどで「発電停止」の指令を送る。実際の停止操作は再エネ発電所が手作業等で行っている。
実際に停止させられる発電所は、予測では100ヶ所を止めろと出ていても、予測や天気予報の信頼度に対する不安から、実際には約2倍の200ヶ所の発電所を止めている。次に、2倍の発電所を止めるにいたる根拠を次に説明する。


理由①最大超過率の適応
供給過剰になると予想されると、該当発電所は午前9時から16時まで止めることになっている。
(図3.1)で日の出から日没までの「発電量」を想定し、その発電量に対する
「実過剰分」を計算し、その時間別過剰分の発電量に対する「超過率」をもとめ、その「超過率」の中での最大値を見つける。 (図3.1)では12時の46.0%ガ最大である。ここでいう46.0%の意味は全太陽光発電所の46.0%を発電停止にしなければならないことを意味する。抑制対象発電所には前日の夕方までに、明日の午前8時から発電停止して下さいと連絡する。午前8時には36.6%の発電所の停止でいいのだが、最大になる12時の46.0%に合わせて8時から止めて貰わなければならないのである。

理由②安全率1.48倍の適応
再エネを含む系統制御は多くの予測をベースとしている。
天気の予測、需要予測、太陽光発電予測、風力発電予測、供給過剰予測等を発電日の前に行う。その結果を前日の夕方までに、発電停止すべき発電所に連絡する。予測の何れかが大きく外れた場合、停電等の事故が起きる危険性を含んでいる。その危険性を避けるために「安全率」が必要となるのはやむを得ない。その「安全率」として九州電力では1.48倍を採用している。
日の出から日没までの「実発電量」に「安全率」1.48倍と、理由①で見つけた「超過率」の最大値を乗じて「実抑制量」とする。
 (図3.1)一日の実抑制分は30,678であったが、実際に抑制する量は「実抑制量」の57,092であるので、実に2倍が抑制されることになる。
                                                        (図3.1)


(注)ここで我々が言いたいことは、九州のやり方がマズイやり方だと言いたいのではない。誰がやっても、このやり方しかないだろうと思う。
言いたいことは、太陽光の供給過剰を発生させない方法を全く検討していないと言いたいのである。供給過剰にならなければ発電禁止命令など必要ならない。経産省のエリートたちは全くその方法を検討しないことが問題だと指摘したい。

                    ⇒⇒ 再エネが潰れる事を願っている経産省が、
                                                    そんなこと検討する訳ないだろ・・・。



(2)役立たずの供給過剰分解消装置
屁のツッパリにもならない解消装置

供給過剰分の処理方法

経産省は2015年4月に「大容量蓄電システム需給バランス改善実証事業」実施した。その目的は太陽光発電の大量導入を促進させることであった。
 促進方法は、南中時の需要超過分を系統上に設置された蓄電池システムに保存し、夜間の需要に蓄電分を放電する。
翌日の太陽光の発電開始時刻までには空にしておくことで、(図3.2)太陽光発電の抑制が解消できると言う狙いである。
しかし、このシステムには大きく分けて4つの問題がある。

                                                                        (図3.2)

第1の問題
蓄電池の容量があまりにも少なく、全く役立たないこと。例えば2021年4月25日の九州の太陽光の供給過剰分は1,776万kWhであったが、提供された九州豊前変電所の容量は30万kWhしかなかった。また、2030年頃には太陽光は2倍近く増えるので、蓄電池容量は太陽光だけでも3,500万kWhは必要である。用意された豊前変電所「の容量では、屁のツッパリにもならない解消装置」である。

東北と九州の2か所の変電所(図3.2)

                      東北電力 南相馬変電所  九州電力 豊前変電所                        

                    (2016/2/26運用開始)  8,500  (2016/3/3運用開始)  14,000㎡

                        出力 4kW 容量 4kWh          出力 5万kW 容量 30万kWh

                        NAS  リチウムイオン電池                NAS(ナトリウム硫黄)電池


第2の問題(溜めた電気の処理が困難な蓄電量)
電池容量が3,500万kWh程度用意されたとしても、そこにたまった電気を翌日の太陽光発電開始までに放電して蓄電池を空にしておかなければならないが、止める事の出来ない原発や火力発電のことを考慮すると、翌日の発電開始時刻までに放電しきれないという問題にぶち当たる。

第3の問題(多すぎる変換ロス)
ソーラーパネルでの発電は直流で出力されるが、系統に乗せるために交流に変換される。系統に載せた後、蓄電池に蓄電し、再度直流に変換する。蓄電池から再度系統に乗せるとすると直流から交流に変換しなければならない。3回の直行変換の為、合計30パーセント程度のロスが発生するが、そのロス分は電力会社負担となる。そんな解消装置を電力会社は積極的には使おうとしないであろう。
                                                                          
第4の問題(ドキモ抜く広大な変電所敷地)
    ♦ 2030年までに必要な蓄電池用敷地(東北の場合)♦ 
2020年~30年までに導入される太陽光は現在の約2倍の1,300万kWが導入される予定。この導入が電力需要が最も少なく、出力抑制が最も発生しやすい5月の連休期間における晴天日の発電量を計算すると、需要超過分は126GWhになる。
この結果からの必要な蓄電池システムの容量は南相馬変電所(4万kWh)の3,160倍の容量が必要、その敷地面積は26.9平方kmその面積は、山手線内側面積(63平方km)の約4割に相当する。
将来、蓄電池価格は現在の半額になったとして10万円/kWhで、12.6兆円となる。

日本全国の電力会社
東北電力の発電量は日本全体の10パーセントを占めていることから、日本全体の量を推測するときは東北の10倍と推定すると簡単にできる。
    日本全体の蓄電池容量 ; 1,260GWh  
    蓄電池用敷地面積 ;269平方km(山手線内側の4個分)  敷地コストは計算不可能
    蓄電池コスト;126兆円(電力10社の7年分の売上高)
これら全てのコストが電気料金に付加されたら、電気料金は2~3倍になる。?


