太陽光発電だけで電力需要に対応するには!!

1年間の電力需要を太陽光だけで供給出来るか?

(1)1年間の電力需要パターン


日本列島は北から南まで3,500kmと細長いため、寒い北海道から暖かい沖縄までいろいろと地域差がある。

したがって、電気需要のパターンも地域差がある。

そのパターンを分けると、次の3種類に分けられる。

①夏は涼しいため電気需要のピークは冬だけ。

北海道、東北

②夏と冬に需要がピークとなる。

東京、関西、中部、北陸、四国、中国、九州

③冬は寒くないので電気需要のピークは夏だけ。

沖縄

それぞれの地域の1年間の発電実績を日別にグラフ化したものを表示する。

(電力各社のHPに掲載されている発電実績をダウンロードしてます)

①ピークは冬だけのパターン (図1)

②夏と冬にピークがあるパターン (図2

③夏だけピークがあるパターン (図3)

(2)1年間の一日の全天日射量パターン


それでは、太陽光発電量はどの程度地域差があるのだろうか?

太陽光発電の発電量の殆どは、全天日射量に左右される。気温や降水量、湿度などの影響も受けるが、降水量と湿度は全天日射量に影響を及ぼすので全天日射量の影響がほとんどといっても過言ではない。

その全天日射量は地域と季節に大きく変動する。

日本の北と中央と南の代表地点の、一日当たりの月旬別全天日射量の変化を、気象庁の過去の天気実績から、過去5年間の中から月旬ごとに最大値を取り出してグラフ化した。

最大値を取り出しているので、これ以上の値は今後ともほとんど発生しないという値である。

(図4)

(2)年間電力需要と太陽光発電を同じにした場合

このグラフから分かることは、3ヶ所とも全天日射量の最大日は6月の夏至のどなく、3ヶ所とも同じ量である。

(注)太陽光発電の場合、発電量は雨雲の影響を受ける。6月は全天日射量は最大となるが、地域によっては梅雨の時期のため雨雲が多くなり、全天日射量が少なくなるのが普通である。

同様に、9月は台風が多いので発電量も少なくなることが多い。

冬至の頃は、地域差が大きく出る。1月上旬の石垣島の量は、札幌の2倍となっている。

同じ太陽光発電装置を、札幌と石垣島に置いた場合、1年間の全天日射量の合計値から、年間発電量は石垣島は札幌より22パーセント程度多いと計算できる。

1年間の電力需要量を太陽光発電だけで供給しようとしたら、少なくともそれぞれの地域の1年間の電力需要量と同じ量を、太陽光発電で発電出来なければならない。

しかし、太陽光発電はそれぞれの地域の特性に従った発電しかできない。その特性に従うと、需要が太陽光の発電量よりもおお大きい場合と、逆の場合が発生する。

1年間の需要量と1年間の太陽光の発電量が一致するように発電したとした場合の需要量と発電のパターンを、一日の発電量を基準にして地域毎に表示する。

このパターンからわかることは、需要を超過する分は全て蓄電池等に蓄電し、発電量の少ない冬場に蓄電した分を使用するようにしなければならない。その

蓄電量は膨大なものになる。

①北海道 (図5)

(1年間の発電量を日単位に表示)


冬場に需要が増えることに反して、太陽光は発電量が落ちる。半面、3月の春分の頃から太陽光の発電量は伸びて、秋分の頃まで続く。

夏の真っ最中は需要は少ないが、太陽光発電は最大となるため需要の2倍近くを発電することになる。

②東京 (図6)


冬と夏に需要のピークがある。冬のピーク時は太陽光発電は発電量が落ちるので、需要超過となる。7月の需要ピークの時は、太陽光発電も減少し始めるので、需要と供給が複雑に絡み始める。10月を過ぎると需要は冬のピークに入り、太陽光は最小となり始める。

③沖縄 (図7)

(3)日単位処理


沖縄では冬場でも太陽光発電は、ほかの地域に比べるとやや多めに発電する。また、冬の需要は大きくないので、太陽光でかなり量を供給出来る。5月のゴールデンウィーク時の海開きに合わせて需要も伸び始める。

また太陽光発電のピーク時期は5月〜9月末まで減少することなく続く。

10月過ぎから太陽光の発電は落ちるが需要もおなしく落ちていく。

1年間の電力需要を、太陽光発電だけで賄うためには、発電出来るときに発電して、その時発の余剰電力を、発電の少ない冬場に使用できるようにしなければならない。

余剰電力の累積分がどの程度あるかが重要になる。

その余剰電力を計算する前に、日単位の発電がどのようになっているかをチェックしておこう。

北海道の場合、夏のピークが無いので、夏に発電した太陽光発電の需要超過分は、全て冬場の不足分の補充に使用する。

そこで、太陽光の最大日6月20日の発電状況(図5)を時間別に見てみよう。

その日の電力需要は8.205kWhであるが、太陽光は13,850kWhも発電しなければならない。

その発電量を得るためには、南中時は2,216万Kwの発電量が必要となる。(図8)

その発電量でははるかに需要を超過してしまうが、ハイブリッド・バッテリー・システムを使用すると、一日の発電量13,850万Kwhを24時間薫陶に放電すると時間当たり放電量は577kWとなる。この放電量は日中の最大需要量369.1kWを超過し、夜間の最大需要371.1kWをも超過してしまう。

(図8)


需要を超過する分はグリッド・ストレージに保存される。また安定給電保障・調整力保障機能が働き、保障値を超えた需要部分は当日の放電から消費される(図9)

(図9)


東京電力の2013年1年間の発電量(需要量)と同じ量を太陽光で供給すると下図のようになる。

(図10)

(4)東京電力の場合のグリッド・ストレージへの蓄電量


上のグラフは、1年間の発電量と1年間の太陽光の発電量が同じになっている。

つまり、青色で囲まれた面積と、橙色で囲まれた面積は等しいのである。

太陽光の特性から一日の発電量は夏至の頃が最大で、冬至の頃は最小となる。

日本の場合一日の発電量は夏至と冬至では2倍近い差が出る。緯度の高いドイツでは20倍近い差があることには注意すべきである。

一方、電力需要面でみると、需要は夏の冷房と冬の暖房で東京の場合は夏と冬がピークとなる。東京電力の場合、夏のピークの方が冬のピークよりやや大きくなっている。冷房も暖房も不要なシーズンである春と秋は電力需要は少ない。

太陽光だけで1年間の電力需要を賄うためには、需要を超過する分は蓄電池に蓄電し、不足する場合は蓄電池から供給する仕組みが必要となる。

上のグラフを見ると、3月〜7月は供給が需要を超過しているので超過した分は蓄電池に蓄電する。7月ごろから翌年の2月頃までの供給不足に対して、蓄電池に貯まっている電気を供給する。

超過分のグリッド・ストレージへの蓄電量がどのように推移するかを、1年間を通して計算した結果をグラフにすると、下図のようになる。最大蓄電量は、2,679,382万kWhとなる。天文学的値である。

(図11)


(図12)


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