系統接続先変更のメリット

HBBS使用で、

電力系統接続点が変わり、工事負担金が激減する

超高圧変電所への接続の工事負担金が57億円軽減した。

Ⅰ.発電業者にとって、HBBS使用のメリット


(1)同時に、出力抑制が皆無になり、天気通りに発電出来る。

九州地区でHBBS無しで稼働しているPVは、

年間の売電収入が20パーセント以上減少する。

(2)HBBSを使用すると南中時の発電量が3分の一~4分の一に下がるため、

PVの電力系統接続箇所が変わる。

接続電圧が下がることと、接続箇所までの距離が短くなることで

系統接続負担金が大幅に下がる。

(2MW以下は同じ配電変電所内のため距離による費用が下がることは有りません)


①PVの接続ルール

PVの容量(最大出力)に従って、電力会社の系統の接続場所が決まっている。

接続ルールを図にすると図10.20となる。

(図10.20)

接続ルールを表にすると表10.21となる。

50MW以上の場合は超高圧変電所に15万4千kWボルトで接続する。

10MW~50MW未満の場合は、1次変電所へ6万6千ボルトで接続しなければならない。

同様に、2MW〜10MWは2万2千ボルトで中間変電所への接続となる。

50kW~2MW未満は配電変電所に6千6百ボルトで接続する。

50kW未満は柱上変圧器に100ボルト又は200ボルトで接続する。

(表10.21)

変電所個所数と接続距離の関係

超高圧変電所は日本全国で249ヶ所であるが、その内170ヶ所は都会地の中央3社の供給域に設置されている。残りの79ヶ所が地方28県に設置されている。従って中央3社に含まれない地方の超高圧変電所は、1県当たり、平均2.8ヶ所しか存在しないことになる。

県の面積と言っても北海道のような広大な面積の県もあれば、香川県のように狭い県もあるので一概には言えないが、超高圧変電所までの距離は、平均では10キロメートルから50キロメートルはあると考えるのは妥当であろう。接続のためにはその距離分の送電線を建設しなければならない。その建設には、高価な鉄塔が必要となり、その費用は1km当たり0.9〜3.2億円と電力広域的運営推進機関は「送変電設備の標準的な単価の公表について」で公表している。

10kmの送電線が必要であればその費用は9〜32億円となる。

発電業者は接続のための工事費は負担しなければならない。


②HBBSを導入すると接続先が変わる。その理由は?

HBBSの最大目的は、タケノコシンドローム*の解消であった。

HBBSでは、PVが発電したものは一旦蓄電池に保存し、翌日、24時間かけて均等に放電する。

一日24時間かけて放電すると、1時間当たりの放電量は、南中時の最大発電量の3分の一から4分の一に減少する(図10.22)

従って電力会社の系統への接続条件も、当然のことではあるが変わってくる。

この接続条件の変更を弊社独自に判断すると(表10.23)のようになる。

(資源エネ庁や電力会社の承認を得ていないことにご注意ください)

(表10.23)

新接続ルール(表10.23)について説明する。

・50kW未満は、PVSS導入前も導入後も接続先は同じ柱上変圧器である。

・50〜150kW未満は、PVSS導入後、50kW未満と同じ接続先に変更となる。

(変更のあるものは赤で編みかけしている)

・150kW~2000kW未満は、PVSS導入前も後も接続先は同じであるが、電圧が変わるため、変電設備等の容量が3分の一に変更となる。

・2MW~6MW未満は、3分の一すると2MW未満と同じ配電変電所接続となる。

電圧が変わるため変電設備等の容量が3分の一に変更となる。

・以下同様


③接続先が変わると導入費が安くなる

接続先変更で変わるもの

a.接続距離

1次変電所は、日本全国で661ヶ所しかないが、中間変電所は4,376ヶ所ある。

確率的に箇所数が増えると距離も近くなる。しかし、ケースバイケースで距離

が遠くなることもあるので要注意である。

距離は架空線と通信ケーブルの費用に大きく影響する。

b.電圧が3分の一~4分の一に減少することの影響

電圧が下がると、架空線、地中線、変電設備の引出設備、変電設備の変圧器な

どが大型から中型ないしは小型へ変更になることで費用に大きく影響する。

c.導入費用

電力広域的運営推進機関は「送変電設備の標準的な単価の公表について」で工事費負担金に

含まれる送変電設備の標準的な単価を公表している。

送変電設備の内、特別高圧設備については架空線・変電設備の引出設備と変

圧器・通信設備、高低圧設備については架空線・地中線について公表してい

る。その他の設備については、標準的単価としての公表はされていない。

設備費がいくら安くなるかのシミュレーション(距離と電圧に関連する設備費のみを比較する)

ケース1.12000kWの太陽光発電所の場合

1次変電所まで20km、中間変電所まで1kmと設定する。

シミュレーション結果

PVSSを使用すると18億円から69億円の範囲で設備費用が安く

なる。費用のうちほとんどが1次変電所と太陽光発電所の距離に関

連している。

(3)接続先変更でいくら安くなるか?

ケース2.6000kWの太陽光

中間変電所まで5km、配電変電所まで1km

シミュレーション結果

PVSSを使用すると2.5億円から5.7億円の範囲で設備費用が安く

なる。費用の違いは電圧の違いで設備費が違ってくることに起因し

ている。

ケース3.太陽光発電の設置場所が決まった後、発電所の規模を決めるときの参考

☆ 負担金計算のための変電所までの距離を想定

日本では、高圧になればなるほど変電所の件数は少なくなる。件数が少ないと変電所までの距離が遠くなるのは、確率論からもいえる。(たまたま、超高圧変電所の真下の場合は、超高圧の場合の距離が一番近くなるが、それはめったにある話ではない)

今、発電所候補地が決まったとする。

しかし、まだ発電所の規模を決めかねているとした場合、工事負担金の計

算を参考までに記述する。

発電所候補地と、各種変電所までの距離が分かっているものとする。

(図4.20)

超高圧変電所までは20Km、1次変電所までは10Km、中間変電所まで

は5Km、配電変電所までは1Kmとする。

(図4.20)

上記で想定した距離と電力広域的運営推進機関が公表している「送変電設

備の標準的な単価」を適用して変電所までの負担金を計算すると下表にな

る。

(図4.21)

この表の見方を説明する。

この表は表10.23[HBBS使用後の新接続ルール」と合わせて説明する。

●規模が150MW以上の時

150MW以上の場合は、HBBSを使用しても使用しなくても接続変電所は超高圧

変電所だが、接続電圧が下がるので使用機器コストが安くなる。

HBBSを使用しないときの負担金は83.3億円、使用する時は26.3億円になる。

従って、HBBSを使用すると負担金が57.0億円安くなると言える。この差額金で

高額の蓄電池を導入できることになる。

●規模が50MW~150MW未満の時

HBBSを使用しないときは超高圧変電所接続であるため負担金は83.3億円、使

用する時は1次変電所接続となるため負担金は13.2億円となる。

従って、HBBSを使用すると負担金が70.1億円安くなると言える。この差額金で

高額の蓄電池を導入できることになる。

●2MW~6MW未満の場合

HBBSを使用しないときは中間変電所接続であるため負担金は7.8億円、使用す

る時は配電変電所接続となるため負担金は0.5億円となる。

従って、HBBSを使用すると負担金が7.3億円安くなると言える。この差額金で

高額の蓄電池を導入できることになる。


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