 
(3)誤解も激しい系統容量拡大策
出力抑制解消と系統容量は無関係が理解できない経産省


数年後には、日本列島は再エネで全地域が供給過剰になる。その時、連携線で送電しても受け取り手がいないので、全地域で出力抑制が発生する。連携線の容量拡大は何ら役に立たない。(図1.2)で1年間の連携の様子を説明しだが、今回は特定の日の特定の時刻、2021年5月3日12時について説明する。

電気は需要と供給が、瞬時瞬時に一致しなければならない。一致とは電力1社内に限らず連携している電力9社間においてである。(図1.2)と (図3.3)の違いは、供給力不足で黒だったところが、供給過剰で赤になったのが、中国、中部、北海道の3社である。この3社は5月3日のゴールデンウィークで需要が少なくなったが、再エネの発電は天気通りに発電したため供給過剰になったと思われる。
一致とは不足している所を補おうとするために、一致させるのである。逆に、不足するところが無ければ供給する必要が無い。同様に、全ての地域で過剰になった時は、どこも救う事は出来ない。連携線の容量を増設しても、全く関係ないのである。
2030年近くになると、再エネ導入量が3倍近くに拡大するため、全域で供給過剰になる。その時は全域が出力抑制で発電を停止しなければならない。発電停止すると日本全国の発電業者は倒産せざるを得なくなる。その時は、日本の再エネは全滅し、技術大国の看板を下ろし、世界中からの笑いものになる。そのことを経産省も、気づいていないのか、対策も取ろうとしない。
実は、経産省も電力会社も、全国が一斉に供給過剰になることは既に気づいてはいる。いや、期待しているのである。再エネ全滅を秘かに願っているのである。全滅すれば、大きな声で「やっぱ、再エネじゃだめだよ。原発しかねぇーだろ」叫ぶのを秘かに狙っているのである。
                                                    (図3.3)



(4)甘すぎる洋上風力ブーム

現在稼働中の風力発電は454万kW、未稼働てあるが検討中と承認済を
合わせると11,500万kW。なんと26.3倍になる。

①不採算が理由で事業中止の実績あり
一方で、福島の復興を願って、経産省主導で丸紅株式会社(プロジェクトインテグレータ)、東京大学(テクニカルアドバイザー)、三菱重工業株式会社、ジャパンマリンユナイテッド株式会社、三井造船株式会社、新日鐵住金株式会社、株式会社日立製作所、古河電気工業株式会社、清水建設株式会社及び、みずほ情報総研株式会社からなるコンソーシアムを築き行った福島沖の洋上風力事業は、採算が取れないとの理由で中止になっている。
洋上風力は陸上の2倍の発電効率と聞いているが、全くのデマに過ぎなかったのか?


 福島沖洋上風力(図3.3)


②風力発電機事業撤退の3社
元々日本は風力発電は気象風土に合わないと言う事で発電機器開発事業から撤退した大企業が3社もある。三菱重工業、日本製鋼所、日立製作所の3社である。
日本製鋼所は2006年に風力発電装置の製造開始し、国内で135基の納入たものの、納品した風車の事故が相次ぎ、2016年に製造中止、2019年には撤退を決めている。
三菱重工業は1982年に日本での商用機第一号機を納入し、北米市場参入や英国にて洋上風力事業に参入など日本においてリーダー的役割を果たしていたものの、福島洋上風力で実績があげられず、2020年にはヴェスタスとの合弁解消し、洋上風車開発から撤退を決定している。
日立製作所は2011年に茨城県に風力発電機製造工場を新設し、富士重工業(現SUBARU)から風力発電事業を買収したり、2015年には国内最大級の大型風力発電機を完成し、2018年には台湾で初の洋上風力発電機の受注するなどで注目されたが、2019年には自社生産を中止、提携先の独エネルコン風車に一本化することを決めている。

③出力抑制頻発が予想される洋上風力
北海道と東北は洋上風力最適地と煽られて、北海道と東北に洋上風力の申し込みが殺到している。北海道に1,800万kW、東北に2,400万kW、東京に4,000万kW、合わせて8,200万kWの新規申請である。日本の太陽光も含めた合計値の28パーセントを占める。
電力系統制御の大原則は「同時同量」を守ることである。需要量を超えた発電は許されない。超えると予想されると前日の内に発電禁止の指令が飛んでくる。
特に北海道は需要が小さい。東京の10分の一、東北の3~4分の一である。前述の
(図1.4)「電力各社の季節別最大需要と再エネ等容量」または(図2.13)の「東京と東北と北海道の需要と時間別比較」見ていただければ確認できます。

北海道が特にひどく夏と冬のピーク日の需要の4~5倍の供給過剰になる。少しでも発電すればほぼ全量が出力抑制の対象となる。売電収入はゼロに近い状態であろうと容易に想像できる。
風力発電に対する特別な供給過剰対策が必須となる。
悲しむべきはこの事実に対して、経産省も電力会社も何ら対策を取っていないし取ろうともしていないことだ。発電業者を見殺しにする積りだろう。






Ⅳ.再エネの特性を生かした理想的な再エネ導入
  「電気は貯めてから使う」社会を創出する  
 
(1)太陽光発電の出力抑制解消
太陽光の抑制解消はタケノコシンドローム解消が必須

 ①まずは、結論から(太陽光の出力抑制解消)    
上に伸びるタケノコを横に寝かせると、太陽光の供給過剰は完全解消する。同時に発電していた風力もかなり解消する。
太陽光発電装置に蓄電池を組み合わせ、昼発電した電気は一旦蓄電池に保存し、翌日の午前ゼロ時から24時間かけて均等放電する。太陽光の最大発電量は3分の一から4分の一に圧縮されるので供給過剰が完全解消できる。
(図2.2)で示した2030年前のタケノコだらけの東京電力の例では、1ヶ月間に24回も供給過剰になっていた。

