提案の要約
21年から出現し始めた出力抑制が、年々増加し、昨年24年度は全国計で424回発生した。25年度に入ってまだ2ヶ月だが、前年度を上回る勢いで増加している。発生の原因は①太陽光導入済量が16年設定量の1.5倍以上に増加した、②設定時に想定していなかった原発が23年度に10基996.8万kW稼働し始めたこと。 しかし、原因①②に対する抑制解消対策が全く無く、且つ、経産省は電力各社を結ぶ連携線の容量増加で解決できると、経く主張していたが、全く効き目が無かった。このまゝで30年を迎えると、洋上風力本格稼働前だが、太陽光は16年設定の5.7倍、原発は更に8基794万kWが新たに稼働の可能性有るので、抑制はさらに増加する。30年頃の年間抑制回数は全国計2,037回発生と予測。多い地域は東北359回、九州335回、200回以上が四国、中国、北海道、東京で、北陸、中部、関西は100程度。抑制の結果、発電業者の売電収入は最大75パーセント減収と、事業継承は困難になり、倒産続出で、パネル放棄して夜逃社会となる。
30年に向けての抑制解消策は、抑制発生の最大原因の太陽光に対して行う必要有り。それは、上に伸びる太陽光を一旦蓄電し、発電終了後から24時間均等放電で3分の一以下の高さに縮小して送電出来る。これで、40年頃までの出力抑制はほぼ解消できる。蓄電池は蓄電と放電を同時処理可能な機能が必要である。蓄電池費用は、太陽光が増える分、火力の発電量が激減するので、電力会社が持てば、原発再稼働で地域住民からの協力が得られ易くなり、かつ、安定化による効果等が得られる。全国の太陽光に24時間均等放電を適応出来たら、日本の再エネ化率は40年目標を30年頃に達成出来る。
30年過ぎに大量の洋上風力が稼働するが、その時太陽光の出力抑制が未解決であれば、風力も抑制に巻き込まれて共倒れになる。仮に、解決していても70~80パーセントは再エネと原子力と火力で一杯になっており、洋上が入り込む余地はほとんどない。何れにしても洋上は即死する。洋上を生かす道は、発電即液化水素に変換して、専用パイプラインかトラック便で貯蔵タンクまで輸送する。貯蔵タンクからは電力のみならず産業用や運輸部門等に水素で供給する。水素も含めた新エネルギーシステムを世界に展開する。
経産省資源エネルギー庁への公開質問(回答期限;令和7年7月7日)
質問1; 太陽光発電に24時間放電が採用できない理由とそれに代わる抑制解消策をご説明ください。
質問2; 連携線容量拡大で出力制御が解決できる理由を、分かりやすくご説明ください。
宛先リスト (敬称割愛)
公開質問先 (回答責任者)
1 武藤容治 経済産業大臣
2 村瀬佳史 経産省資源エネルギー庁長官
準公開質問先 (準回答責任者;系統制御実施責任者 )
3 池辺和弘 九州電力代表取締役社長
4 芦谷 茂 中國電力取締役会長
5 宮本喜弘 四国電力社長
6 松田光司 北陸電力社長
7 榊󠄀原定征 関西電力取締役会長
8 林欣吾 中部電力社長
9 小早川 智明 東京電力社長
10 石山一弘 東北電力社長
11 齋藤晋 北海道電力社長
12 本永浩之 沖縄電力社長
準公開質問先 (系統ワーキンググループ委員等)
13 馬場旬平 東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授 座長
14 岩船 由美子 東京大学生産技術研究所 教授
15 後藤 美香 東京科学大学環境・社会理工学院 教授 委員 委員
16 坂本 織江 上智大学理工学部機能創造理工学科 准教授 委員
17 原 亮一 北海道大学大学院情報科学研究院 准教授 委員
18 松村 敏弘 東京大学社会科学研究所 教授 委員
19 宮川 暁世 日本政策投資銀行産業・地域調査部 部長 委員
20 山口 順之 東京理科大学工学部電気工学科 教授 委員
提案内容と回答結果に大きく影響を受ける団体
21 山口 悟郎 太陽光発電協会代表理事
22 秋吉 優 日本風力発電協会代表理事
23 斎藤 保 NEDO理事長
24 寺澤 達也 日本エネルギー経済研究所理事長
