経産省の勘違いが、我が国の  再エネを地獄へ突き落す

2030年時点の再エネ化率を36~38パーセントにすると、昨年のエネルギー基本計画で決まった。しかし、その時は出力抑制率は一切議論もされなかった。

それに対して弊社からの強い抗議の結果、2030年頃の出力抑制率は北海道が49.3%、東北が41.6%、九州は34.0%になると、半年後の今年3月14日に経産省は,発表した。

何と、絶望的抑制率!!発電の半分近くが発電禁止になる。これだけ禁止になったら、パネルのローンも払えなくなる。

ところが、勘違いの経産省は、悠然と構えて、改善策が有るからご心配なくとの事。

しかし、3週間後の4月9日に、経産省の発言とは真逆に、一番発生可能性の低い四国電力が、翌10日に対策が有るはずの東北電力が出力抑制を開始した。その後、中国と北海道も抑制が発生し、四国は5月末までに9回、東北は 13回も実施した。

間違いなく経産省は勘違いをしている。再エネ化を潰してしまうほどの勘違いだ。勘違いでなく「再エネ潰しの陰謀」とまで疑われている。果たしてどんな勘違いをしたのか?

Ⅰ.経産省発表の出力抑制率と改善策とは!!


(1)出力抑制率

経産省が2022年3月14日に発表した「再エネ出力制御の長期見通しについて 」から抽出したものが(図Ⅰ.1)です。また、この表は、2017年10 月17 日に行われた第12回系統ワーキンググループ(地方電力7社が出席)が算出した出力抑制時間がベースになっている。

長期とはいつの時点を言うのかの定義もなく、ただ「長期」としか定義されていない。

最初に計算した時点が5年前の2017年であるので、その時点の環境しか取り入れていない。例えばその時点ではまだ関西電力の原発が今ほどは稼働してなかったので、四国の供給過剰分の全てが関西に送り込んでいたので、何ら供給過剰にはなっていなかった。だから四国は極めて低い抑制率になっている。また東北も同様に東京電力が受け取っていたので、全く抑制処理は必要でなかった。

また系統ワーキンググルーブには設立当初から中央3社、東京、関西、中部は入っていない。この3社は需要が大きいので出力抑制など発生しないから不要との判断があったものと思われる。

(図Ⅰ.1)を見ると北海道は49.3パーセントと驚くほどの率だが、需要対策を実施すれば0.3パーセント減少して49.0パーセントになる、供給対策なら38.3パーセントに下がる、系統対策なら49.3パーセント改善されて0.0パーセントと全く問題が無いと主張している。

中央3社に加えて北陸、中国、四国の6地域は、系統対策を実施しなくても供給対策と一部に需要対策を実施すれば何ら問題は発生しないとのことのようだ。

果たして経産省の改善策は、経産省主張の通りに改善されるのだろうか??


(図Ⅰ.1)

(2)経産省の対策

***経産省の資料に記載のまゝ掲載します***


需要対策:各エリア最低需要の10%分について、蓄電池が6時間容量分の需要創出と仮定 

供給対策:電源Ⅰ~Ⅲの火力発電設備の最低出力(現行概ね30%、一部50%)を20%  (バイオマスは40%)としたと仮定    

系統対策:現在建設中の地域間連系線の増強に加え、マスタープラン中間整理において増強の 必要性が高いとされた地域間連系線が増強されたと仮定 (北海道→東京+400万kW、北海道→東北+30万kW、九州→中国+278万kW 、東北→東京+455万kW) 

Ⅱ.勘違い(1 )系統対策

***  連携線容量拡大すれば抑制は解消出来ると幼稚な勘違い ***

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      (Ⅰ)勘違いであることを理解するための基礎知識

♦ ♦ ♦  経産省の勘違いはここから始まっている  ♦ ♦ ♦ 

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①全国が同じ時間帯に、太陽光発電が最大となる

***日本の南中時は北海道から九州まで正午の1時間内***

太陽光が増える2030年頃は、北から南まで同時刻に供給過剰になる。


日本列島は東経130度から145度(除く沖縄)に位置しているため太陽が北海道の東の端の根室市の上空に来てから1時間後に西の端の九州平戸の上空に来る。つまり、日本列島は太陽光軌道の1時間の範囲にある。(図Ⅱ.1)の左の地図は、その事を確認するために掲載した。実際に太陽光発電の最大値が1時間の範囲にあるかを確認するために、2020年5月3日の電力各社の電力需給実績に記載された太陽光発電の実績から作成したグラフである。このグラフを見ると沖縄以外はほぼ同時刻に最大発電量になっている。(東京と四国は単位が万kWであるが他は全てMWである)

また我が国の標準時間は1種類であるので一斉に12時になり、一斉に昼休憩になるなど電気使用パターンが北から南まで全く同じである。需要が少なくなる時も全く同じ時刻になるため、各地の連携で過不足を補い合う事が困難になる。

米国では東海岸と西海岸は時差にして3時間あるので、太陽光の南中時にも3時間の差が出る。従って米国全土が同時に太陽光発電で供給過剰になる事は避けられる。ヨーロッパ大陸も、特にEU諸国の間でも3時間以上の差があり、且つ標準時間もそれぞれ異なるので、ヨーロッパ大陸で同時刻に一斉に太陽光で供給過剰になる事は無い。

(図Ⅱ.1)

② 連携線の役割は、電力9社間で同時同量を成立させること

***不足している地域を過剰な地域が連携線で補給する***


電気は瞬時瞬時、供給量と消費量が一致しなければならない。同時同量と言う。同時同量は一つの電力会社内だけでなく、連携線で結ばれた9社間で成り立っている。沖縄は連携線で連携されてないので、ここでは省略している。

(図Ⅱ.2)は2021年5月3日12時に連携線を流れた電力量を表示したものである。

図中では電力会社毎に箱で表示し、電力会社名の真下にある数字が連携線欄の数値である。数値が黒字であれば、不足していたため外部から取り込んだことを意味し、赤字であれば供給過剰のため外に放出したことを意味する。

例えば関西電力は2,453MWh不足であったので、外部から取り込んだ。取り込み先は中国から2,808(以下単位は省略)、北陸から470取り込んだが不足分を補充したので余った825は中部へ送ったことを意味する。

関西を支えたのは九州、中国、四国についで北陸が支えた。

日本の電力消費の三分の二を占めた中央三社(東京、中部、関西)が原発の殆どを止められたため、供給力不足に陥った。その不足分は、地方の電力4社で支えた。( この時だけは中部は過剰となっている)

関西と東京は黒字でその合計は7,283MWhで、そのほかの地域は赤字でその合計は7,285MWhであった。差が2MWhあったが、これは送電ロスや周波数変換ロス、直交変換ロスであろう。いずれにしても9電力間はその程度のロスで同時同量が成り立っているのである。

