蓄電池使用は、使用しない発電所より 大きな利益を生み出す
蓄電池(HBBS)を使用した発電所は、使用しない発電所より大きな利益を生み出す。
理由は、①蓄電池とソーラーパネルの一体化で、パワコン不要など、大幅コスト削減
②蓄電と放電の並行処理のハイブリッド機能で蓄電池容量33.5パーセント圧縮
③蓄電池とパネルにスケールメリット単価を適応
④太陽光の最大電圧が4分の一になるため系統接続の工事負担金が大幅に減少する。
・・・・・・
結果、HBBS使用者は使用しない者より大きな利益を確保でき、且つ、
FIT価格が4円程度まで耐えられる。(使用しない者は10円にも耐えられない)
将来は、太陽光は大型だけ生き残り、電気料金値下げに貢献出来る。
反対に、2MW以下の太陽光は、FIT制度から撤退し、自己消費に専念するのが賢明である。
(2018/12/18 掲載)
第1部 発電所規模別17年間の粗利益比較
(1)発電所規模別、HBBS使用の有無、17年間の粗利益算出
次期産業用太陽光のFIT価格は15円と予想されている。
15円になった場合、
☆蓄電池とパネル一体化で、直流結合などでパネルと蓄電池のコストダウンを実現する。
☆24時間放電時の蓄電と放電の並行処理を、蓄電池容量33パーセント減で実現する。
☆HBBS使用で最大電圧が4分の一になり接続変電所変更で工事負担金を縮小する。
☆大量生産可能なパネルと蓄電装置にスケールメリット価格を適応する。
☆HBBSを使用して、出力抑制による年収大幅減を防ぐ。
の機能を組み込んで、小規模から大規模までの8クラスの発電所に対して、パネルの減価償
却期間17年間の粗利益を、算出する。
計算結果は、純利益ではなく、粗利益であるため20~25パーセントが必要であることを
前提にして見ていただきたい。
(2)算出結果
①2MW以上の発電所は、HBBSを使用した場合の方が大きな粗利が出せる。
17年間の粗利益だけに注目すると、2MW以上の発電所は、すべての発電所でHBBSを
使用するほうが、粗利益は多く出せている。(図1)
(図1)
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②粗利益の内訳
FIT価格15円を想定した発電所規模別の粗利益内訳は(図2)の通りである。 (図2)
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200MWの発電でHBBSを使用すると、1,729MWの蓄電池を71億5200万円で購入しても、17年間で490億2400万円の利益を出し、HBBSを使用しない場合より280億円も多い粗利益が確保できる。
しかも、FIT価格が2.5円になっても利益を出すことが可能である。HBBSを使用しない場合は、FIT価格が6円になると利益は出せなくなる。
③利益が出る理由
粗利が出る理由を200MWのケースで説明する。
★ソーラーパネルから直流で蓄電するためパワコンが不要となり、パワコン分の
コスト削減を行い、かつ大量生産可能なパネルに対してスケールメリット価格が大胆に適応できるようになる。適応結果、パワコン込みのパネルと比較すると、パネル導入費は、HBBS使用の方が115 億円安くなっている。
★蓄電池は高い。その価格構成は蓄電部分と蓄電制御部分に分かれている。現在家庭用として普及している価格は10kWh程度が100万円前後で、1kWh当たり10万円程度となっている。その10万円は、蓄電機能が.3.6 万円で、 制御機能が1.8万円程度で、その他が4.6万円程度である。
HBBSでは大容量の蓄電池を使用する。家庭用の100倍から1万倍以上の容量が必要である。100倍とか1万倍というのは、蓄電容量であって、制御機 能は1組あればよい。従って3.6万円の100倍とか1万倍であって、10万円の 100倍とか1万倍ではない。
蓄電池と制御機能を分けることのもう一つのメリットは、蓄電機能は大量生産が可能であるためスケールメリット価格が適応しやすくなる点である。
スケールメリット単価を使うと、最初の価格は3.6万円でも、100個目は
3.2万円で、200万個目は41円と驚くほど安くなる。安くなっても蓄電池
メーカーは当案件だけで71億円の売り上げが得られ、且つ他にも未稼働案件
の7,800億円の需要に対応できることのメリットが大きい。
スケールメリット価格の適応が無ければ、だれからも買ってもらえない。
★24時間放電で太陽光の最大電圧が4分の一になり、接続変電所が同じ超高圧
変電所で使用する変圧器の価格が下がり、使用鉄塔が中規模から小規模鉄塔に代わり、工事負担金が、23億円安くなっている。
★HBBSを使用しない場合は出力抑制が発生し、収入が大幅に減少するが、ここ
では減少を少なめに20パーセント143億円減とした。(将来はもっともっと多くなる)
(3)粗利益から見えた将来
①発電所規模が大きくなればなるほど、粗利益は大きい。
「新エネルギー計画」の中で、最大課題を「コスト競争力」を高めることとしている。