25 孫 正義 自然エネルギー財団 会長
26 一木 修 株式会社資源総合システム代表取締役
27 坂越 健一 一般社団法人エネルギー情報センター(EIC)代表理
再エネが崩壊しつつある現状を、新聞社の紙面を通して監視し、レポートしよう
28 読売新聞 29 朝日新聞 30 毎日新聞
31 日本経済新聞 (日経新聞) 32 産経新聞 (産業経済新聞)
再エネが崩壊しつつある現状をテレビ画面を監視し画面を通してレポートしよう
33 NHK 34 日本テレビ系列 35 テレビ朝日系列 36 TBS系列
37 テレビ朝日系列 38 テレビ東京系列 39 フジテレビ系列
目 次
1st;太陽光発電を克服
前編;出力抑制は太陽光の特性が原因
後編;太陽光の抑制対策
2nd;洋上風力を全面的に生かす
3rd;脱炭素化を実現
4th;理想的再エネシステムを世界に‼
1st;太陽光発電を克服
前編;出力抑制は太陽光の特性が原因
(1)第1特性「南中時を目指しタケノコは上へ上へと伸びる」
(2)30年頃に、タケノコの成長で、一斉に、正午に、供給過剰
(3)北海道から沖縄まで、正午に、太陽光で最大発電
(4)瞬時瞬時、連携線といえども、同時同量が必須
(5)経産省の陰謀①「連携線容量拡大で抑制解消」
(6)経産省の陰謀②「海底ケーブルの連携線で抑制解消」
(7)23年、24年抑制実績
(8)2030年頃に再エネ崩壊の危機
(9)発電業者は利益を出せるか?
(10)2030年以降に、再エネの世界に何が起きるか?
(1)第1特性、「南中時を目指して、タケノコは上へ上へと伸びる」
「タケノコシンドローム」と命名
太陽光の第一の特性に、「導入容量が増えると、発電量は南中時を目指して、上へ上へと伸びきった「タケノコ」は、「天井」(平均日需要)を突き抜け、更に伸びると、屋根(ピーク日需要) も突き抜ける。突き抜けた「タケノコ」は切らざるを得ない。
出力抑制発生原因の全てが、このタケノコシンドロームにある。しかし、悲しいことに、我が国にはタケノコの認識もタケノコ狩りの必要性も対策も全く存在しない。
現在(25/1)までに導入された太陽光は77GW程度であったが、電力各社が受付ている検討申込が37GW、承認済23GWもあり、それが稼働する30年までに、タケノコは2倍近く成長する。風力も130GWも受け付けているが、導入に10年近く要するので、30年頃にはまだ本格稼働には至っていないと思われる。
(2)30年頃に、タケノコの成長で、正午に、一斉に、供給過剰
①地域別季節別に、正午の供給過剰となる需要量
供給過剰と判断される正午の需要量を、地域別季節別に、電力各社の需給実績から調査した。4月~6月を春、7月~9月を夏とし、土、日、祭日を除く平日の正午需要の平均値を、その期間の抑制限界値とした。期間の最大値ではないことにご注意ください。東京は4,600万kWを超えないと、夏の過剰と判断しないが、北陸は400万kWで過剰となる。同じ東京ででも、春は3,280万kWが限界値となる。
②2030年頃の再エネ種別毎の容量想定
受付中には検討申込と承認済が有るが、その内検討申込は、接続不可能の判定で全面的に停止となる事が有るので、予測には使用できない。承認済は3年以内に稼働するので、信頼度は高い。30年の容量予測で、太陽光は接続済+承認済×2.5、風力は接続済+承認済、その他はバイオの接続済み+承認済×2で計算した。
計算結果を見ると再エネの全容量は、現在(25/1)の1.54倍、太陽光は1.75倍になる。
30年になっても太陽光の占める率は70パーセントもあり、太陽光対策が重要である。
③倍率=(供給量÷最大需要)を求めるまでの手順とその結果
ステップ①;太陽光と風力の季節別発電量を各地の実績を参考にして、再エネ出力を季節 別に計算する。
太陽光と風力の単位当たり発電量は、地域と季節によって大きく異なる。地域の需給実績から、季節別に調整する。例えば、東京の太陽光は、夏の発電量は冬の2倍になる。しかし、風力は、夏に最低の発電量で冬の3分の一位に落ち込む。
ステップ②;火力最低出力、揚水発電(マイナス値)、原発出力を再エネ出力に加算する。