連携線の使用目的は、どこかの供給不足を補うためにあり、全社が一斉に供給過剰になったら連携線の効果は発揮できない。逆に全域が不足状態になっても効果は無い事になる。

全地域が晴天で太陽光がフルに能力を発揮して供給過剰になっているとき、全域が雨天で太陽光の発電量が極めて少なくなっている地域は火力や水力や揚水発電で不足を補うので、外部に助けを求める必要はありません。外部に助けを求めるのは前日の内に行うのが原則であるので尚更です。

甚だしい誤解は、「連携線の容量を増やせば、供給過剰が防げる」との幼稚な誤解である。全地域が供給過剰になったら、連携線の容量を増やしても何ら意味が無いことを確り理解して貰いたい。


(図Ⅱ.2)

③1日24時間、いつでも同時同量が成立している

***1日24時間で見ても同時同量が成り立っている***


電力各社は発電実績を「電力需給実績」というEXCELシートで、公開している。

そのシートには時間単位に需要量とそれに対する電源別発電量、及び連携線使用量が掲載されている。

時間単位に同時同量が成り立つている。同時同量は次の式で表現できる。

需要 = 原子力+火力₊水力+バイオ+地熱+太陽光+風力+揚水+連携線

供給過剰になると過剰分を外に放出するため、揚水と連携線がマイナスになる。逆に、不足している場合は外部から補給して貰う為にプラスになる。

各電力会社の2021年5月8日の「電力需給実績」から、連携線の欄を24時間分抜き出し並べた表が(図Ⅱ.3)である。表中の黒字だけを集計したのが[正の合計値」に、負だけを「負の合計値」に集計した。

[正の合計値」[負の合計値」を合わせた結果が「差」の欄の数値である。「差」の値が限りなくゼロに近いのが日本全国の送電線を流れて同時同量になったことを証明している。このわずかな誤差は周波数変換や直交変換などのロスと思われる。日本全国の連携線で24時間も同時同量が成り立っていることは確りと証明できた。

★連携線の容量を拡大すれば出力抑制の解消になると誤解も甚だしい

★数年後には正午ごろに日本全国一斉に供給過剰になる。その時は連携は出来なくなる


(図Ⅱ.3)

④24時間どの時間も同時同量が成立

***不測の所が有るから供給するところが出現する***


(図Ⅱ.3)の表をグラフ化すると(図Ⅱ.4)となる。

グラフのプラス側が供給力不足の地域でマイナス側が供給過剰の地域です。

24時間のどの時間も時間別に同時同量が成立しているのが図で確認できる。

★不足している所が有るから供給するところが出現する。

★何時も不足しているのは東京と関西。(グラフではプラス側に位置している)

中国は午前に2時間ほど過剰になるが、他の時間では不足している。

何時も供給過剰は東北、四国、九州。この3社が東京と関西の穴埋めを行っている。

★何時も不足の東京は2030年までに大量の太陽光導入で供給過剰状態に激変する。

関西は原発再稼動で不足状態を今年中に解消する見通しだ。


(図Ⅱ.4)

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(Ⅱ)2030年頃、正午に、全国一斉に供給過剰になる

   ♦ ♦ ♦ 簡単な計算で供給過剰になることを証明 ♦ ♦ ♦

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(1) 稼働中と受付中の地域別再エネ容量

電力各社が発表している再エネ受付状況の2021年12月の分を集約した表が(図Ⅱ.5)である。現在稼働中の全容量は107.9GWで、6割の64.5GWが太陽光で占めている。風力は4.8GWと僅か4パーセントにしか過ぎない。最大導入地域は東京で、全体の4分の一となっている。導入量の少ない地域は沖縄、次いで北陸で1.5GWしか導入されていない。

稼働には至っていないが既に承認されたものと承認検討中(検討申込)の2種類がある。2種類の合計容量は226GW在り、稼働中容量の2.2倍に相当する。現在稼働中と合わせると334GWとなり、稼働中の3.1倍となる。未稼働の中で風力は151GWもあり、未稼働の70パーセントを占めている。風力には洋上と陸上が有るが、殆どの電力会社は洋上と陸上を区別して発表してないが、その中で唯一区別している中部電力を参考にすると80パーセント近くが洋上であると推定出来る。洋上の導入は10年も掛かるそうだから、洋上風力の本格的稼働は30年中頃と思われる。風力の全てが稼働すると、現在稼働中風力の32倍となる。


(図Ⅱ.5)

(注)2021年12月のデーターを使用した理由

★翌月の22年1月の東京電力の太陽光と風力の検討申込が急に減少したのにも拘らず、敢えて件数の大きい減少前の21年12月のデーターを利用しました。


東京電力は「再エネを主力電源にする」と社長宣言しました。その為には、年間需要280TWの東電には少なくとも140TWh以上の再エネの供給が必要となります。しかし、21年度の東電の再エネ化率は12.7%で、再エネの総供給量は35TWhにしかすぎません。再エネを主力電源にするには、再エネを105TWhに追加する必要があります。太陽光と風力以外の再エネを10%程度とすると、太陽光を7,280万kWに、風力を1,520万kWに拡大する必要があります。その時の再エネ化率は、出力抑制が無いとして、約50パーセントになります。辛うじて主力電源と言えることになります。その容量に近いのが21年12月の値です。翌月の22年1月以降は急に太陽光と風力の容量が激減したため採用しておりません。

2.拡大可能か

東京電力供給域に千葉県と茨城県を保有しており、その地域は太陽光の導入量が日本でもトップの地域です。また、太陽光に関しては、福島と新潟に未使用の原発用高圧連携線を持っていることから、東北電力の管轄であっても東電に接続可能に なり、太陽光の導入がやり易くなってます。また洋上風力でも銚子沖があり、その 地域の発電効率は北海道並みの高実績を出しております。

② 正午の需要量と再エネ最大出力を季節別に求める

★★★★(図Ⅱ.6)を説明★★★★


★★★★ 正午の最大需要  ★★★★

2030年の稼働は太陽光が60パーセント近い比率のため、正午ごろに最大発電量になる。出力抑制の発生頻度を予測するために、正午の需要量を把握しておく必要がある。その把握は、夏ピーク日、冬ピーク日、春平均日、秋平均日、5月閑散日の正午の需要量を各電力の電力需給実績から選出した。調査結果は「正午の最大需要」欄の、各該当欄に設置する。(図Ⅱ.6)

★★★★ 最大需要発生頻度★★★★ 

最大需要は該当機関に通常は一度しか発生していない。発生頻度は明記していない。因みに、東京の2021年7月~9月3か月92日(夏ピーク日)における需要発生頻度は、5,000~5,643が 16回、4,500~5,000が17回、4,000~4,500が23回で、残り36回が4,000未満だった。7月から9月の夏ピーク日に於いて、春と秋の最大需要3,500を超える日は36回しか無かった。

 ★★★★ 再エネ容量  ★★★★

(a)稼働中の再エネ容量[稼働中合計]

(図Ⅱ.5)の再エネ種別毎にそのままの容量とする

(b)将来の再エネ容量[将来合計]

2030年に稼働する再エネ容量を決定する。

再エネ種別毎に現稼働中容量+承認済み容量+検討申込容量の半分

(c)需要超過判定に必要なデータ [火力発電最低]、[揚水発電]、[原子力稼働容量]