この目標達成に一番効果のある方法は、発電所規模を大きくすることである。
我が国で現在稼働している太陽公光発電の平均容量は、61㎾と驚くほど小さい。この小ささがコストを高くした張本人である。
発電所規模を大きくすると、FIT価格4円以下でも耐えられる。最高のコスト競争力である。コスト競争力のために、100MW以下は許可しないくらいの大胆な政策が欲しい。
②FIT価格が2.5円程度になっても、HBBSを使用で利益は出せる。電気料金を下げるためにも早急に2.5円に移行すべきだ。
出来るだけ早い時期に、電気料金を世界のレベル以下の価格に下げてほしいと日本国民全員が願っている。電気料金を下げるためには発電コストの一番安い電源に切り替える必要がある。一番安い電源は、太陽光発電で、原子力の4分の一以下のコストで発電できる。
将来は、FIT価格2.5円でも利益が出せる100MW以上の太陽光発電に、すべてが切り替わることを国民は願っている。
③小規模(2MW以下)の生きる道は、自己消費しかない。
FIT価格がさらに低下することを考慮に入れると、小規模太陽光発電は、全量買取で利益を出すのは難しい。自己消費の方が利益が出る。したがって、自己消費専門に切り替える べきである。
④出力抑制頻発で再エネの人気は下り坂、このままいくと再エネは完全に消えてしまう。
出力抑制解消のためにHBBSを導入すれば、再エネの人気が復活するのは間違いない。
現在FIT認定受付済みで未稼働案件の容量19ギガ残っている。蓄電池メーカーとパネルメーカーにとっては、この19ギガのパネルとHBBS用蓄電池を販売出来ると2.4兆円 のビジネスとなる。この2.4兆円は3年以内に稼働させなければならない。
この19ギガの全てが稼働したとしても日本の再エネ化率は20数パーセントにしかならない。世界レベルの再エネ化率に追い越し追い越さなければならないが、その為には、19ギガの数倍をこなす必要がある。事業規模にすると、10兆円の事業となる。
第2部 算 出 根 拠 と 技 術 的 説 明
(1)現状の標準価格
現状の最低価格(弊社調査)
①パネル価格 家庭用は5万円/kW、産業用は3.5 万円/kW
②パワコン 2万円/kW
③導入諸経費 4万円/kW
④家庭用蓄電池 蓄電機能は3.6万円/kWh、制御機能1.8万円/kW、
⑤蓄電池導入等諸経費 4.6万円/kW
(2)パネルと蓄電池の一体化したハイブリッド・バッテリー・システム
(HBBS)の機能
①ハイブリッド・バッテリー・システム(HBBS)構成と機能(図2.1)
(特許第6408531号)「蓄電池制御方法及び装置並びにそれを用いた蓄電装置」
(登録日:成30年9月28日)
パネルで発電した電気は異端蓄電池に保存し、翌日の稼働開始時刻から24時間
かけて均等量で放電する。蓄電池の個数は任意で、合計容量が一日分の発電量が
保存できる容量である。
南中時の最大発電量と均等放電の放電量の差が3分の一から4分の一になる。
(図2.1)
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②パネルと蓄電池を直流結合
パネルで発電された電気は直流で出力される。蓄電池も直流であるため直接蓄電できる。
その為、パネルと一緒に使用されているパワコンは、HBBSでは不要となる。
不要の理由
(図2.2)
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③投資効果最大となる一日分の蓄電池容量決定(図2.3)
太陽光発電の一日分の発電量は、1年365日に対して365種類あると言っても過言
ではない。その発電量を大きい順に並べると図2.3のように、なだらかなS字カーブが
描ける。1日分の発電量を蓄電できる容量がHBBSには必要だが、年に数回しか無い容
量を準備するのは、投資効果の観点から好ましいことではない。
それではどの程度の容量を準備するか、どの程度カットしてもよいかを太陽光発電事業
計画時点で決定しなければならない。決定に影響するのは、FIT価格と蓄電池の単価であ
る。粗利益計算では数種類のカットラインを設定してライン毎に粗利益を計算している。
(図2.3)
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④蓄電と放電の並行処理を最小容量で行う(図2.4)
HBBSでは太陽光の南中時に集中する発電量を可能な限り少なくすることと、発電した
ものは全て翌日の24時間に放電しきる事を重視した結果、発電終了後の午前ゼロ時か
ら24時間かけて均等に放電することがベストであると結論付けた。
24時間かけて放電すると翌日の発電と重なる。蓄電池は同じ蓄電池で充電と放電を同
時に行うことは出来ない。
蓄電と放電を同時に行う一番易しい方法は、2つの蓄電池を並べ、日替わりで2つの蓄
電池の役割をチェンジしていく。最初の日は1号機を蓄電で、2号機を放電とし、放電
が終わった時に、1号機と2号機の役割をチェンジするやり方である。