                             24回も供給過剰になった東京電力(図4.1)

 
縦に伸びるタケノコを横に寝かせると太陽光の供給過剰解消したが、
風力の供給過剰は6回発生した。殆どが夜間の発生であった。
                                                        (図4.2)


②横に寝かせる技術システム構成
(ハイブリッド・バッテリー・システム;HBBS
1つの発電装置に1組の蓄電池を接続させる。
1組とは任意の数の蓄電池で構成され、接続された発電装置の一日当たりの発電量を収容出来、かつ放電と蓄電の同時並行処理が可能な装置である。(図4.3)
蓄電は発電装置で発電したものを、直接電力系統に送電せず、一旦、蓄電する。
放電は、前日に発電した量を均等に24時間かけて放電する。
放電開始時刻は、翌日の系統制御開始時刻(通常は午前ゼロ)で、終了時刻はその24時間後になる。   (注)自己消費を行う発電装置には適応できません。

                                                        (図4.3)

③HBBSには抑制解消以外にも多くの使用効果あり

効果①南中時の最大発電量が3分の一から4分の一になる事の効果が大である。
           ★太陽光発電は出力抑制にならない
           ★HBBSを適応しない風力発電の昼間の出力抑制も減少する
           ★系統接続電圧大幅減で、系統容量増設に等しい効果がでる
                ●電力会社は太陽光のための系統増設コストを軽減できる
                ●発電業者は系統接続工事負担金が大幅減となる
           ★天気に左右される問題が、HBBS使用で大幅減となる
                ●快晴と豪雨時の南中時の発電量の差がHBBS使用で少なくなる
                ●前日発電分を翌日放電するので、発電日の天気の変化の影響無し              
効果②発電終了時にその日の発電量を知らせるので、センター側で太陽光の発電
           予測が不要となる。
           ★センター側は予測業務の不用化で、予測業務コスト削減
           ★発電予測信頼度の不安からくる対応が不要となる
              ⇒出力抑制時に、多目に太陽光発電所を止める必要無し

効果③南中時を頂点にした発電量変化に対応せる火力発電操作が不要となる。
           ★太陽光の急変が無くなるため、火力の最低出力を大きく下げる事が可能
              となる。南中時過ぎの激減が無くなるため空焚きが不要となる。
                      ⇒下げた分で、再エネの導入量を拡大できる(HBBSの隠味)
           ★火力発電の待機発電ロスの減少
               太陽光が発電している昼は火力発電は空焚きで待機している

効果④出力抑制対応の業務不要となり、センター運用コスト大幅減となる。
           ★抑制予測、停止通知、抑制履歴管理等のセンター業務から解放される
           ★発電業者にとっては予測可能な発電の安定収入となる

効果⑤最低導入コスト・運用コストの太陽光を、大量導入が可能となる。
           ★発電業者の倒産無しで、再エネの主力電源化を実現、更なる拡大が可能
           ★「カーボンニュートラル」実現に避けて通れない道となる

                    ④発電業者はHBBSのコストに耐えられるか                          
     太陽光発電業者がパネルと蓄電池に投資しても採算が取れる事を説明する。                                                                                                                            
①パネルと蓄電池の一体化でコスト削減が出来る

パネルで発電された電気は直流で出力される。蓄電池も直流であるため直行変換のパワコンは不要となる。パワコンコストは太陽光の30~40パーセント占めているので、不要となればそれだけ蓄電池に回せる。
また、パネルは蓄電池の上に設置するため、蓄電池専用の敷地は不要である。                                                                                                           
 
    
★  ②「1日分容量の適切化」と、「蓄電と放電の並行処理を最小容量化」  
 
蓄電池容量を可能な限り少なくしてコストを削減する

太陽光発電の一日当たりの発電量は、一つの発電所でも365種類の発電量があると言っても過言では無い。365種類の発電量を多い順に並べたグラフが(図4.4)で
ある。このグラフを見ると、7千kWのパネルの場合、1年間の最大発電量は51,897kWhであった。この値は年に1回しか発生しない。その次の量も1回2回しかない。投資効果を考えた場合、一日の発電量を最大値ではなく、40,000kWhを選んだ方がベストの場合がある。                                                                                                             
投資効果最大となる一日分の蓄電池容量決定(図4.4)

 HBBSは24時間放電するので、放電と発電が重なる。蓄電池は蓄電と放電の同時処理は出来ないため、工夫が必要になる。放電と蓄電を簡単に行う方法は、2つの同じ容量の蓄電池を並べ、日替わりで今日は1号機が蓄電専用、2号機が放電とし、翌日はその役割を交代する方法である。
 HBBSでは効率のいい方法で制御している。その方法を実施した場合の蓄電池の使用料の変化を図式化したのが(図4.5)である。
(図4.5)は2つの蓄電池を並べて1つには前日蓄電したものが、もう一つには当日発電するもの保存する。両社とも容量は1とする。前日発電した電気は24時間かけて均等に放電するので、24時間後にはゼロになる。もう一方は日の出から発電開始し、日没時に蓄電量が1になる。両社の動きを時系列に追っかけるとグラフのようになる。最大蓄電量は15時ごろに1.33になる。即ち、2つの蓄電池を並べる方法では容量は2であったが、HBBSでは1.33の容量で処理できる。35パーセントのコスト節約となる。

                                                蓄電量の変化(図4.5)


最大値の51,897を2つ並べると103,794になるが、1日の容量を40,000に抑え、蓄電と放電を1.33倍で行うと53,200になる。両者を比較すると2倍近い差が出る。