火力発電最低出力 電力各社の実績から適切と思われるデーターを抽出

揚水発電 同上

原子力稼働容量 稼働許可の出た原発の合計出力の80パーセントとする

最近の電力不足から原発9基を1年以内に稼働させると岸田総理自らの発表が

有った。この9基は既に稼働許可が出ているが、電力会社の怠慢で稼働が遅れ

いただけの事である。問題は、残り11基の認定申請すらしていない所がある。

この申請すらしていない本当の理由を、各電力会社に問い正したいものである


(図Ⅱ.6)



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(3)再エネ最大出力と正午需要の差を季節別に計算

    ♦ ♦ 2030年頃には北から南まで同時に供給過剰になる事の証明 ♦ ♦ 

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     (図Ⅱ.7)の数値の計算方法と、その計算結果から

抑制が発生するかどうかの判断方法を説明する。


現在の最大出力  

(稼働中太陽光+風力)×0.8 +稼働中その他×0.5 +火力最低出力+揚水発電+原子力容量)

将来の最大出力

(将来太陽光+将来風力)×0.8 +将来その他×0.5 +火力最低出力+揚水発電+原子力容量)

③将来最大出力差

(将来の最大出力 -該当季節の正午の最大需要)を計算し、  計算結果は該当する季節の「将来最大出力差」の欄にセットする。計算結果の黒字は供給過剰を意味し、赤字は供給力不足を意味する。

季節別ピーク日または平均日の沖縄を除く横計がプラスになっていることは、日本列島全てを集計した結果供給過剰になっていることを表す。夏ピーク日は3,698、冬ピーク日は6,504になつているのは、不足の中部、関西等を補っても、全体的に過剰となっていることを意味する。従って、夏ピーク日も冬ピーク日も日本列島は、連携線を使用して過剰分を引き受ける事が出来ないことが分かる。(ただし、各地域はほぼ全域晴天に近い日の計算値である)


♦5月閑散日と秋平均日は全国一斉に供給過剰になる。実供給過剰分の全てが抑制処理の対象となる。

♦春平均日は北陸だけ少し不足しているが、他は全て供給過剰である。実供給過剰分の内99.9パーセントが抑制処理の対象となる。

♦冬ピーク日は中部、関西、北陸は供給力不足であるが、過剰の6地域で補給するので、それでも供給過剰は解消出来ない。実供給過剰分の内85パーセントが抑制処理の対象となる。

♦夏ピーク日も中部、関西、北陸は供給力不足であるが、過剰の6地域で補給するが、それでも供給過剰のまゝである。実供給過剰分の内65パーセントが抑制処理の対象となる。

各地の電力供給域がほぼ天気であれば、夏のピーク日でも出力抑制になる事が証明された。


(図Ⅱ.7)

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(4)再エネ出力は、電力需要を何倍超えるか? 

            ♦ ♦ ♦少々の悪天候でも供給過剰になる事の判断♦ ♦ ♦

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①需要と最大出力の比率を求める

季節毎に( 正午の最大需要 ÷ 将来の最大出力)を計算し、計算結果を

「南中時の最大需 要の何倍になるかのテーブル」(図Ⅱ.  8)にセットする。 


②計算結果からの判断

テーブル(図Ⅱ.8)からの判断


1.0以下   ⇒ 元々供給力不足であるので、天気が悪くても不足状態が強まるだけである。

但し、不足分は自社の火力や揚水や水力でカバー出来るので外部の支援は不要。

1.0~2.0     ⇒    可なり天気が悪化しても供給過剰になる。 

2.0以上 全域の天気が日の出から日没まで悪化していても、供給過剰に変わりはない。 


③地域別に天気の影響度合いを読み解く

★★★★(図Ⅱ.  8)のテーブルの数値から天気の影響を読み解く★★★★


①北海道、東北 夏、冬のピーク日に雨降りの天気ても、出力抑制が多発する。

   春秋の平均日は雪降りの日でも抑制日となる。

②中國、九州 夏ピーク日は全域が曇りでも、春秋の平均日は全域が大雨ても

   出力抑制となる。

③東京、四国 夏、冬のピーク日は全域が曇りでも、春秋の平均日は全域が可なり

   天気が悪化しても出力抑制となる。

④中部、関西、北陸    ⇒ 夏、冬のピーク日は晴天でも抑制は発生せず、平均日は晴天の時

だけ抑制が発生する。曇天や雨天では抑制にならない可能性も有り


(図Ⅱ.  8)

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(5)1年間の天気実績に照らして過剰の頻度を推定


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①♦ ♦ ♦  九州電力の場合  ♦ ♦ ♦

上記テーブルの1.0とは全域がほぼ晴れの日の全太陽光の発電量の合計値を表している。問題は「全域がほぼ晴れの日」がどれほどの頻度で発生するかである。

(図Ⅱ. 9)は九州地域の1年間の晴れの頻度を調査したものである。九州にある気象庁の20ヶ所の天気観測所で12時観測した結果を集約したグラフである。

ほぼ全域が晴れる確率は38.5%=25.7+12.8、ほぼ半分の地域が晴れる確率は18.5%=8.7+9.8だった。

全域が曇天だった確率が33.6%だった。曇天には曇りや雨の日があるが太陽光の発電量が1.0より少ないことを意味する。

(図Ⅱ.  8)の九州の倍率で最も少ない夏ピーク日は1.7であることは、少々天気が悪くても1.0以上にはなる事を意味しているので、ほぼ全域が曇天以外の日は供給過剰と判断できる。月別のグラフを見ると、夏の7月から9月は天気が崩れて晴れの日が少ないが全域が曇天の日は3カ月合計で25日であるので、残りの67日は供給過剰と判断できる。冬ピーク日や春と秋の平均日は2.1~2.8であるので、全域が曇天でも供給過剰の日が多いのではなかろうか?月別を見ると6月の全域が曇天の回数が21回と多いが、半分くらいは供給過剰になるのではないだろうか。5月の倍率は3.8倍であるので九州全域が曇天でも供給過剰になるだろう。月別を見ると5月は11回も曇天となっているが、GW期間は曇天でも抑制になるだろう。


(図Ⅱ. 9

②♦ ♦ ♦  東京電力の場合  ♦ ♦ ♦

夏ピーク月3か月間の2021年度の電力需要実績と比べて、2030年頃の再エネ導入量で本当に供給過剰になるかどうかの検証を「Ⅴ.勘違い(4)の(3)夏ピーク需要と2030年の再エネ容量の対応」で説明する。

Ⅲ.勘違い(2 )火力の最低出力を更に10%下げる

        ******  単なる願望に過ぎない対策  ******

(1)  経産省の過去の"供給対策"に効果は有ったか??