各社の実績から、火力の最低出力、揚水発電、原発の出力を設定する。
東京の場合、1,381-500+370 = 1,251となる。
ステップ③;地域別季節別抑制限界需要量をステップ①+②で割って倍率を求める。
下の計算結果表を見ると、関西と沖縄のピーク日以外の全てで1以上の倍率となっている。1を超えているという事は供給量が限界需要、即ち供給過剰超えと成っていることが分かる。尚、全社率の求め方は、全域の供給量の合計値÷全域の限界需要で求めたもので、1を超過していれば日本全体で供給過剰だと判断できる。30年頃は平日晴天日は1年中供給過剰となり、需要の少ない土日や休日は、平日よりもやや多めに、供給過剰になると判断できる。
30年頃には、北から南まで、需要の少ない春秋は勿論、需要の多い夏と冬の正午でも
再エネで需用を超えて供給過剰になる事が証明された。
'④倍率の意味する天気の内容
倍率は電力会社の供給全域が快晴の場合を想定して計算しているので、供給域の一部が曇りや雨で
あると、再エネ発電の供給量は少なくなる。少くなったとしても高倍率であると供給過剰になる。
その倍率と供給過剰の状態を倍率で表示した。
倍率が2.0倍以上になると全域が悪天気でも、供給過剰になる事を意味している。太陽光は雨の時は出力が少ないが、風力はお構いなく供給過剰になることも有るので、要注意である。
⑤現在と、30年の稼働をグラフで確認
再エネの中で60パーセントを太陽光が占める我が国の2030年頃には、
少々の悪天候でも、太陽光で需要ラインを数倍も超過する。
30年に向けて伸びるのは、太陽光の需要を超えた部分‼
(3)北海道から沖縄まで、正午同時に、太陽光で最大発電
日本列島は東経130度から145度(除く沖縄)に位置しているため、太陽が北海道の東端根室の上空に来てから1時間後に、西の端の九州平戸の上空に来る。つまり、日本列島は太陽光軌道の1時間の範囲にある。実際に、下図右は2020年5月3日の電力各社の電力需給実績から作成したグラフである。このグラフを見ると、沖縄以外はほぼ同時刻に最大発電量になっている。
ドイツやフランスは陸続きの隣接国が7~8か国もあり、供給過剰分を隣接国に引受て貰っているので、出力抑制が極めて少ない。我国は陸続きの隣国が存在しな事が抑制多発の原因の一つになっている。
(4)瞬時瞬時、連携線といえども、同時同量が必須
"連携線容量拡大で抑制解消"は"再エネ潰の経産省陰謀"を証明
①23年1年間の全連携線の稼働実績
下図は23年1年間の電力会社毎の電力需給実績に掲載の需要量と連携線利用量を集計した表である。連携線の値が赤字は、供給過剰のため外部へ放出したことを、黒字は不足のため他社から取込んだ事を表している。赤の全電力合計値と、黒の合計値はほぼ同じ量(同時同量)で、差分の+2,158(3.4%)は、送電ロス、周波数変換ロス等で生じたものと思われる。
この表が表している重要な事は、供給過剰量(赤)と不足分(黒)が同量である事、即ち連携線内で同時同量が成り立っている事を証明している事である。受取側の中央3社の内、東京の受取量は60パーセント、原発全基停止中で供給力不足に陥った事が原因で外部に依頼している訳である。東京は原発事故で日本中に迷惑を掛けたが、再エネでは貢献していることになる。東京の不足のお陰で、東北は自社需要の半分の量を東京に供給し、大量に出力抑制から逃れている。
九州も、東北並に連携線に乗せたかったが、再エネ導入最低の関西が、原発稼働が最多のため、供給力はほぼ間に合っていたので、九州からの支援は多くを必要としなかった。
30年までに再エネ、特に太陽光がGX(グリーントランス)に押されて2倍近く増加し、東京、関西、中部の原発再稼働で、供給力不足だった中央3社も、他所の支援は不可能となる。その時連携線は機能しなくなる。
②1年通しても同時同量が成り立っている。
前頁の表を連携線表記すると、下図のようになる。
下図は上表の連携線使用量だけを図式化したものである。