    
★            系統接続工事負担金の大幅軽減              
 

24時間放電で南中時の最大発電量が、24時間放電で3分の一になる事により、発電機の接続変電所がワンランク下の変電所に変更になる。ワンランク下がると変電所の数も多くなるので、変電所までの距離が短くなる確率が高くなる。(注、距離が短くならないこともある) その場合接続電圧が下がる事と、距離が短くなることで変電所接続工事負担金が大幅に下がる。                                                                                                                    
ここで一つの太陽光発電所を新設する場合の工事負担金をシミュレーションしてみる。(図4.6)は建設する発電所の容量の大きさによって接続する変電所が変わってくることを想定して図である。                                                                            (図4.7)は太陽光の容量別接続変電所の接続ルールを明示したものである。        HBBS使用すると南中時の最大値が3分の一になるのでその3分の一の容量で接続
先が決まってくる。 例えば、60,000kWの場合、超高圧変電所が接続先であるが、HBBS使用すると接続変圧が3分の一になり1次変電所接続となる。発電所から変電所の距離が超高圧変電所の場合は20km、1次変電所までは10kmと設定した。                                                      
発電所が60,000kWでHBBS使用すると、接続先が1次変電所となり工事負担金が13.2憶円となる。36億円の軽減となる。                                                                      

                                モデル発電所                                       (図4.6)

太陽光発電所の変電所接続ルール(図4.7)

                                工事負担金                                    (図4.8)

   
    
 ★          ④スケールメリット単価の適応             ★ 
 
                                   
太陽光発電に適応する蓄電池で最適な蓄電池は、NAS電池である。
その理由の第一は、安い、2.5万円/kWh、24万円/kWである。
第2の理由は、蓄電池の構造が完全に太陽光を意識して作られている。
蓄電池の出力と容量が太陽光の発電原理に一致している。

商品を大量に買えば。1個当たりの単価が安くなるのは資本主義社会の常識。
売る側も大量に購入してもらえれば、販売手数料や在庫管理費や宣伝広告費が安くなるので、単価を下げても損したという感覚にはならない。それこそ、「喜んで」安くさせて頂きますというところだろう。
スケールメリットは買い手は安く買える、売り手はたくさん売れると言うメリットがある。

NAS電池を使用してスケールメリット単価をシミュレートする。
太陽光の容量を10kW未満から50,000kW以上の8クラスに分割した(図5.8クラス毎にパネル容量とそれに必要なHBBSの容量を表示した。
逐次割引率 (%)とはその上のクラスの価格に対して何パーセント割引するかを意味する。個別単価は、一つ上のクラスの単価を割引した結果の値である。次の累積率はその区分までの割引を適応した結果の平均単価となる。例えば、10kW未満の単価を1とし、5区分は5パーセントづつ減額し、6区分目の2000kW以上は2パーセントづつ減額すると、その10,000倍の50,000kW以上のクラスの単価は約半分の0.518になる。

この割引率は仮の設定であり、設定後、どの区部の発電業者が赤字になるかをチェックし、最終的な割引率を決定する。飽く迄も途中経過の設定である。
最終的な目的は、最も効果的なスケールメリット価格を設定することである。そのためには、発電所区分ごとに、どれだけの利益が得られるか、どれだけ赤字になるかを見る事である。

(注)逐次割引率は発電業者が利益が出ることを最優先にして、弊社独自で設定してます。蓄電池メーカーの了解は取ってません。

スケールメリットの割引率設定 (図4.9



                    発電所規模別蓄電池投資効果分析結果(図4.10)

太陽光を8種類に区分した後、それぞれに対してスケールメリット単価を設定した後、果たして利益が出るのかどうかをシミュレートする。その時の売電単価は次のように設定した。
                                                 ①NAS電池の価格計算式
NAS電池1セットの価格は下記の計算式で求める。
HBBS価格 = 蓄電池出力×出力単価 又は 蓄電池容量×容量単価の大の方を採用。

NAS電池単価を2種類設定した
出力単価と容量単価は2組の価格を設定した。いわゆる高いセットと安いセットである。高いセットは現在の価格(推定)、安いセットは弊社の希望価格。
        ★高いセット                出力単価=24万円/kW        容量単価=2.5万円/kWh
        ★安いセット                出力単価=20万円/kW        容量単価=2.0万円/kWh

諸経費としてパネル購入・導入費と系統接続工事負担金を設定した。
        ★パネル購入・導入費        単価=4万円/kW
        ★系統接続工事負担金        配電変電所接続=2,000万円~3,000万円、
                                                    他変電 所接続=3,000万円~263,000万円                        
                                       売電単価
        10kW未満;19円/kWh
        10kW以上50kW;12円/kWh
        50kW以上250kW未満;11円/kWh
        250kW以上;入札制(第11回上限額10.25円の10.00円/kWhとした)

④計算結果                                    
    ★17年間の粗利益率
        高いセット50kW~2000kW未満の発電所は赤字、それ以外は黒字
                50MW以上の発電所は6.65円/kWhの単価まで耐えられる。
        安いセット全てが黒字
                50MW以上の発電所は6.0円/kWhの単価まで耐えられる。
                原発の単価は10.0円/kWhと言われており、再エネの方が安くなる。

    ★20年間の粗利益率
        高いセット;1MW以下の発電所は赤字、1MW以上は黒字
        安いセット;全発電所で黒字、大規模になれば利益率大となる

⑤シミュ―レートに対する総合評価

8種類の内1区分だけ除くと、17年の計算で高いケースでも利益は確保できる。
利益確保が困難な理由は、売電単価が入札制度の為安く設定した事が原因。
発電所の規模が大きければ大きいほど粗利益は大きい。
50MW以上の発電所は6.0円/kWhの単価まで耐えられる。
蓄電池メーカーにとっては2030年までに24兆円規模の事業展開が見込まれる。
                                                        
            発電所区分別の粗利益率(図4.10)     



    
 ★    ⑤出力抑制解消により天気通りの売電収入確保     ★ 
 
       
2030年頃には日本全体の再エネ化率は35パーセント程度にはなっているが出力抑制も激増している。  抑制最悪の3電力の月別抑制回数が(図4.9)である。最悪は北海道の太陽光は年間226回、四国が150回、東京が140回の発電停止になる。     
                                                                   (図4.9)                