火力発電の1基あたりの出力は10万kWから100万kWまで様々である。最大需要を抱えている東京電力の時間当たり需要量は2000万kWから5700万kWもあるので、その需要を自社の火力で8割程度を賄うとしたら、火力の出力は1600万kW~4500万kWが必要となる。従って、火力の発電機は常時50~80基稼働していることになる。火力の最低出力を10パーセント下げるためには、常時稼働している発電機全てを10パーセント以上下げなければならない。発電していない、定期点検中、修理中、待機中の発電機が、協力会社も含めると20~30基は有るので、これらの発電機も10パーセント下げなければならない。

一口に火力と言っても使用する燃料はさまざまである。燃料には重油、原油、NGL、LNG、LPG、都市ガス、石炭などがある。使用する燃料が異なれば機械の構造も、調整機能も異なってくるのは当然である。

発電機を導入した時期もそれぞれで東京電力所有発電機の中の最古参は1967年導入で、55年前のものまである。テレビで言えばブラウン管を使った白黒テレビをいまだに使っている感じだ。70年代に導入されたものが多く、保守点検費用も大変なことになっているそうだ。

100機相当の発電機を下げ代機能の優れた新機種に入れ替える費用はだれが負担するのだろうか??赤字すれすれで営業している電力会社が再エネ発電業者だけのためには重い腰は上げられないだろう。たとえ腰を上げたとしても、100年位の期間が必要かもしれない。

実は、経産省は10年位前から出力抑制解消策として、連携線容量を増やす事と、火力の最低出力を下げると主張している。しかし、九州の出力抑制の年間発生回数は19年74回、20年50回、21年99回と確実に増えている。更に22年の4月になってから東北と四国、北海道、中国と新たに出力抑制が始まった。10年も前から抑制対策を取っておりながらである。

この事実が物語っているのは、経産省の抑制解消策は何の効き目も無いと証明しているのである。

最低出力を下げる最も簡単な方法に、誰でも簡単にできる方法がある。それは稼働している50~80基の発電機の内の数基を希望する出力になるまで、完全停止してしまう事である。しかし、完全停止出来ないのである。何故止められないかを、次の章で皆さんと一緒に考えてみよう。


(2)最低出力を下げられない理由

♦♦♦火力発電を完全停止すると、後が怖い♦♦♦


その理由の説明前に、太陽光発電と火力発電の連携について説明する。


太陽光発電は、日の出前の発電量はゼロで、日が昇り始めてから太陽が真南に来るまで発電量がぐんぐん伸びる。真南を過ぎると日没までどんどん減少していく。日没時に、発電量はゼロになる。その太陽光の発電は正に釣り鐘状になっている。

逆に火力発電は、太陽光の発電が始まると、どんどん出力を下げていく。南中時を過ぎると徐々に上げていかなければならない。太陽光が日没に近づくと、火力は逆に最大出力で運転する。。

その両者の動きが分かる図が(図Ⅲ.1)である。このグラフは東北電力の実績値から、火力と太陽光以外を除いて作成したものである。このグラフは太陽光と火力が対応しながら稼働しているのが良く分かる。

ここで(図Ⅲ.1)の5月4日の動きをよく見てみよう。日の出前の火力の最大値は午前4時に7,009MWhで、発電機が15~20基ほど稼働していた。太陽光が最大となる11時は4,505MWhまで下げている。下げ幅は2,504MWhである。その時太陽光の最大値は4,516MWhであった。

(図Ⅲ.1)

問題は何故この時、2,504MWhしか下げなかったかである。下げてほしい量は、太陽光の最大出力分の4,505MWhであった。発電していた発電機のうち8~10基を完全停止すれば下げられたのに。希望の半分程度しか下げなかったので、その差額2,001MWhが供給過剰に7,164なってしまう。東北電力はその差額は連携線を利用して東電に送り出している。

何故、8~10基を完全停止出来なかったかは、太陽光終了直後の19時の最大需要7,164mwHを満たさなければならなかったからである。止めてしまうと最大出力までに間に合わなくなる。そのために止めずに最低出力で我慢して貰った。そのことを下げ代機能ぎりぎりまで下げたという。それ以上下げるには、火力発電のどれかを停止させなければならなかった。止めてしまうと19時の最大需要に対応できなくなる。


火力発電の下げ代機能は、機種ごとに異なる。石炭や石油、LNGなどによっても異なるし、発電機の古いもの新しいものによっても異なる。また電力会社には20基から110基と所有台数も異なる。経産省は下げ代機能をもっと下げるために発電機を下げ代能力の高い機種に変更させようと計画している。新機種に切り替えるコストと時間を考えると、極めてコスト高で時間もかかるし、切り替えてもほんの僅かしか効果が出ない対策である。

然も、全て切替ったとしても、脱2酸化炭素で火力発電は止めようとしている。全く矛盾に満ちた計画である。

それに比べると、弊社が提案するHBBSを使用すると、はるかに大きな効果が出る。しかも、電力会社は殆どコストが掛からないのに。 次にHBBSを使用した場合、何故最低出力が下がるかを説明する。                


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(3) HBBS使用で、何故、火力の最低出力を下げる事が出来るのか?

♦ ♦ 釣り鐘状の太陽光の出力を発電予測不要な24時間均等放電で可能 ♦ ♦

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電力を供給するためには前日の内に明日と、明後日の需要予測を事前に行っている。予測は3分ないし5分間隔で、24時間~48時間予測され、非常に精度が高く作られている。同時に、明日以降の天気予報を使用して、太陽光と風力発電の発電量予測も行われる。その予測された需要に対して供給するための稼働計画が必要となる。稼働計画とは「どの火力発電所を何時から動かし、何時に止める」かの計画である。その計画の中には揚水発電や連携線の利用、つまり出力抑制処理も含まれる。

何故計画が必要になるか?火力発電所は急に稼働開始しろと言われても開始できない。発電機毎に、スイッチを入れてから営業運転開始まで異なる時間が必要である。短いもので、2~3時間、長いもので石炭火力は24時間かかる。中には定期点検や故障で暫くは使えない発電所もある。

HBBSを使用すると、前日の予測処理が少し変わってくる。HBBSを使用した太陽光発電所から、17時までに各発電所で発電した量(蓄電量)が知らされるので、その発電所の発電量予測は不要となる。

作成した稼働計画の実行は、翌日午前ゼロ時から始まり、HBBSに蓄えられた電気も24時間均等に放電開始される。その稼働状況は、(図Ⅲ.3)の様に変化する。この図を見て頂くと、太陽光の釣り鐘状の発電は無くなり、均等に放電に変わっているので、火力の対応も極めて滑らかになっているのが分かる。天気に左右されるのは風力だけになり、その風力も太陽光の様に急な変化は行わないので、ほぼ計画通りの火力の運転が出来ている。

24から48時間の需要が予測されているので、たとえ需要が増えても、あらかじめ予定されていたことであるので、どの火力を起動させれば良いか分かっている。翌日の需要が増加しても、事前に分かっているから、それに対応出来る火力発電を当てがっておけばよいことになる

最低出力も必要ならゼロまで下げることも出来る。ただし、ゼロにした場合周波数調整は別の方法が必要になるかもしれないがこれは今後の大きな研究課題になるだろう。

(注)全ての太陽光発電装置にHBBSを使用するとして説明しているが、中にはHBBSが使用できない発電所もあるが、それらの発電所は現在と同じように出力抑制の対象になる。HBBSを使用すると決めたら、出来るだけ早い時期に全発電所にHBBSが使用できるような政策が必要になる。


上(図Ⅲ.2)、下(図Ⅲ.3)

Ⅳ.勘違い(3)低すぎる経産省予測の抑制率


(1) どの程度低いのか??弊社の抑制率と比較して!!


