大災害時代にブラックアウトを防ぐ

太陽光発電保障システム(PVSS)

北海道ブラックアウトの教訓と「電気は貯めてから使う」コンセプトを、

「同時同量」に加えて「貯まった電気」も分散制御する、

大規模自然災害に強いIoT時代のバーチャルパワープラントとなる

1.北海道のブラックアウトからの教訓

(1)ブラックアウトに至る経緯

9月6日午前3時8分頃に震度7の大地震が発生し、苫東厚真(とまとうあつま)火力発電所の1 号 機(35 万 kW)・2号機(60 万 kW)は、蒸気漏れが発生、4 号機(70 万 kW)は、タービン付近から出火した。 (発電所近辺の震度は3程度)

事故発生により直ちに、1号機、2号機、4号機の発電を止めた。停止後、図2を見ると18分間は122万kWが稼働している。グラフで見ると1時間に見えるが、実際には18分間だけ稼働していた。この18分間は122万kWが稼働していたのだからこの間に、待機中の他の火力発電所、又は水力発電所を立ち上げればブラックアウトならなかったのではないかと疑問に思う。(東北電力との連携線は60万kWであるので連携しても100万kWは不足である)

障害発生時の対応で問題点

①バックアップ電源の選択

緊急停止した発電機に対するバックアップ電源として選択した発電機もまた石炭火力ではなかったのか?

石炭火力の立ち上げに要する時間は、待機状態でも異なるが18時間以上を要する。

石炭火力発電以外に待機している発電機がなかったのか?

②太陽光発電は夜間は発電していない

昨年同日の太陽光の最大発電量は80万kWhあったが、それは昼の12時であって、午前3時は日の出前で発電量はゼロのため、バックアップとしては使用できない。

③地震発生から道内全域のブラックアウトに至るまでの18分間(図2.1)

(図2.1)

2.大災害に強い太陽光発電保障システム(PVSS)

(出典)毎日新聞 ( 画面をクリックすると拡大表示します)

6日午前3時7分の地震発生直後に主力の苫東厚真火力発電所2号機(最大出力60万キロワット)と4号機(同70万キロワット)が緊急停止した。供給量が急激に減少したことで、通常時は50ヘルツで安定している周波数は急低下。その影響などで道内全域の風力発電や水力発電も連鎖的に停止した。1分足らずで、地震発生前の電力総需要310万キロワットの半分近い供給力が失われたとみられ、周波数は一時46・13ヘルツまで急落した。

しかし、ここから想定外の事態が発生する。停電しなかった地域では、地震で目を覚ました住民らが照明やテレビをつけるなどして需要が急伸し、再び周波数が低下し始めたため、北電は残存する火力発電の出力を上げて対応。3時20分ごろには、苫東厚真火力1号機(35万キロワット)の出力が低下し、再び急激に周波数が低下したため、2回目の負荷遮断を実施した。 (毎日新聞より)

④瞬時に切り替える機能と切り替え可能な電源が存在していない

現在のバックアップ電源の切換時間は、最短でも数時間はかかる。

バックアップ電源が蓄電池だったら瞬時に切り替え可能である。現在はバックアップ用

の蓄電池は系統上には存在していない。

♡♥♡♥ ブラックアウトを再エネ活用で防ぐ ♡♥♡♥

地震に強いハイブリッドバッテリー(HBBS)と太陽光発電保障システム(PVSS)の活用

(2)太陽光発電を、HBBSとPVSSの使用でブラックアウトが防げる理由

理由①膨大な発電所数

50kW以上の産業用太陽光発電だけに限定すると北電は1,000件あるので、一部に障害が発生しても問題なし。ちなみに東京電力の場合は10.000件になる。(17年12月現在)

理由 ②24時間放電 ---深夜に大災害が発生しても太陽光の電気が使える ---

ハイブリッドバッテリー(HBBS)を使用すると発電の翌日に24時間均等放電するので、夜間でも太陽光で発電した電気を供給する。

前年の太陽光の発電実績(565万kWh)と、今年の天気から推定すると、事故を起こした午前3時には時間当たり24万kW程度の電気が流れていたことになる。

これだけの電気があれば、全火力発電停止の代わりの発電所を立ち上げる起動電力となったはずである。北海道全域のブラックアウトは無かっただろう。

また。24時間放電と安定給電保障機能を使用して、太陽光を石炭より発電コストの安いベース電源として使用できる。安定給電保障機能は、 天気に左右される太陽光も、事前に約束した量を天気に左右さることなく、かつ大災害で数か所の太陽光発電装置そのものが停止したとしても、安定的に供給できる。

(図10)

理由 ③常時、グリッドストレージ(GS)に予備電源が貯蔵されている。瞬時に切替え可能。

また、安定給電保障機能を働かせるために、GSに、保障に必要な電気を保存しているので、緊急時はその電気をバックアップ電源として瞬時に使用することが出来る。

バックアップ期間も、保存量に左右されるが、全域を数日間は供給できる。

図11は東京電力を対象としたGSへの保存量の推移をシミュレーションした図である。

それを見ると、最大保存量は142GWhとなっている。太陽光発電の3日分相当である。

保存は蓄電池が一般的だが、蓄電池は価格とスペースの問題があるので、液体水素にして貯蔵タンクに貯蔵するなども考えられる。

(図11)


(3)太陽光発電保障システムの稼働図


太陽光発電保障システム(PVSS)の機能

(1)中央システムの役割

①需給バランスの維持

②太陽光発電所のハイブリッド・バッテリーの制御

★HBBS使用の太陽光発電所の発電量を発電終了時に収集し、翌日の稼働計画作成に渡すバッテリーに一日で「貯まった量」をベースにして翌日の計画を立てる

★翌日の稼働開始と同時に前日の「貯まった量」を24時間かけて均等量に放電させる

③事前に約束した保障値通りの放電量の調整

★ハイブリッド・バッテリからの放電量が事前に決めた放電量になるようにグリッド・ストレージ・グループ(以下GS) を使い調整する当日の放電量合計値/時 > 当日の保障値/時 ⇒ 保障値超過分をGSに保存当日の放電量合計値/時 ≦ 当日の保障値/時 ⇒ 不足分をGSから放電

④緊急時のバックアップ電源の選択と操作

★自然災害などでバックアップ電源が必要な場合はむ、蓄電量が十分にGSを選択し放電の指示を行う

(2)グリッド・ストレージの独自のビジネス展開

GSに十分な蓄電量がある場合は、中央システムからの制御から離れて独自に下記のビジネスができる。

①太陽光発電向けグリッド・ストレージ・サービス

②風力発電向けハイブリッド・バッテリー・サービス

③電力系統全体のバランス支援サービス(長周期変動対応)

④都市部の区間連携遮断時のバックアップ・サービス

⑤水素ステーション向け液体水素提供サービス

⑥緊急時バックアップ電源

詳細は ⇒⇒ グリッド・ストレージを活用したビジネス

最後までご精読ありがとうございます。ご質問、ご感想、反論等

ozaki@smart-center.jpまで直接お送りください。