出力抑制は天気が良く、発電量が多い日に限って出される。天気の悪い日、発電量の少ない日は出される確率は少ない。従って抑制で失う売電収入は単純計算したものより大きな影響を受ける。例えば、年間120回停止した場合、年間収入に対する影響は120÷360=33パーセントの減収ではなく、(図4.10)の下の表の減収  率の欄を見ると49パーセントの減収になると言う事を表している。                       
(図4.10)使用して翌債最多の3電力の系統に接続した太陽光発電業者の年間の減収率は、北海道が最大80パーセント程度の減少、四国が59パーセント程度、東京は55パーセント程度と見なされる。これだけ売電収入が落ち込めば、生き残れるのは有り得ない。                            
HBBS使用した太陽光発電所は出力抑制は一切発生しない。業者が減収で倒産することは考えられない。                                                                                                    
                                                (図4.10)


            HBBS効果の数値化
HBBSは風力や火力に太陽光以上の効果を引き出す

2030年頃の東京電力
再エネ導入量か現在の3.7倍近くまで増加する東京電力は、HBBS使用しないと再エネ化率は32.7パーセントにしかならない。ならない原因は太陽光も風力も40パーセント強が発電禁止になるためである。
HBBSを使用すると再エネ化率は51.3パーセント、即ち再エネが辛うじて主力電源と言える所まで来た。また、太陽光に対しては発電禁止はゼロ回で、HBBSを使用しない風力まで発電禁止回数が激減した。激減の理由は、第一に、昼間は太陽光が供給過剰にならないので、風力もその影響を受けたため。第2は、天気に左右される太陽光が天気に左右されなくなったため、火力の最低出力を思い切り下げる事が出来るようになり、その分風力の発電余地が増えた為である。
また、再エネの発電が増えたため火力の発電が激減した。この激減により電力会社は燃料コストを大幅に減少できた。

HBBS有と無しの比較                                 (図4.11)


HBBS効果を金額に換算してみる。
太陽光発電は出力抑制がゼロになったため、有効発電量が18,950GWh増えた、
増えた分を金額換算(12円/kW)すると、年間で2,274億円、耐用年数の17年間では3兆8,657億円になる。この金額はHBBS購入費用より圧倒的に多い。
風力はHBBSへの投資はゼロであるのに、有効発電量が30,497GWh増えた、
増えた分を金額換算(36円/kW)すると、年間で1兆979億円、耐用年数の17年間では18兆6,626億円になる。
東京電力は再エネ化率が上昇する分、火力の出力が28,515GWhだけ下がった。
その分を金額換算(21円/kWh)すると、毎年5,988億円となる。東京電力は福島原発事故の損害賠償を支払うために毎年5,000億円の利益を出し続けると国に約束した。しかし、現実は2,000億円も出せていない状況である。早めにHBBS導入を推進して国との約束を果たすべきである。
                                                                        (図4.12)

東京電力だけで17年間で33兆円の経済効果をもたらす。東京は日本全体の3割を占める事から単純計算すると、日本全体に100兆円の経済効果をもたらす。これだけの効果は、新エネルギー産業革命と言っていいのでないだろうか?
悲しむべきは、経産省はこの効果に全く気付いていないことである。(再エネ潰しの為に、気付かない振りをしてるのだろう)




(2)供給過剰分(捨てられる分)の有効利用
捨てられる分は東京だけで1.7兆円/年、全国で5.1兆円/年にもなる

地政学的にも日本列島は出力抑制になりやすい体質である。太陽光発電の多い我が国は、再エネ化率が20パーセントを近くなると急激に抑制が増える。2030年頃には再エネ化率35パーセント程度で抑制が頻発する。抑制で売電収入が大幅に減少し発電事業の継続が不可能になり、売電業者がバタバタと倒産して行く。
それに対して太陽光にHBBS適応すると、太陽光の抑制は完全解消し、日本全体の再エネ化率は50パーセント程度まで高まる。
しかし、これ以上の再エネ化率、例えば100パーセントを目指して再エネ特に太陽光を現在の5倍の80GWに、風力を現在の182倍の78GWに増やしても、現在の供給過剰分切り捨て方式では100パーになるのは極めて困難で、供給過剰分が増えるだけだ。供給過剰頻発だが、日別にみると再エネの発電が不足の為、電気を供給できない日が多発している(図4.13)をみると、5月は2回、8月は25回、1月は12回も供給が不足している。この不足を補うのは、現在の制御方式ではバックアップの火力発電を稼働させようとなる。

                                                    (図4.13)

それに対して弊社の提案は火力を働かせるのではなく、供給過剰で捨てられた電気をどこかに一時保存しておいて、不足の時にその保存した電気を使用するという物である。保存する容器をグリッド・ストレージ(GS)と名付けている。
東京電力のケースでは1年間に捨てられる風力の電力は、(図4.6)の風力抑制の年間計の欄には1,120TWhとあります。この量は100万kWの原発が24時間フル稼働で365日稼働した場合8,760GWhであるので、その13基分に相当する。この13基は柏崎と廃炉なった福島全てを合わせた量になる。
供給不足をGSから補充すれば、再エネ化率100パーセントは軽く実現できる。しかも、GSから供給したとしてもまだGSにはまだ775TWhも残っているのである。
この残り分は、将来電気自動車時代になると電気の消費量が増える、その増加分は明確には分からないが、ある説では原発13基分になるとの風説が飛んでいる。GSの残り分775TWhは原発9基分に相当する。
電気自動車時代には絶対原発が必要だとの声はよく聞くが、この切り捨てられる供給過剰分を利用しようと言う声は全く聞かない。経産省初め、いわゆる声の大きい人達はこの事実を認識して貰いたいものである。


                                                        (図4.14)