このやり方は、2過分の容量が必要となる。
そこで、HBBSでは2過分の容量を1.33日分の容量で蓄電と放電の同時処理が出来る
ようにした。35パーセントの容量改善である。(図2.4)
(図2.4)
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⑤蓄電機能
蓄電池は高い。その価格構成は蓄電部分と蓄電制御部分に分かれている。(図2.5)
現在家庭用として普及している価格は10kWh程度が100万円前後で、1kWh当たり
10万円程度となっている。その10万円は、蓄電機能が5万円で、制御機能が5万円
程度である。
蓄電池の価格 (図2.5)
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⑥敷地の共有
HBBSを使用すると、ソーラーパネル用の敷地と蓄電池用の敷地が必要になる。
10MWのパネルには、10ヘクタール(10万平方メートル)程度の敷地が必要で
ある。
10MWのパネルには70MWh~100MWhの蓄電池を使用する。この蓄電池用の敷地
面積は、九州電力の 豊前変電所と東北電力の南相馬変電所の実例に照らすと、0.5~
1.7 ヘクタールが必要となる。
蓄電池専用の敷地を追加するのはコストがかかるので、一部のパネルの下に蓄電池を設
置する。つまり、一部のパネルは蓄電池の上に据え付けるという事になる。
(3)スケールメリット単価の適応
物を大量に買えば。1個当たりの単価が安くなるのは資本主義社会の常識。売る側も大量 に購入してもらえれば、販売手数料や在庫管理費や宣伝広告費が安くなるので、単価を下 げても損したという感覚にはならない。それこそ、「喜んで」安くさせて頂きますという
ところだろう。
商品をnパーセントの割引で、m個ごとにX回繰り返せば価格はいくらになるかは、中学生
でも計算できる。
商品価格を1個ごとに2パーセント割引きしたとすると、1個目はa円だが、2個目はa×0.98
になる。2個合わせると1.98×a円となる。同じことを繰り返すと10個目の価格は
a×0.98×9乗 となり、10個合わせた料金は
a×( 1+0.98×1乗+0.98×2乗+0.98×3乗+・・・+0.98×9乗) となり、1個当たりの平均価格は上記金額を10で割った数字になる。
図2.6では、2パーセント割引きの場合、0.91464となっている。同様に、0.5パーセント
1.0パーセント、1.5パーセントでの平均価格はそれぞれ0.97797、0.95618、 0.93513とな
る。図2.6には10個の場合から400個の場合までが表示されている。価格が半額になるの
は、1パーセント値引きの場合は160個で、1.5パーセント値引きの場合は110個強、2パー
セントでは 80個で価格が半額に達成する。
ここでいう1個とは、パネルの場合は50kWでも80kWでもよい。価格にすると、750万円
とか1,200万円ごとに1パーセント7.5万円または12万円の割引となる。蓄電池の場合は
100kWhでも350kWhでもよい。同様に、価格にすると1,000万円または3,500万円毎に、
10万円か35万円の割引となる。
スケールメリット単価の割引率をメーカーが決めることになるが、その時、重要なこと
は、
①確実に適正利潤を確保するのは当然であるが、太陽光未稼働案件の19ギガの全てを
取り込めるような設定にすること。すべてを取り込めれば24兆円のビジネスになる。
②近い将来、電気自動車などで電力需要は拡大する。その拡大等で、当ビジネスは
200兆円は期待できる。そのチャンス獲得はスケールメリット単価設定如何になる。
(図2.7)
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(4)系統接続工事負担金
太陽光発電の電力系統への接続先変電所は南中時の最大発電量で決まっている(図2.10)
大規模発電は超高圧変電所に接続し、それ以下の発電所は1次変電所、中間変電所、配
電変電所となっている。また、国内にある変電所の数は高圧になれば数が少なく、低圧
になると数は多にくなる。数が少ないという事はそこまでの距離が長くなる確率が高く
なるという事である。
工事負担金を計算するため、モデル発電所から各変電所までの距離を想定した。(図2.8)
設定された距離を使用して負担金を計算する。(図2.9)計算は電力広域的運営推進機関
が公表している「送変電設備の標準的な単価」(図2.11~図2.15)を使用した。
計算結果は「系統接続工事の負担金額」 (図2.9)に表示した。この表には、HBBSを使
用した場合と使用しない場合を表示している。
HBBSを使用すると南中時の最大電圧は4分の一程度になるので接続変電所が1ランク下
の変電所に代わる。例えば、220MWの発電所で、HBBSを使用しない場合は超高圧変
電所接続であるので、工事負担金は、(図2.9)を見ると49.3憶円であるが、HBBSを
使用しても接続変電所は同じ超高圧変電所であるため工事負担金は26.3億円である。