図では電力会社毎に箱で表示し、電力会社名の真下にある数字が、電力各社の電力需給実績表に掲載された連携線欄の1年間の合計利用量である。数値が黒字であれば、不足していたため「外部から取り込んだ」ことを意味し、赤字であれば供給過剰で「外に放出した」ことを意味する。
例えば関西電力は6,859GWh不足であったので、外部から取込んだ。取込先は中国から22,980(以下 単位は省略)、北陸から102取り込んで不足分を補充し、余った16,223は中部へ送った。
中部では中部の不足分14,837を関西からの16,223で補充し、残り1,386を東京へ、東京の不足分38,470は、東北と中部からの合わせた36,318で補った。東京の差分2,158(5.6%)は、送電ロス、周波数変換ロス、直行変換ロス等と考えられる。電力9社間で同時同量が成立していることが証明された。
数年後に、中央3社も、ほぼ毎日、供給過剰になる。 その時は、連携線内で受取り手が居ないので、連携線は機能停止。 また、連携線の容量を増やしても、供給過剰の解消に役だたない。つまり、連携線容量拡大は抑制解消とは無関係であると証明された
③24時間のどの時間も、電力9社間で同時同量
下図は23年6月4日の24時間に連携線に流れた電気は、同時同量が成り立っていることを証明した図である。常時プラス側だったのは、中央3社の東京、関西、中部で、マイナス側だったのは東北、九州、四国、北陸の4社、プラスとマイナスの両側に動いたのは北海道と中国だった。プラスの合計値とマイナスの合計値に各時間とも数パーセントの誤差は有った。
④どの時間を見ても、同時同量が成り立っている
24時間中の特定の時間、例えば12時に流れた量を図に表現したのが下図である。
東京のところで3.8パーセントの誤差が有るのは、送電ロスや周波数変換ロス等であった。
⑤連携線容量拡大は、出力抑制解消に役立たなかった
6月4日に6電力で出力抑制が発生した時、連携線は能力一杯に使われていただろうか? 連携線に乗せられた量が連携線容量の何パーセントを使われたか、下の表にまとめた。 最大利用率が79.4%、最低は3.8%。
連携線容量を増やせば抑制が解消出来るというは甚だしい誤解である。
中國は太陽光が724MWh抑制されているが、連携線にまだ余裕が在るにも拘らず、送られなかった。 経産省の系統ワーキンググループは抑制解消として、連携線増強計画にやたらと力を入れているが、その計画は全く意味の無い事を、23年の結果から学んで欲しいものだ。また、某エネルギー財団も馬鹿の一つ覚えで、系統を増やせば脱炭素が可能と、財団主催のセミナーなどで誠しやかに主張しているが、この財団はエセ学者の集まりであることが証明された。
(5)経産省の陰謀①「連携線容量拡大で抑制解消」
連携線容量拡大で、出力抑制が解消出来ると大嘘を、
まことシャカに公開((23/3/14)「再エネ出力制御見通」)
何の説明もなく「系統対策結果抑制率が改善できるとしている。
(6)経産省の陰謀 ②「海底ケーブルの連携線で抑制解消」
東京も数年後には1年のほぼ全日、供給過剰になる。
そんな時、東京も、他所の電気を受取る余裕はない。
国税6~7兆円を無駄遣いするな‼
レジリエンス(resilience)とは、「回復力」「復元力」「耐久力」「再起力」「弾力」などと訳される言葉で、「困難をしなやかに乗り越え回復する力(精神的回復力)」を意味するそうだ。簡単に、平凡な言葉で言えばバックアップ力だ。
地震などの大震災で送電線の鉄塔がバッタバッタと倒れて、連携線が使えなくなった場合に、海底ケーブルの連携線なら使えるだろうと、甘い期待で海底にケーブルを引こうとしている。バックアップを強化する前に、本格的に抑制解消に努力すべきである。
(7)23年、24年抑制実績
①23年、24年出力抑制激増の実績
連携線の容量拡大で出力抑制は解消出来ると経産省の主張にも拘らず、年々抑制回数は増加している。
21年度は全国計で12回だったのが、22年度に急増し124回となり、23年度以降は312回、24年度424回と増加を続けている。
連携線容量を増やしているのに年々確実に抑制回数が増加し続けている
②激増の原因は?