(3)供給過剰分をグリッドストレージに保存して
マイクログリッドの構築
(新エネルギー産業革命の出発点)

①風力の無限の力を引き出す  

需要の10倍以上の風が数日間吹きまくる(図4.15)
一日当たり7~8時間程度の太陽光の4~5倍になる   

風力発電特に洋上風力に対する特別な供給過剰対策が必要である。
通常のやり方で系統に乗せようとすると、すぐに出力抑制の対象となり殆ど発電が許されない状態になる。それを避けるには、発電した電気は系統に乗せずに直接液体水素に変換して、後でトラック便か船便で輸送する手段を取るべきである。電力系統で運ぶなら、需要の少ない時間を限定して送電することも可能である。

         需要の10倍もの風が数日間吹き続ける(図4.15)

      発電した電気は直接液体水素に変換 (図4.15)


②マイクログリッド
再エネの力をフル発揮の必須要件

マイクログリッドとは
「マイクログリッド」とは大規模発電所に頼らず、地域単位でエネルギー供給源と消費施設を持ち地産地消を目指す、小規模なエネルギーネットワークのことである。エネルギー供給源には、分散型電源である太陽光発電、風力発電、バイオマス発電などが利用される。再エネの主力電源化を図るなら、当然現在の電力流通設備はマイクログリッド化を目指すべきだが、残念ながら、経産省はそのような検討は一切行っていない。
だが、そうした分散型電源はエネルギー供給が間欠的であるため、エネルギー需要に適合させるのが難しい。そこで、エネルギー供給安定化のため、現在の電力各社で実施している系統制御システムを、マイクログリッド制御の方向へ移行させる必要がある。

マイクログリッドのメリット
大型の発電所で作られた電気は、約30万~50万ボルトという高電圧に昇圧されて送り出される。その電気は一度変電所に送られてから各家庭、オフィスなどに届けられる。それぞれの規模や用途に見合った電圧に変更する必要がある。距離が長ければ長いほど、その間に生じる電力ロスが大きくなり、送電のために使うエネルギー量も増え、CO2の排出など環境への影響が大きくなる。しかし、マイクログリッドは電力消費者(家庭やオフィス)の近くに比較的小規模な発電施設を設置し、そこから電力を供給するので、上記のような問題が軽減される。
マイクログリッドでは供給元から需要家への距離が短いので、電力ロスも殆ど発生しない。マイクログリッドの電気供給源が自然エネルギーを使ったものなら、環境への影響も少ないというメリットがある。

東京電力の電力設備のコスト分析
発電所から需要家までに届ける送電変電配電のいわゆる流通設備に、如何にコストが掛かっているかを見てみよう。
  (図4.16)は東京電力の固定資産額をまとめた表である。
電力会社と言うと、一般の方たちのイメージは、発電設備という物がまず最初に浮かぶ。発電設備にはあの原発も、CO2まき散らしでやり玉にあがる火力発電等を想像する。だから、発電設備が固定資産の中で最大の額であろうと想像してしまう。ところが、(図4.16)を見ると、最大はなんと流通設備である。流通設備は全資産の三分の2にもなっている。しかも、発電設備は、流通設備の半分にしか過ぎない。
電気料金は燃料費が占める率は大きいが。設備の維持費や固定資産税も大きくのしかかている。日本の電気料金は非常に高い。20世紀後半までは世界一高かったが、21世紀になって日本を超える国が少しづつ出て来て世界一の座から降りているが、それでも非常に高いグループに位置付けている。
世界の工場となっているCHINAの電気料金は日本の半額で、世界一安い料金である。世界の工場が集まったのは人件費の安さだけでなく、電気料金の安さが魅力の一つだったのである。
日本の電気料金をもっと下げれば、日本の工場の多くが日本に帰ってくるのは間違いないが、エネルギー基本計画で安くする議論が全く見られないのは、非常に悲しむべきことである。
再エネが進めば発電所規模が小型化される上に、燃料費がタダであり、流通設備が大幅に下がり、電気料金が大幅に下がる事は、マイクログリッドの大きな魅力である。

                                                                                             (図4.16)

マイクログリッドのデメリット
太陽光や風力などの発電方式を採用しているマイクログリッドでは、天候や気候、地形などの影響をもろに受けやすくなります。また、狭いエリア内であると需要傾向などが似てくるので、ピーク曲線が急こう配で上昇する危険性があるというのもデメリットです。

マイクログリッドの事例
宮古島の南西に位置する「来間島(くりまじま)」では、「来間島再生可能エネルギー100%自活実証事業」が実施され、島内の住宅や学校などの屋根に太陽光発電設備を設置し、島内でエネルギーを地産地消する取り組みがおこなわれています。来間島に大容量電池(100キロワット)と制御システムを整備している。個人と宮古島市が整備した太陽光発電設備、計31ケ所と電線を通じてつないでいる。日中につくった余剰電力を蓄電池に蓄え、発電出来ない
夜間などに供給することで、島内全約 90世帯で使用される消費電力を再生可能エネルギーで賄うこと目指している。
また、アメリカニューヨーク市のブルックリンでは、「ブルックリン・マイクログリッド」と呼ばれる地域コミュティを作り、地元で発電した電気を融通しあう取り組みをおこなっています。現在はニューヨーク市ブルックリンのゴワナス地区とパークスロープ地区を対象エリアにしておこなっていますが、今後対象エリ
アを広げていく方針です。                                                                                       

マイクログリッド時代の系統制御システム

  (図4.17)


③グリッドストレージの大容量は実現可能か?
東京電力の例では、供給過剰として捨てられる分を一時保存すると、1年間で77TWhとなった。果たしてこのような大規模の蓄電池は存在するのか?