弊社は出力抑制発生を年間の回数で算出している。しかも月別に分けてである。また風力と太陽光にも分け、且つ風力の場合昼と夜にも分けている。太陽光だけは発生回数を「率」に換算した。「率」への返還には弊社独自の手法を用いている。計算結果は(図Ⅳ.1)に掲載した。表には経産省の「率」も載せたが、あまりにも経産省の「率」は低すぎる。経産省は「あくまでも試算値」と言って結果責任には逃げる準備をしている。経産省は逃げても、発電業者は逃げられないことを肝に銘じておくべきだ。

経産省の計算では、日本本土で一番低い抑制率は四国だった。僅か2.1パーセントだ。抑制率が低いという事は抑制が一番発生しにくいという事である。しかし、今年4月9日に早々と四国は出力抑制となり、2カ月間で11回の抑制だった。

世界一の民間電力会社である東京電力の年間電力需要は、地方電力7社の合計値に等しいくらいの大きさであるから、まずは供給過剰になる事は有り得ないだろうとの思いからかもしれないが、経産省は東電の抑制率を6.3パーセントと極めて低く見積もっている。検討ワーキンググループに中央3社の方が居ないことが原因かもしれない。

北海道や東北及び東京の「率」もあまりにも低すぎる。この低さは何処から出て来たのか?

また、経産省の率は何ら対策を施していないが、対策を施せば問題ない値になるとも言っている。


(図Ⅳ.1)



(2) 弊社の再エネ化率や出力抑制率等の計算方法。


①計算したい地域に供給している電力会社の直近1年間の電力需給実績(Excel Sheet)を使用する。(図Ⅳ.2)はそのEXCELの一部である。

②需給実績には1年間(365日)を時間別に需要量、電源種別毎の発電量、太陽光と風力の抑制量、揚水発電、連携線の使用料が365日x24時間分が、時間ごとに同時同量を成立している形で掲載されている。既に出力抑制が発生している場合は、抑制量を非抑制量に合わせて非抑制量にセットし、抑制量はゼロにしておく。

③予測計算は、1年間の出力需要とお天気は全く同じと言う条件で計算する。

④現在の再エネ種別毎に、将来の容量比を算出し、直近の再エネ種別毎の発電量に求めた容量比を全件に乗じる。(図Ⅳ.2)は2021年度の東北の実績を使用して、2022年度の出力抑制の発生を予測するものである。2021年4月の再エネ容量に対して、承認済の3分の一が追加された場合の倍率を21年4月の発電実績に乗じて3年後の発電量を計算する。

⑤但し、水力は大半が大型水力のため容量比はなにもしない。将来原発が再稼動するなら、発電予定量を追加する。

⑥新再エネ稼働後の発電量を算出した後、時間毎に同時同量を計算する、計算は需要―(火力₊原子力+水力+新再エネ+揚水+連携線))である。

⑦⑥の計算結果は殆どマイナス値になるのでその値と火力の発電量を合計しその値を新火力とする。

⑧新火力の値が火力の最低出力より少ない場合、最低出力値に置き換える。最低出力の計算は太陽光の発電終了後の最大需要を水力と合わせて供給する量の半分程度を最低出力とする。4月1日のケースでは太陽光終了後り最大需要は9,000で、水力2,000と火力で供給するためには火力は7,000が必要になるので、最低出力は7,000の半分の3,500が最低出力となる。別の言い方をすると、3,500で発電していれば、2時間後の7,000は上げ代機能で自動的に出力できるという意味である。

⑨対応可能な揚水発電と連携線が有れば対応かな能な値を該当業にセットする。ここでは前年と同じ量を連携線に乗せている。理由は、連携戦の先で東京がその量を期待して待っているからである。しかし、東京も再エネ導入が進んでいることと、新潟原子力の稼働などが有ると東北に頼らなくても良くなるので、その時は連携線の利用量も少なくなる。その時は連携線の利用量を減らすか、完全停止する必要がある。

⑩これより出力抑制処理を行う。**供給過剰分を太陽光と風力の発電量に比例した按分を行う。Step1;太陽光と風力の発電量の合計値に対する超過量の率を時間毎に計算し「率」に置く。Step2;計算した「率」の中から最大値を探す。ここでは12時の-0.2113が最大値。             Step3;供給過剰時間毎に太陽光と風力の抑制量を計算する。「 発電量X最大率X安全率 」が太陽光と風力の寄席医療となる。安全率は現在九州電力で採用している48パーセントを採用した。


(図Ⅳ.2)


(3) 経産省の抑制率が低くなる原因

「あくまでも試算値」の精神に問題あり


経産省の計算方法は、一言で言うと統計手法を用いて計算と言える。各種平均値を予め計算し、その平均値を当てはめて再エネ化率や出力抑制率を例産している。計算の詳細は明確には分からないのでここでは解説出来ない。またオンライン化をしきりと推奨されているが、オンライン化は供給過剰量そのものが減るわけではない。


①予測手法そのものに問題あり??

結果論から見ると、経産省の予測値は極めて低いので、何処かに問題が有るのだろうと推測している。どこが間違っているかは経産省地震で研究すべきだ。


②九州電力で実際に実施していることが予測手法に取り入れられていない。

発電予測や需要予測の信頼度に対する不安から、停止発電所を2倍にしている現実が、予測計算に含まれていない。現在の九州方式では、実際には100ヶ所の太陽光発電所を停止させればよいのだが、2倍の200ヶ所の発電所を停止させている。この現実が経産省の予測には含まれていないように見えた。


③中央3社が参加していない為、3社の動きを考慮に入れていない?