原因①太陽光の「接続可能量」を超えた導入量となった
2011年東北大震災で日本の全原発が停止していた頃の2016年に設定された地方電力7社の太陽光の「接続可能量」を遥かに超えた事が、第1の抑制発生原因である。中でも九州の超過率は原発と合わせると、需要を2倍近くも超えている。未稼働だが受付ているもの全てが稼働したら、「接続可能量」の超過率は原発と合わせると、3倍近くになるので、その時の抑制回数は驚くほどの回数となる。
原因②原発再稼働で再エネ導入の余裕が狭まった
2016年に設定された時は原発の稼働は全く考慮に入れられてなかった。しかし、23年以降原発は3電力しかし、23年以降原発は3電力で10基稼働し、996.8万kW太陽光を底上げした。底上げされた分が需要超過となり易くなった。更に、24年以降も8基、794.2万kWが稼働することになったが、その中でも関西は4月早々に高浜の2基を稼働させ、合計659万kWとなり、関西も供給力不足から供給過剰グループの仲間入りとなった。
このグループ変更により、地方の過剰分を受取って貰える量が少なくなり、少なくなった分、抑制が増えた。2重の増加原因を作り出したのである。原発が稼働した分、再エネの出力抑制が増加するのは明確な事実であるが、経産省はその対策を何ら提案していない。まるで、再エネ潰しを狙って原発を再稼働させているようだ。昨年1年間で5回しか発生してない関西で、4月と5月の僅か2カ月だけで15回の発生は、正に原発を7基フル稼働6,580MWhが原因である。4月の初めは4,500だったが4月8日から徐々に出力を上げ、4月27日には6000超となり、6月初め迄6,000代は続いた。5月1日~7日までの7日間の原発出力は6,580まで高まり,これまでは供給力不足の関西が供給過剰になり、5回も抑制となった。この7日間だけの原子力占有率は55.5パーセントも占め、正に原発様々、再エネは僅か26.5パー。最悪はこれまで関西は中央3社として地方の過剰分受取役を果たしていたが、その役割を放棄で、地方の抑制が激増することになった。連携線機能が半減させ、抑制激増時代へ突させた。
(8)2030年頃に再エネ崩壊の危機が襲う
①2030年頃の再エネ制御の問題点
★上に、上に伸びる太陽光発電、対策無し
★原発稼働で太陽光底上げで需要超過、対策無し
★正午に北から南まで一斉に供給過剰、連携線機能せず
★大量の洋上風力はこの時点では稼働せず
②2030年頃の地域別再エネ容量
(2)の②で予測した30年頃の再エネ容量を使用して30年の再エネ化率等を予測する。その為に、30年の再エネ容量は、25年1月時点の容量12,489万kWの1.57倍の19.570万kWを使用する。その時、太陽光は68.5パーセントも占めており、太陽光の影響が系統制御に強く出て来ると思われる。
③30年頃の再エネ化率や抑制率を予測する方法の概要
★過去の再エネの発電実績に、将来の再エネの伸び率を乗じると、同じ天気であれば、正確な発電量が求められる。
★求めた再エネ発電量に対してその時の需要と火力などのその他発電量とを、時間毎に同時同量を成立さながら、出力抑制処理を図りながら、将来の再エネ化率や抑制率が求まる、
★予測は電力会社単位に行うので、連携線は他社が受取可能かどうかで、結果に大きく左右するので、注意が必要である。
★連携線に関しては、30年の少し前から、正午の時刻に、北から南まで一斉に供給過剰になるので、連携線は機能しなくなることに注意。