蓄電は複数に分けて蓄電することを考える。

★電気スタンド
EV時代にはEV車向けの電気(ガソリン)スタンドが必要だ。現在ガソリンスタンドは東電管内だけで7千ヶ所有るそうだ。1スタンドで毎日300車に500km走行分の電気を提供すると、1スタンド当り50MWh程度の蓄電池が必要となる。東電管内だけで403GWhの蓄電量となり、年間通すと147TWhが消費される。

フロントステーショ
現在の配電変電所に相当する。東電の配電変電所は1000ヶ所は有る。
配電変電所の役割は二つある。一つは需要家に電気を供すること、二つ目は発電所からの電気を受け止める事であ。

ミドルステーション
配電変電所より上位の変電所、中間変電所、1次変電所、超高圧へな電諸島を総称してミドルステーションと呼ぶことにする。東電管内だけで千ヶ所有るそうだ。
このステーションの役割は二つある。一つは電気を液体水素に変換して、変換された水素を貯蔵タンクに保存することと、適切なタイミングでたまった水素をバックヤードに移送し、そこで長期保存させる。

④バックヤードステーション
旧火力発電所跡地15ヶ所を液体水素専用貯蔵タンクの保存場所とする。
他所の地区との輸出入はこのステーションからトラック便または船便で行う。
                                                        (図4.18)


(4)地産消で地域の活性化
地方で生産して、地方で消費するだけでは、スケールが小さすぎる。
地産消は、地方は地方だけで、小じんまりと生きろと言ってるみたいだ。
一方、東京や大阪の都会地は再エネ化率を20~30パーセント程度は実現出来るが
それ以上高めようとすると、再エネ用の土地が不足する。
日本の電気の70パーセントは都会で消費、都会の再エネ化率が低いと
日本全体の再エネ化率を高めることはできない。
それに対して、
地方で作った電気をエネルギー大消費地の都会で消費する
これが地産都消だ。
これにより地方は収入と仕事を増やす。
都会は最低価格の太陽光の電気を地方から大量に購入し、
都会も地方並みの電気料金に下げることが出来る。
地産都消は、地方が反映し、都会は安い電気を使用し、
日本全体の再エネ化率を極限まで高めることになる。  


①都会の電力消費量と日本の可住地面積
地域独占時代の悪弊
電力業界の地域独占時代は、地域の電力需要は100パーセントその地域の電力会社が供給しなければならなかった。他地区に電力供給をお願いするのは、大災害などの緊急時のみで、それ以外の時は自分の電源で供給しなければならなかった。

この旧態然とした考え方の欠点は、再エネ導入用の敷地は十分にあるのに、その地域の電力需要は少ないので導入させて貰えない(出力抑制されてしまう)という事である。
逆に、都会地は電力需要は多いのだが導入敷地が少ないため、再エネ化を進められないという事になる。

再エネ導入可能な敷地は、人の住める土地(可住地)と同じであると定義し、国土地理院のデーターから電力会社別の可住地面積と、その電力の年間電力需要を比較したグラフを作成すると図1のようになる。

図1から分かることは、電力供給域の中で最大可住地面積は東北電力の2.5万キロ平方メートルで、次いで北海道の2.2万キロ平方メートルである。最小は沖縄で0.1万平方キロメートルである。

一方電力需要の多い地域は東京で、2番3番は関西、中部なっている。

図1からの問題点指摘
①太陽光導入敷地は有るのに電力需要が少ないため、出力抑制されてしま地域がある。
        北海道、東北、九州

②再エネ化率を高めたいのに、導入敷地が不足すると思われる地域がある。
        東京、関西、中部
  (図4.19)

放電量から太陽光導入容量を求める
求められた太陽光発電用の面積に対する可住地の占有率計算結果は(図4.20)の通りである。
まず、注目すべきは、現在の電力会社の供給域で最も広い区域は東北電力である。北海道電力よりわずかではあるが広い。また、電力需要の30パーセントを持っている東京電力は、東北や北海道の半分の広さにしか過ぎない。しかし、設置すべき太陽光発電の容量は、東北の3倍以上、北海道の8倍近い容量である。
東京の次に電力需要の多い関西と中部は、面積では中部は東京とほぼ同等、関西は東京より30パーセント程度少ない。
可住地で見ると日本で最大地は東北で、ついで北海道である。最小地は沖縄で、東北の20分の一にしか過ぎない。
可住地に対する太陽光発電敷地の占める率で最大地は、関西で6.0パーセント、ついで東京の5.4パーセント、中部が3.3パーセントとなっている。
地方の電力では、最大値が北陸と中国で3.1パーセントである。認定受付の多い九州は2.4パーセントで、東北は1.3パーセントである。
この占有率だけ見ても、東京と関西は導入困難と思われる。実際の、空き地の存在や、土地代の高さを考慮に入れると、都会地に、計画通りに太陽光発電を導入することは、非常に困難、乃至は不可能と判断できる。しかし、都会地の再エネ化率を高めないと、日本全体の率は高くならない。
                                                                                                                       
                                                      (図4.20)


 ②東京電力にとって身近で実現可能な地産都消の推進
     ☆ ☆ ☆ ☆ 既に始まっている地産都消 ☆ ☆ ☆ 

           (a)東北電力供給域の福島復興を後押しして地産都消推進
★福島県の帰宅困難地域は約800平方キロメートルの広さがあり、文字通り帰宅する人が少なく、荒はてた土地が転がっている。その土地に太陽光を設置したら50GWの発電所ができる。図5.5)
★おまけに、同地区には使用されていない500KVの超超高圧の送電線が野晒にされている。

                        地域の縄張りは昔の話、昔の縛りにとらわれるな

                                          (図5.5)
(出典)ふくしま復興ステーション
 
         (b)東北電力供給域の新潟柏崎原発5基廃炉後にも地産都消                
★ 新潟の柏崎原発も5基だけ廃炉になる予定。新潟県全体の再エネの統として野晒になっている超超高圧の送電線を提供する。

           (c)東電供給域外の長野の送電線量で長野の太陽光を取り込む                   ★長野県にも東電の水力発電と高圧送電線がある。水力発電の稼働率は低いので、その送電線の有効利用の一環として長野県の太陽光も取り込むべきである。
             