経産省は北海道と東北の供給過剰分は連携線の容量を増やせば東京で受け止めてくれると思い込んでいるようだ。しかし、東京電力は再エネ導入量が日本一で、2030年頃には東京も供給過剰になる。その時は北海道や東北の溢れた分を引き受ける事なんて出来ない。2030なんて遠い話ではなく今年4月に、一部東北と北海道の溢れ分が引き受け出来なくなり。東北と北海道で出力抑制が発生した事実を見ても証明できる。

関西は全原発が稼働開始するため供給力不足は大幅に改善され、他社からの支援がほとんど不要となる。


Ⅴ.勘違い(4)供給過剰の最大原因に対する対策が皆無


(1) 供給過剰の最大原因はタケノコシンドローム


東京電力の再エネを主力電源にするためには100GW以上の再エネが必要である。72GWを太陽光、陸上風力を15GW、その他を14GWとすると、出力抑制が無ければ50パーセントの再エネ化率になる。


再エネ化率が50パーセントになる根拠

①東京電力の2021年度電力需給実績を使用する。電力需要と天気は21年度と同じとの前提で計算する。  

②再エネの増加率を21年度の時間毎の発電実績に乗じて再エネ発電量を求める。原子力は新たに新潟の6,7号機が稼働するとして時間当たり発電量270万Whを追加しておく。

③時間ごとに同時同量を成立させて、過不足分は火力の発電量で調整する。火力の最低出力は 1,200万kWhとし、それを超えるものは供給過剰とする。(出力抑制処理はこの時点ではまだ行っていない)

計算結果は(図Ⅴ.1)の通りである。水力を含む再エネ化率は50.6パーセントとなっている。太陽光が 33.0パーセント、風力が 11.7パーセントとなった。太陽光の占める率が高いことが分かる。

全供給量の合計値が電力需要を超えた場合を供給過剰量として求めた量を「過剰量」とし求めた年間の合計値が、全年間需要に対して 16.4パーセントになった。月間過剰量の多い月は4月、5月、3月で、最も少ない月は7月、8月、2月であった。

供給過剰が発生すると揚水発電や連携線利用などで出来るだけ出力抑制を抑えようとするが、抑えきれない分は抑制処理となる。抑制処理するとき、安全率などの適応で実際の過剰の2倍くらいが発電禁止になる。この事から推測すると、東京は50パーセントを願っていたが、過剰分16.4パーセントの2倍が抑制処理されて、再エネ化率は20パーセントに落ち込むことは間違いない。要は、主力電源化は論理的に不可能であるという事になる。


(図Ⅴ.1)

その時の月別供給過剰になった回数


過剰になった回数を太陽光が発電していると、発電していないに分けてカウントした。昼は風力も発電しているが、夜は風力しか発電出来ない。従って、風力は昼と夜の2回供給過剰になる原因を作り出していることになる。逆に言うと風力は一日2回の出力抑制になる事が有る。

月別の過剰になった回数は(図Ⅴ.2)の通りで、月平均27.3回である。一番多い月は6月で全日であった。最少月は24回であった。供給過剰にならなかった日を調べると、殆どがぎりぎりの所まで発電しているので、ほぼ供給過剰と言ってもよい状態だった。

夜は供給過剰になった回数は少ないので、夜の時間帯ら他所の分を引き受ける事は可能かもしれない。しかし、夜は需要量が少ない上に火力の最低出力や原発が稼働しているので、他所の者を受け入れる余裕は極めて少ない。


(図Ⅴ.2)

どの程度供給過剰になっているのか?(5月)

5月の過剰回数は29回、過剰にならなかったのは2回だけである。19日と27日の2回だけ。他所の電力会社の供給過剰分を連携線経由で受取る事の出来るのは5月は2回しかない。受け取れる量は800万kW程度ある。

夜の過剰回数が、 5月16回が最大となっている。電力需要の少ない深夜に風が少しでも強く吹くと、すべて供給過剰になったという状況である。5月以外の月は夜に多少余裕が有るので他所の分を受取れるが、夜は需要が少なく、且つ火力の最低出力も必要なため、受け取れる量は800~1,000万W程度になる。期待できる量ではない。

5月に過剰回数が29回もあるが、その稼働状況をグラフ化してみると。(図Ⅴ.3)のようになる。月31日のうち、29回が需要ライン((赤破線))超えているのが分かる。需要を超えた量が最大で5,775万kWhあり、その時の需要の2.1倍であった。5月1か月間で需要の2倍超の過剰となった回数は18回にもなる。また最大超過量5,775万kWhは、地方電力7社の夏ピーク時の最大需要の合計値にほぼ匹敵する。春や秋の平均日の最大需要量合計値の 1.5倍に相当する。

経産省の計画では連携線を使えば出力抑制は殆ど無くなると主張しているが、その根拠は恐らく地方の供給過剰分は東京電力などの中央3社に送電すれば受け取ってくれると誤解しているからだ。このグラフと(図Ⅴ.2)の回数テーブルを見れば、東京は受け取るどころの話ではないことは明確だ。


まるでタケノコのように需要ラインを突破している(図Ⅴ.3)

(2)解決策は、上に伸びるタケノコを横に寝かせるだけ


太陽光発電特性に『晴天日の発電量をいったん蓄電池溜め、発電終了後に24時間かけて均等放電すると、1時間当たり放電量は南中時の最大発電量の3分の一から4分の一になる。夏至の頃は3分の一で、冬至の頃は4分の一になる』がある。

その特性を実現する装置がHBBSである。そのHBBSを各太陽光発電装置毎に導入して稼働させたグラフが(図Ⅴ.2)である。このHBBSを使用すると太陽光の出力抑制は完全に解消出来、かつ火力は天気の急変による不安定さが皆無となり、最低出力も希望するだけ無尽蔵に下げる事が出来、且つ一緒に稼働する風力発電も大いに抑制解消となり、風力発電業者にも厖大な御利益が得られる。

風力発電分だけ需要ラインを超過している場合があるが、その超過分は揚水発電で対応しているので抑制対象にはなっていない。

詳細は、Ⅲ.勘違い(2 )供給対策の(1)、(2)、(3)をご参照ください。


(図Ⅴ.2)

HBBSが太陽光以外にもたらす効果

①風力発電の出力抑制も減少

②火力発電の燃料費減少

③火力発電の最低出力を大幅に減少

④太陽光の発電予測不要、出力抑制皆無による運営コストの減少


Ⅵ.勘違い(6)東京も、夏の最大需要日に供給過剰を不認識

        ♦ ♦  ♦ まさか、夏の需要を超える事は無いだろうと思い込んでいる   ♦ ♦ ♦   



①夏ピークの電力需要は、どれだけ多いのか??



経産省は北海道や東北の供給過剰分は連携線容量を増やせば、出力抑制は回避できると主張しているが、その根拠は恐らく過剰分を東京が受け取って来るからと思い込んでいるのだろう。ところが東京は、需要が最大となる夏ピーク日にも供給過剰になっていることを全く気付いていないのだ。


2,021年夏の最大電力需要は、5,665万kWhで8月26日の13時に記録している。東京の冬ピーク時は4,500万kWhであるから、冬より約1,100万kWh多い。それでは、夏場7月~9月3か月間の電力需要はどの程度になるかを見てみよう。2,021年夏3か月間の電力需要だけを取り出したグラフが(図Ⅴ.3)である。


3カ月の内,5,500万kWを超えた回数は僅か3回で、8月に集中している。

冬ピーク時の4,500万を超え、5,500万以内の範囲は。7月に11回と、8月に11回、合計22回である。

結局、冬ピークの4,500万を超える回数は25回で、3カ月の訳3分の一である。本当の夏日と言うのはほぼ一カ月と言える。

夏と言えども冬ピークの量を超えない回数は合計約2カ月分相当の67回であった。


(図Ⅴ.3)