下表は某電力の2023年4月1日の電力需要実績です。
(時間毎に同時同量が成立していることが重要)
③電力会社別に1年間の稼働計算手順
手順①;予測する地域の過去の需要実績年度の再エネ容量と、予想する年度の予想再エネ容量の倍 率を求めて置く(電力需要に伸び率を適応することも可能)
手順②;再エネごとの倍率を該当実績値の全てに乗じる
手順③;原発やその他の再エネが将来に稼働する場合はその時間当たり発電量を実績に追加する
手順④;時間毎に需要から新発電量の合計値を差し引きする。結果の値とその時間の火 力の出力を 合わせて新火力とする。
手順⑤;新火力の出力が最低出力より少ない値は最低出力値に置き換える。
手順⑥;⑤最低出力に置き換えたあとの過剰分を揚水発電で吸収しても吸収しきれない場合は、 連携線経由で供給力不足の地域に送電するのだが、30年頃はほぼ全日他所も供給過剰 になっているので連携線は使用できない。
手順⑦;⑥過剰分を太陽光と風力に割振る前に、安全率(九州電力は48パーセント)を乗じ、 太陽光と風力の発電量に比例して割り振る。
手順⑧;月別、電源別に集計、集計後、再エネ化率、抑制回数を集計する。
④計算結果、 2030年頃の地域別、月別抑制回数
電力10社中6社が、昨年の九州の年136回より多い年200回以上の抑制回数となった。 最多は東北と九州で、359回と335回。最少は、沖縄を除いて関西、83回である。
抑制率も膨大、東北の太陽光で77.8パーセント、風力が74.6パーセントと、利益捻出は愚か、事業継承も不可能な値である。ローン支払い後、10パーセントの利益確保は困難な中で、沖縄以外は赤字となる。
⑤24年度の抑制実績から予測手法の信頼性検証
24年の1年間に我が国の太陽光は343万kW増加して、24年度末には7,726万kWになった。年度末の各社の導入済容量は下表のとおりである。
電力各社の季節別正午の抑制限界需要と再エネ出力との倍率は、下表のようになる。この表を見ると夏冬のピーク日は全社率では1.0以下である。東北、中国、九州でピークでも過剰になっているが、1.0以上であるが超過分は、1.0以下の所が受け取って暮れるので、抑制処理は必要無い。但し冬は0.93と1.0に近いので、需要の少ない時は抑制される危険性はある。実際、九州では冬の3カ月で35回も抑制されている。
24年度の春秋平均日の全社率が1.0以上であるので抑制発生環境にある。実際、春の3、4、5の3ヶ月間に255回の抑制となった。秋の、9、10、11の3ヶ月は春より少ない81回の抑制となった。年間通して倍率の高かったのは九州と東北と中国であったので、実際の24年度の抑制回数は多かった。但し、東北と北海道は回数がやや少ないのは、隣の東京が超過分を可なり吸収したと推定している。
発生実績と最大需要の倍数は、将来の抑制回数を予想するのに正確に利用できることが実証された。
⑥30年度目標再エネ化率36~38パーセントは不達成!
太陽光の容量は70GWから131GWの1.8倍に、風力は6GWから29GWの4.8倍に増強されたのに、国全体の再エネ化率は22.7パーセントから31.6パーセントへ、8.9パーセントしか伸びていない。国の30年達成目標の36~38パーセントは達成できず、儚く討死である。しかし、伸びたのは国全体の出力抑制率で、太陽光が31.06パーセント、風力が37.28と高くなってしまう。
この抑制率では再エネ崩壊で、社会問題として騒ぎ始めるだろう。
(9)発電業者は利益を出せるか?