             
        ③地産都消のメリット
東京電力管内のお客さんに、地方並に安い電気を供給できる。
ただし、地方の料金に託送料金を上乗せした分だけ高くなる。
新鮮な魚介類や野菜や果物が、
都会地は輸送量だけ高くなるのと同じである。
地方にとっては、雇用の確保と収入の確保で、衰退する地方の活性化に
少しでも役立つものと確信している。



(5)ブラックアウトよサヨナラ
❤ ❤ ❤ ❤ グリッドストレージの有効活用例 ❤ ❤ ❤ ❤ 

グリッドストレージの有効利用でブラックアウトが防げる理由

  =
                                 理由①膨大な量の蓄電量のマイクログリッド                              =  

大規模なインフラストラクチャーのメンテナンスや修理が不要なため、雷雨や自然災害に対する耐性がある地域用の小規模な電力システムであり、従来型のグリッドとは切り離して個別に運用できます。. 自律的な動作を維持できるため、グリッドの修繕時や、広範囲な停電の原因となるような緊急時も、電力システムを高度にバックアップできます。. マイクログリッドでは、さまざまな分散型エネルギーリソース (DER) をグリッドに統合することができるため、発電量が気象条件や時間に左右される風力や太陽光といったクリーンな電力供給源を利用可能な時だけ利用して、発電量が少ない時はその他の発電システムを利用するという事が可能です。                                         
これまでに説明した東京電力の場合、グリッドストレージに貯まる1年間の最大蓄電量は、(図4.6)を見ると77.5TWhも貯まる。この量は東京電力3カ月の需要量に相当する。北海道、四国、北陸にとっては3年分に相当する。
これだけの蓄電量が有れば、どこかの大型原発数基が大震災で完全停止したとしても、前回のような大規模な計画停電など発生することは絶対に無い。
(図4.6)の77.5TWhは蓄電量ゼロから初めて12か月後の蓄電量であるが、更に1年間を同じ条件で蓄電すると単純計算では2倍の155TWhの蓄電量になる。
東京の需要規模は日本全体の3割を占めるので、他電力も東京と同じ基準で蓄電するとしたら、日本全体の蓄電量は、単純計算では、東京の3倍の蓄電が出来ることになる。日本全体で230TWhの蓄電になる。これだけの蓄電量があれば電気自動車用の電気は十分であり、且つそれでもかなりの余裕がある。その余裕分は海外へ輸出も出来るのではないだろうか?

 ②24時間放電 --深夜に大災害が発生しても太陽光の電気が使える --

ハイブリッドバッテリー(HBBS)を使用すると、発電の翌日に24時間均等放電するので、夜間でも太陽光で発電した電気が供給されている。

これだけの電気があれば、全火力発電停止の代わりの発電所を立ち上げる起動電力となったはずである。北海道全域のブラックアウトは無かっただろう。
東京電力のケースでは毎時8~14GW程度の電気がHBBSから流れているので、か大型発電所の起動電力になる。尤も聞い黒グリッド完成時には大規模発電所は存在していないので、起動電力の心配も存在しない。
また。24時間放電と安定給電保障機能を使用すると、太陽光を石炭より発電コストのいベース電源として使用できる。安定給電保障機能は、 天気に左右される太陽光も、事前に約束した量を天気に左右さることなく、かつ大災害で数か所の太陽光発電装置そのものが停止したとしても、安定的に供給できる。
                
                
              理由 ③常時、グリッドストレージ(GS)に予備電源が貯蔵されている。    
瞬時に切替え可能。

また、安定給電保障機能を働かせるために、GSに、保障に必要な電気保存しているので、緊急時はその電気をバックアップ電源として瞬時に使用することが出来る。
 バックアップ期間も、保存量に左右されるが、全域を数日間は供給できる。
                
(図4.13)はGSへの保存量の推移をシミュレーションした図である。それを見ると、最大保存量がマイナスになる事は無かった4月のスタート時点では保存量ゼロから始めたが4月、5月に保存量が多くたまってしまったので夏場の不足が発生しても、十分に供給出来のである。12カ月後には東京の3か月分相当もたまってしまっている。
保存は蓄電池が一般的だが、蓄電池は価格とスペースの問題があるので、液体水素にして貯蔵タンクに貯蔵するなども考えられる。




Ⅴ.日本が「新エネルギー産業革命」で世界に光を

 
(1)再エネで世界一安い電気料金に!
 


出典:IEAデータ等を基に電力中央研究所にて計算
※2016年の為替レートで円換算
※米国は、州ごとの料金格差が大きいため州別料金の幅をグレーで表示
中国の電気料金は1kWhあたり約9円~11円
カナダ約9円~11円/kWh 水力発電の比率が59%(2012年)
デンマーク 約37~40円/kWh、再エネ化率50%
ドイツ約35~36円/kWh再エネ化率200%再エネ購入費+環境税も電気料金に含まれる
日本は23~25円/kWh


再エネ導入拡大で電気料金を世界一易くするための秘策
「電気は貯めてから使う」時代へ世界をリードする

①燃料コストゼロの再エネ拡大
且つ付加金制度廃止
②大規模発電所に限定
出来たら100MW以上に許
③供給過剰分の有効利用
捨てられるはずの風力の供給過剰分を生かす
④マイクログリッドの推進
コストのかかる送配電のコストを下げる
⑤地産都消の推進
地方の再エネ環境を都会と輸出に生かして
地方の活性化を促す
(2)世界に「新エネルギー産業革命」を売り込もう!!
ソーラーパネルや風力発電機器等を単体で売るのではなく
出力抑制解消機器や液体水素製造機器や
グリッドストレージ推進ノウハウや
マイクログリッド構築のコンサルテーション等の
全ての技術を纏めて「世界のエネルギー産業革命」を
リードする







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