②2030年の再エネ容量と発電量


東京電力は再エネを主力電源にすると公言している。時期は公約していないが、2030年頃には実現可能であろうと思われる。主力電源になるには全発電量の少なくとも半分は再エネで発電している必要がある。その容量を現在の申込状況等から推測すると、2030年頃の容量は、太陽光、5,200万kW、風力、1,270万kW、水力、1,000万kW、バイオ、420万kWとなる(図Ⅴ.4)その時、この容量でどの程度の出力抑制が発生するか、も含めて主力電源になるか計算してみる。

計算は弊社の計算方式で、2021年度の電力需給実績(EXCEL)を使用する。21年度電力需要は全く同じで且つ天気も全く同じだった場合に、再エネの容量だけが増えたらどうなるかの計算である。

EXCELには1時間単位に同時同量が成立しているので、再エネの倍率を適応すると同時同量が崩れるので、火力発電量を最低出力まで下げながら供給過剰になるかどうかを判断する。



(図Ⅴ.4)

計算結果、2030年1年間の月別稼働状況は(図Ⅴ.5)の通りである。この計算はどの程度供給過剰になるかを見るのが目的であるので、供給過剰後の抑制処理は行っていない。その処理を行うと、安全性の観点から供給過剰量の2倍ほどを発電停止にするので、最終的な出力抑制は30パーセント程度なる。主力電源になるためには再エネ化率は50パーセント以上になるべきだが、最初に推定した再エネ容量が足りなかったという事になる。


(図Ⅴ.5)

上表には供給過剰の量を表示しているが、供給過剰になる月別の回数は(図Ⅴ.6)の様になる。ほぼ毎日過剰になっている。年間296回の過剰である。最も少ない月の8月でも 18回も過剰になる。昼の回数は太陽光と風力の発電が有ったために過剰になったが、夜は風力の発電だけで過剰になっている。風力の容量は 1,270万kWと少ない事と発電効率は陸上風力の発電効率で計算しているが、2030年過ぎに洋上風力が稼働し始めると、夜の過剰回数は、昼の回数と同程度に圧倒的に多くなると推測できる。


(図Ⅴ.6)


供給過剰状態でも他所の供給過剰分を引き受ける余力が有るか??


①昼間は太陽光で供給過剰の為、引き受け余裕なし

②夜間は需要と火力の最低出力の隙間だけ引き受け可能

(図Ⅴ.7)の3つのグラフは火力発電を最初から最低出力にした場合、需要(赤破線) と供給側との間にどれだけ余裕が出るかが分かるグラフである。断っておくが受け入れるかどうかは東京電力側の一存で決まる。


(図Ⅴ.7)

Ⅵ.勘違い(5)現再エネ制御技法だけで拡大可能

          ❤ ❤ 我が国には供給過剰分切り捨ての制御方式しか存在せず  ❤ ❤ 

(1) 洋上風力は全滅

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洋上風力は、抑制率80パーセント以上で玉砕する

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日本全域は、陸上と洋上の風力が大量に稼働し始める10年後に稼働している風力は、現在の23倍の容量まで拡大し、太陽光と同じ容量の109GWになる。その時は既に太陽光も大量に供給過剰となっているので、風力も殆どが出力抑制対象となる。その実例を北海道、東北、東京の3つの地域で見てみよう。接続申請されている風力の大半が稼働し始める2030年過ぎの北海道(図Ⅴ.1)と東北(図Ⅴ.2)及び東京(図Ⅴ.3)の稼働想定図である。


北海道の場合(図Ⅴ.1)

現在稼働中の風力56万Wに対して新たに1,925万kWを加えると容量1,981万kWになるが、その大半を洋上風力とした場合、2020年3月と同じ風が吹いていたとすると、3/28の1日の風力発電量291.2GWhとなる。この量は一日の需要の3倍近くの過剰量である。

風の強い3月は31日の内25日が需要の3~4倍の風力の発電となっており、この量は連携線の容量を遥かに超えているので、その頃は日本全国供給過剰の為、連携線に乗せる前に出力抑制となってしまう。何のために高額の洋上風力へ投資したか、疑問になる。

東北の場合(図Ⅴ.2)

現在稼働中の風力170万kWに対して新たに2,714万kWを加えた容量2,884万kWが、その大半を洋上風力とすると、需要量の2倍強が、1週間連日供給過剰となっている。この風力の超過分を東京に送電しても、東京も供給過剰となっているので引き受けてくれない。東京以外も殆どの地域は過剰分を引き受ける余力は無い。

東京の場合(図Ⅴ.3)

2030年頃東京の太陽光は4,200万kW程度稼働しており、このグラフではその太陽光にHBBSを導入して出力抑制を解消しているが、太陽光と原子力などの発電量でほぼ需要を満たしており、風力の殆どは出力抑制で、捨てざるを得ない状況になる。折角、東京電力自らが洋上風力に投資したのに、何の効果も得られない悲惨な結果になる。容量4,288万kWを洋上風力とした場合、5/11の1日の風力発電量1196.7GWh、時間当たり最大発電量は82.0GWhとなる。

現在経産省の制御技術は過剰分切り捨て方式しか持っていないので、洋上風力の大半は出力抑制として捨てられるだけだ。経産省は、これに対して連携線容量を拡大すれば抑制が解消できると誤解しているが、日本全国供給過剰であるので誰も過剰分を引き取れない。経産省はこの点を見落としている。


上(図Ⅴ.1)、中(図Ⅴ.2)、下(図Ⅴ.3)



(2)洋上風力は即、液化水素へ変換 

風力発電、特に洋上風力に対する特別な供給過剰対策が必要である。

通常のやり方で系統に乗せようとすると、すぐに出力抑制の対象となり殆ど発電が許されない状態になる。それを避けるには、同時同量の計算対象から外すために発電した電気は系統に乗せずに直接液体水素に変換(図7.4)して、後でトラック便か船便で輸送する手段を取るべきである。電力系統で運ぶなら、需要の少ない時間を限定して送電することも可能であるが、系統に乗せるには供給不足の地域発生を待たなければならないが、日本全国供給過剰の為、系統に乗せるのは望み薄である。何時乗せるかは、次の「第3ステップ」で述べる。

(注)発電即液化水素へ転嫁の必要性を予見した某企業は、この方式の研究を開始している。


(3)更に再エネ化率を高める事は出来ない 

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さらに10パーセント高めんとすると、膨大な抑制が発生する

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東京電力の場合


経産省ご推奨の「供給過剰分切り捨て方式」で、再エネ化率を高めようとすると、切り捨て部分の方が多くなり、再エネ化率は高くならないだけでなく、発電業者が経済的にも採算の取れない状態になってしまう事を説明する。説明を分かりやすくするために、太陽光と風力だけに限定して、他の者は一切省いた東京電力のデーターを使用する。

東京電力の電力需要は夏と冬にピークが来て、春と秋は需要は少なくなり、特に5月のゴールデンウィーク期間は最低需要になるのは、毎年ほぼ同じパターンである。

一方、太陽光発電は6月の夏至の頃を最大となり、12月の冬至の頃が最小となる。地球は太陽の周りを一定軌道で公転しているため、太陽からのエネルギーは毎年ほぼ一定である。途中梅雨の季節や台風の季節には、その年によって多少の変化はあるが、一年を通すとほぼ一定の量で発電している。