発電業者は投資目的で太陽光発電事業を始めている。投資が目的だから、利益をしっかり確保することが最大の関心事である。通常、太陽光発電事業はパネルの購入はローンを組んで支払っている。ローンは15年で組まれているそうだ。15年間は。利益は10パーセント程度だが、FIT制度では20年間は売電して貰えるので、16年目から20年までは返済が無いので、収入=利益となるそうだ。
下図は2015年ら始めた太陽光事業の収入と利益の関係を図式化したものである。黄色はローンの支払で、ピンクは利益を表している。黄色の下のピンクは、ローン支払後の利益10パーセントを意味している。発電業者はこの15年間に利益が確保できるかが最大の関心事になっている。 天気のいい日が続くと10パーセントの利益確保は可能だが、雪が積もったり、台風シーズンなどは利益確保は困難である。赤破線は固定価格買取で買ってもらった時の売電収入を意味している。固定価格で買い取ってもらっていれば、15年後の5年間は大量の利益が転がり込んでくる。
1MWの太陽光発電所を2015年から29円で開始していた場合、ローン支払15年間は毎年400万円の利益で、ローン終了後の5年で2億円の利益が得られることになっていた。しかし、昨年23年度の出力抑制実績から推測すると、返済期間に400万円だった利益が80万円程度に減額になった。これは年間平均値だが、抑制率の高い4月、5月、10月、3月は赤字の可能性が高い。更に問題は、30年に向けて抑制率は高まり、九州と東北は年間通して77.9と62.8パーセントの抑制率となる。これだけ抑制されれば期待していた2憶円は数千万で終わってしまう。更に、ローン返済完了と同時に来るのがパワコンの寿命切れだ。パワコンの法定耐用年数は17年なので、丁度、ローン終了時期と重なる。利益は全くの期待外れとなるので、新しいパワコンに買い替える余裕は出ない、買い替えなければ発電量も落ちるので、今後発電が継続できない。発電出来なければ、パネルを廃棄しなければならないが、その費用も出せない。それなら早めに夜逃げするしかない。 30年頃には、業者の夜逃げが増え、社会問題になるだろう。結局再エネは経産省が仕組んだ陰謀だったのか?再エネが潰れれば、原発で脱炭素するしか無くなるからだ。
2024年度1年間の、発電事業者の倒産及び休廃業・解散(廃業)を合わせると、過去最多となる52件が市場から消滅した。倒産に至った原因の詳細は不明だが、1年12回のローン支払いの内、抑制率が10パーセント以上の抑制率が数回発生しており資金繰りに苦労していると、九州の発電業者が嘆いていたのは事実である。九州に限らず日本全国の太陽光発電業者たちは将来を非常に不安になっている。
中には、経産省が適切な対策を施さずに国民を騙したとして告訴すると騒いでしる業者も多い。
(10)2030年以降に、再エネの世界に何が起きるか?
💀出力抑制未解決のまま、30年に突入すると💀
①日本の殆どの地域で、太陽光発電業者倒産続出
②後続の洋上風力も共倒れ
③パネル放棄で夜逃げの発電業者激増
④連携線容量拡大で国民を騙した経産省が詐欺罪で訴えられる
⑤💀 再エネの失敗で技術大国日本が世界の笑い者に 💀
⑥💀 40年度エネルギー計画も無残な結果に終わる 💀
経産省の出力抑制解消策に欠けてるもの
①供給過剰の最大原因の太陽光対策が全く存在しない
②原発は、太陽光を底上げさせるのに、原発に対する対策が存在しない
③正午に一斉に供給過剰になる事を認識していない
④洋上風力大量稼働しても、殆どが抑制対象になる認識に欠けている
⑤脱炭素で火力発電が無くなると調整力が無くなる。その対策無し