蓄電と放電のシミュレーション
ダブル蓄電方式の問題解決を検討する
(蓄電池容量の縮小化は可能か?)
(1)ダブル蓄電池方式の問題がどの程度解決できるか
ダブル蓄電池方式の問題は「蓄電池の容量が2倍必要となる」ことである。
数理モデルでは「縮小化は可能である」ことは見えてきた、
実際のシミュレーションで、現実に近い形で検証する。
シミュレーション環境の設定
①太陽光発電環境の設定
年間最大発電日が2日連続し、その後やや少なめの日の後、発電無しになった場合
②太陽光発電装置
太陽光発電装置の容量 = 10,000kW
5分間の最大発電量 = 833kW ( = 10,000 ÷ 12)
一日の最大発電実績 = 73,600kW
ダブル蓄電池方式での蓄電池容量 = 73,600 × 2 = 147,200KW
ハイブリッド方式の場合の各蓄電池の容量 = 5,000kW
シミュレーションでのハイブリッド蓄電池の構成
ダブル蓄電池方式とは ‼
★前日発電した電気を24時間かけて放電すると、翌日発電分の蓄電処理との並行処理が必要となる。
★並行処理を最も簡単に行う方法は、蓄電池を2つ並べて一つは蓄電、もう一つは放電と役割を決めて、放電終了時に2つの蓄電池の役割をチェンジする方法である。
★2つ並べた場合、一つの蓄電池の容量は一日の最大発電量を保存できる容量が必要なため、二つ合わせると一日の最大発電量の2倍の容量が必要となる。
★現時点では蓄電池のコストは膨大である。膨大な蓄電池を二つ並べることは不可能になる。
①の詳細(5分間隔)
SW制御部で5分間隔に蓄電池①と②の蓄電量をチェックして、
必要に応じて蓄電すべき蓄電池、放電すべき蓄電池を選択し
蓄電池切り替えの制御を行う。
③太陽光の発電量と放電量の設定
④4日間の発電のグラフ化
⑤蓄電池の容量の変化を可視化
24時間放電をしながら、日中に発電で新たな電気を蓄電した場合、蓄電池に蓄電されて
いる電気の容量はどのように変化するをグラフ化した。
このシミュレーションから分かったことは、蓄電池容量は最大
94,253kW
あればよいことである。この容量は、一日の最大発電量の2倍
73,600kW × 2 = 147,200kW
以下である。
⑥シミュレーションの詳細データー
蓄電と放電の切り替えチエックは5分間隔で行うが、表示は1時間間隔で行った。
5分間隔の詳細は別途表示している。
蓄電池切替の仕切値(蓄電上限値)は49,167kWとした。(上限値を超えたら切り替える)
凡例
蓄電
放電
初日
・両蓄電池は空っぽの状態から始まる。
日の出とともに太陽光発電が開始すると、その発電分を1号蓄電池に蓄電する
・12時5分に1号機の蓄電量が仕切値49,167kWを超え49,245kWになったので、
2号機を蓄電専用に切り替える。(右蘭の①の詳細参照)
・切替後は、新たな発電分は2号機に蓄電する。
日没で発電停止すると、両蓄電池の蓄電量は0時まで蓄電量は変化しない。
0時から、初日に発電した分(73,600kW)の放電を1号機から行う。
1時間当たりの放電量は、73,600kWの24分の一で3,066.7kWである。
2日目
・初日の発電分を1号機から均等に放電を続け、日の出時刻の5時過ぎから2日目
の発電分を2号機に蓄電する。
・9時25分に2号機の蓄電量が仕切値を超える(右蘭の②の詳細参照)ので、蓄
電を1号機に切り替える。
と同時に、1号機から放電していたものを2号機からの放電に切り替える。
・1号機への蓄電と2号機からの放電を続けていたが、13時5分に1号機の蓄電量
が仕切値を超えた(右蘭の③の詳細参照)ので、2号機への蓄電に切り替える。
1号機は放電となる。
・14時50分に2号機への蓄電量が仕切値を超えた(右蘭の④の詳細参照)ので、
1号機への蓄電に切り替える。
3日目
・同様に3日目の発電分の蓄電と、2日目の放電を続ける(右蘭の⑤の詳細参照)
・同様に3日目の発電分の蓄電と、2日目の放電を続ける(右蘭の⑥の詳細参照)
4日目
・4日目は発電ゼロのため前日分の放電だけ行う。
・21時に1号機が蓄電下限値を超えたので、放電を2号機に切り替える。
・2号機に切り替えるも、2号機も下限値を超えているのでまた1号機に戻る。
総括
・1号蓄電池の最大蓄電量は2日目の13時5分の49,699kWであった。
・2号蓄電池の最大蓄電量は2日目の9時25分の49,541kWであった。
・1,2号機合わせた最大蓄電量は、2日目の16時00分の94,253kWであった。
②の詳細(5分間隔)
③の詳細(5分間隔)
④の詳細(5分間隔)
➄の詳細(5分間隔)
⑥の詳細(5分間隔)