一方、風力発電は春や冬は風は多いが、夏はかなり少なくなるというパターンで吹いている。ただし、太陽光に較べると、年によっては発電量が大きく変化する点では異なる。

以上の条件で、東京の1年間の電力需要を太陽光と風力だけで、供給した、すなわち、年間電力需要=年間太陽光発電+年間風力発電になるように、現在受け付けている承認済と検討待ちの半分が稼働したとして作成したグラフが、(図Ⅴ.4)である。ただし、風力は陸上風力の発電効率を適応している。このグラフから分かる事は、年間では需要と供給は一致しているが、夏のピークと冬のピークには供給不足となり、1月~6月までは供給過剰となる。供給過剰の時は出力抑制として捨て去り、不足のところは何処かから供給して貰うか、火力発電を稼働させなければならない。その結果、再エネ化率は90パーセントにしかならない。

そこで再エネ化率100パーセントを目指して、8月の不足のところを再エネで供給させるために、8月の需要 = 太陽光+風力になるまで全体を底上げしたグラフが、真ん中の(図Ⅴ.5)である。全体が底上げされたため、供給過剰分が極端に増える。風力の捨てられた量は、227TWhもあり、年間需要279TWhの81パーセントに相当し、 風力発電の68パーセントが無駄に捨てられることになる。捨てられる分を15円/kWhで計算すると、毎年3.4兆円になる。年間売り上げ6兆円弱、経常2000億円前後の東京電力がこんなに沢山、出力抑制として捨ててしまうのを黙って見ているだろうか?もし黙って見ている様な経営者だったら、経営者失格と言わざるを得ない。経産省の制御方式では、毎年3.4兆円、しかも、風力発電の68パーセントも捨てることになる。こんなに捨てて、経営の無駄をまき散らして、最適な制御方法だと言えるのか??言ってるのは経産省だけだろ。


上(図Ⅴ.4)中(図Ⅴ.5)下(図Ⅴ.6)

②「電気は貯めてから使う」時代になる

それに対して、効率良く再エネ化率を高める方法を考えよう

需要=供給が成り立っていた最初のグラフ(図Ⅴ.4)で、供給過剰になった分をグリッド・ストレージ(以下、GS) と称するところに保存し、不足な時にそこから取り出して供給すれば、年間の同時同量が成り立つ。つまり、捨てる部分が無い状態で再エネ化率100パーセントを成立させる事が出来る。そのためには、GSにどれだけの量が保存されるだろうか?その時のグラフが(図Ⅴ.6)である。最大27.6TWhの保存量となる。東京電力の1ヶ月の需要量に相当する。四国電力や北陸電力のほぼ1年分に相当する。

再エネ化率を100パーセントまで持って行くのに、経産省の主張する「切捨て方式」の制御を採用すると、膨大な無駄が発生する。その無駄は、地方電力の年間需要の殆どを賄う事が出来るほどの量である。無駄を生じさせないで再エネ化率を高めていくには、「貯めてから使う」方式に切り替えていくべきである。貯めるための費用は、捨てる予定だった電気の有効利用で、たったの1年で採算は取れるはずだ。


(4) 膨大なグリッド・ストレージは実現できるのか? ★★

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「電気は貯めてから使う」時代へ大きく方向転換する

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東京電力の例では、供給過剰として捨てられる分を一時保存すると、1年間で27.6TWhとなった。この量はピーク月8月1か月間の需要量に相当する。果たしてこのような大規模の蓄電池は存在するのか?今後の再エネ大量導入の最大研究テーマとして取り上げることを提言する。


①蓄電は複数個所に分けて蓄電する

★ ★★ ★ グリッド・ストレージ構成(図Ⅴ.7)★ ★★ ★

★電気スタンド

EV時代にはEV車向けの電気(ガソリン)スタンドが必要だ。現在ガソリンスタンドは東電管内だけで7千ヶ所有るそうだ。1スタンドで毎日300車に500km走行分の電気を提供すると、1スタンド当り50MWh程度の蓄電池が必要となる。東電管内だけで一日当たり350GWhの蓄電量となる。

電気の充電時間は通常は8時間くらいかかるが、高速充電であれば30分程度で出来るそうだ。1台当たり30分掛けて、営業時間12時間に300台に充電するためには、25台が一斉に駐車できるスペースが必要となり、電気スタンドと言うより駐車場と言う感じになる。土地代の高い都会地でこれだけのスペースを確保するのは困難であり、且つ採算を取るのも困難であろう。

それに代わる対策として、蓄電池の標準化を進め、蓄電池の種類を大型、中型、小型の3種類ぐらいに限定してどのメーカーの車でも共通して使用できるようにする。電気スタンドでは充電サービスを受けるのでなく、既に蓄電しているバッテリーと数分間で交換するサービスを提供する。すでにこのタイプのサービスは、2輪車では一部メーカーが実施している。

スタンド側は、空のバッテリーに8時間かけて満タンになるまで充電する。1バッテリーに8時間かかるため、8時間で200台の車にサービスするには、常時200台の充電したバッテリーが在庫として持っておく必要がある。従って、1スタンド当り400台分の蓄電能力(100MWh)が必要と計算できる。東京電力管内で最低でも700GWhの蓄電能力が必要となる。

★フロントステーション

現在の配電変電所に相当する。東電の配電変電所は1000ヶ所は有る。配電変電所の役割は二つある。一つは需要家に電気を供すること、二つ目は発電所からの電気を受け止める事である。

★ミドルステーション

配電変電所より上位の変電所、中間変電所、1次変電所、超高圧へな電諸島を総称してミドルステーションと呼ぶことにする。東電管内だけで1000ヶ所有るそうだ。このステーションの役割は二つある。一つは電気を液体水素に変換して、変換された水素を貯蔵タンクに保存することと、2つ目は、適切なタイミングでたまった水素を電気に変換して電力系統へ送り込むこと、の役割がある。

★バックヤードステーション

旧火力発電所跡地15ヶ所を液体水素専用貯蔵タンクの保存場所とする。他所の地区との輸出入はこのステーションからトラック便または船便で行う。


②マイクログリッドはエネルギー産業の革命だ ❣ ❣

❣ ❣ ❣ ❣  エネルギー自立国を目指せ  ❣ ❣ ❣ ❣


電気をグリッド・ストレージに貯めるには、明治の後期から120年近くかかって作られた電力設備の大半が大きく変化していく。これまでは、大型発電所から需要家まで流れ、上流から下流に流れていた電気の流れが、フラットな面での流れに変わる。いわゆるマイクログリッドに変わっていく。それは片手間で出来るものではなく、早くても40~50年はかかる。国全体が総力を挙げていかなければならない。新しいエネルギー革命となる。日本が世界に先駆けて取り組むテーマでなかろうか。

これが成功した暁には、日本はエネルギー自立国になり、国際紛争に巻き込まれることが激減し、電気の安定化と世界一易い電気料金の国になるのではなかろうか??


(図Ⅴ.7)