膨大な工事負担金は

ハイブリッド・バッテリー(HBBS)で激減

工事負担金が70億円減少のケース在り

蓄電池コストは、工事負担金大幅縮小で補填可能

出力抑制も完全解消、系統容量増設も不要



1.太陽光発電の系統への接続ルール


①接続ルールと変電所の件数

        PVの容量(最大出力)に従って、電力会社の系統の接続場所が決まっている。接続ルールを図にすると図10.20となる。

        接続ルールを表にすると表10.21となる。

10000kW以上の太陽光は、南中時の最大出力の電圧の関係から66KVの1次変電所へ接続しなければならない。2000kW〜10000kWは22kVの中間変電所への接続となる。

        以下同様。

1次変電所は日本全国で661ヶ所しか無いため、確率的に遠距離接続となる。

高圧の送電は高価な鉄塔が必要となり、その費用は1km当たり0.9〜3.2億円になる。

        10kmの送電線が必要であればその費用は9〜32億円となる。

発電業者は接続のための工事費は負担しなければならない。

②HBBSを導入すると接続先が変わる。その理由は?

        HBBSの最大目的は、タケノコシンドロームの解消であった。

        HBBSでは、PVが発電したものは一旦蓄電池に保存し、翌日、24時間かけて 均等に放電する。

        一日24時間かけて放電すると、1時間当たりの放電量は、南中時の最大発電量 の3分の一から4分の一に減少する。

  太陽光を電力会社の電力系統に接続する条件は、太陽光の最大発電時の出力(電圧)を基準にして決められている。HBBSを導入すると、最大発電量は 南中時の発電量の3分の一~4分の一になる。

従って電力会社の系統への接続条件も、当然のことではあるが変わってくる。

この接続条件の変更を弊社独自に判断すると(表10.23)のようになる。

         (資源エネ庁や電力会社の承認を得ていないことにご注意ください)



HBBS導入後の接続ルール

        2. 工事負担金計算ルール


  新接続ルール(表10.23)について説明する。

     ・50kW未満は、HBBS導入前も導入後も接続先は同じである。

     ・50〜150kW未満は、HBBS導入後、50kW未満と同じ接続先に変更となる。

                            (変更のあるものは赤で編みかけしている)

    ・2000kW未満は、HBBS導入前も後も接続先は同じであるが、電圧が変わる

        ため変電設備等の容量が3分の一に変更となる。

    ・6000kW未満は、3分の一すると2000kW未満と同じ接続先となる。

        電圧が変わるため変電設備等の容量が3分の一~4分の一に変更となる。

  ・以下同様


 工事負担金ルール

       接続先が変わると導入費が安くなる


 接続先変更で変わるもの

①.接続距離

1次変電所は、日本全国で661ヶ所しかないが、中間変電所は4,376ヶ所ある。

確率的に箇所数が増えると距離も近くなる。しかし、ケースバイケースで距離が遠くなることもあるので要注意である。

距離は架空線と通信ケーブルの費用に大きく影響する。


 ②.電圧が3分の一~4分の一になることの影響

電圧が下がると、架空線、地中線、変電設備の引出設備、変電設備の変圧器などが大型から中型ないしは小型へ変更になることで費用に大きく影響する。


 ③.導入費用

電力広域的運営推進機関は「送変電設備の標準的な単価の公表について」で工事費負担金に含まれる送変電設備の標準的な単価を公表している。

送変電設備の内、特別高圧設備については架空線・変電設備の引出設備と変圧器・通信設備、高低圧設備については架空線・地中線について公表している。

その他の設備については、標準的単価としての公表はされていない。


蓄電池を使用すると工事負担金が安くなる

                a.変電設備(引出設備)

                b.変電設備(変圧器)

            c.架空線(1回線)

                d.通信設備

        

3.接続先変更でいくら安くなるか?


設備費がいくら安くなるかのシミュレーション

        (距離と電圧に関連する設備費のみを比較する)


ケース1.13000kWの太陽光発電所の場合

                          1次変電所まで10km、中間変電所まで5km

             シミュレーション結果

              HBBSを使用すると6.05億円から31.15億円の範囲で設備費用が安くなる。

             費用のうちほとんどが1次変電所と太陽光発電所の距離に関連している。

                            

 ケース2.7000kWの太陽光

               中間変電所まで5km、配電変電所まで1km

               シミュレーション結果

               HBBSを使用すると2.5億円から5.7億円の範囲で設備費用が安くなる。

               費用の違いは電圧の違いで設備費が違ってくることに起因している。

4.HBBS使用と工事負担金と粗利益の関係


ハイブリッド・バッテリー・システムを利用すると蓄電池コストが膨大になるが、系統接続変電所が変更され、工事負担金が安くなることと、出力抑制が皆無となるので、粗利益が大きくなる。ハイブリッドを使用しないと出力抑制頻発で収入が激減する。

        発電所の規模が大きくなればなるほど粗利益率が大きくなる。

出力抑制の解消は、出力抑制の解消で蓄電池コストはお釣りがくるを参照ください。

    ①HBBSを使用しない場合

        ・HBBSを使用しないと、50MW以上の発電所は超高圧変電所接続となるた め、工事負担金が膨大となる。

        ・HBBSを使用しないと、出力抑制が頻発する。出力抑制が多くなる原因は、

                ☆太陽光発電自体が増えたとき

                ☆ベースロードの原子力発電が増えたとき

                ☆HBBS使用の太陽光発電が増えたとき(HBBSを使用していない太陽光が

抑制される)

        ・20年間の売電収入と導入コストと出力抑制から収支を計算すると105MW

まで赤字となる。

        ・純利益まで考えると、粗利益率が20パーセント以上になっていないと純利

益は赤字となる。小規模から大規模までの発電所全てが赤字となる。


    ②HBBSを使用した場合

        ・HBBSを使用するとハイブリッドバッテリー導入コストがびっくりするほど

増えるが、全く出力抑制が発生しない。結果。HBBSを使用したほうが利益

を確実に確保できる。

        ・HBBSを使用すると、パネルと蓄電池をセットにした製品が開発されるの

で、パネルも低コストになる。

        ・HBBSを使用すると、系統接続の工事負担金が大幅に軽減される。

        ・系統容量増設の必要性が激減する。

      ・HBBSを使用すると出力抑制は全く発生しない。したがって、全発電所は粗

利益が黒字になる。



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