しかし、160MWの発電所で、HBBSを使用しない場合は49.3億円であるが、HBBS
を使用する場合は接続先が1ランク下の1次変電所となるので、負担金は13.2億円と
なる。
モデル発電所 (図2.8)
工事負担金 (図2.9)
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(5)出力抑制による収入減
出力抑制による年間の売電収入減の度合いは、実際に抑制が発生している九州地区を例にして説明する。
出力抑制は、九州全体の太陽光発電量が多い時に必要となる。それは、九州全体またはそれに近い地域が晴れるときである。
九州地区の天気を観測している18か所の気象台で、正午に16ヶ所以上が晴れを観測した場合を全域が晴れとしたときの1年間の月別回数を調査した。(図2.20)
その調査によると年間で全域が晴れた日は94回であった。ほぼ全域(13ヶ所以上)が晴れる確率は38.5パーセントで,140日になる。
九州全区が晴れる確率 (図2.20)
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現在稼働中(807MW)に加えて、承認済(418MW)と接続契約中( 292MW)の全てが
稼働した場合の抑制回数を予測する。
全域が晴れたからと言って必ず抑制になるわけではない。抑制になるのは需要と発電量
に関係してくる。電力需要が多くかつ日射強度が弱い冬至前後月の12月と1月は、九
州全域が晴れても、抑制の可能性は少ない。電力需要の多い8月と2月は図4を見る限
りでは供給が需要を超過するまでにはなっていないので抑制は発生しない。
需要と供給の関係を考慮しながら年間の1発電所当りの抑制回数を計算すると45.3回と
なった。(図2.21の詳細説明は省略)
(図2.21)
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1発電所の抑制回数45.3回が、発電収入に及ぼす影響度を算出する。出力抑制は九州地
区全域が晴れた日に行われることから、発電量の最も多い日から抑制される確率は高い。
図2.22の一日の発電量を降順に並べたものから、残念なことだが、大きいものから順
(左側から順に)に消えて行く。45回も大きいものから順に消えて行くので、その合計
値は年間発電量の 20.8パーセントとなる。
収入減 (図2.22)
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近い将来、抑制による影響が更に大きくなる危険性がある。原因は、
①九州地区で玄海2号機55.9万kWが再稼働し、更に再エネ導入量が増えた場合。
②九州地区で再エネの自己消費増加や省エネ、節エネが進んみ需要が減少した場合。
③他電力会社の原発再稼働や再エネ導入が進み、彼らも南中時に需要超過で、九州
電力超過分引き受けの余裕がなくなった時。(次は、四国、中国、東北が抑制開始)
第3部 計 算 手 順 と 計 算 事 例
(1)計算手順
手順1;現状の価格体系を調べる
現状の最低価格(弊社調査)
①パネル価格 家庭用は5万円/kW、産業用は3.5 万円/kW
②パワコン 2万円/kW
③架台他 4万円/kW
④導入諸経費 4万円/kW
⑤家庭用蓄電池 蓄電機能は3.6万円/kWh、制御機能1.8万円/kW、
⑥蓄電池導入等諸経費 4.6万円/kW
手順2;蓄電池とパネルを一体化(HBBS)した製品の価格を決める
手順1の現状の価格から一体化製品の基準価格を決める。
①パネル基準価格 3.5万円/kW
②蓄電池基準価格 3.6万円/kW
③制御機能及び導入諸経費基準価格 5.0万円/kW
HBBSを使用しない場合の基準単価は次の通りとする。
④パワコン付きパネル基準価格 11.0万円/kW
⑤パワコンとパネル導入諸経費 4.0万円/kW
(図3.0)
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手順3;将来のFIT価格とその時の主製品の価格を決める
現在産業用太陽光のFIT価格は18円/kWであるが、次は15円と予想されている。
また、2030年には7円を目指すと資源エネ庁が発表している。
FIT価格を下げることが出来るのは、パネル等の価格が下がってきたから下げら
れるのであって、FIT価格が下がったからパネル等の価格が下がるわけではない。
FIT価格の変化につれて17年間の粗利益がどのように変化するかを見るために、
事前にFIT価格に対応するパネルや蓄電池の価格を設定しておく。(図3.1)
設定はFIT価格に比例して、パネル等の価格を減額した。
設定された価格はスケールメリットを適応する時の基準価格にもなる。
(図3.1)
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手順4;出力抑制の影響度合いを決める
九州電力の実績から2年後を予測した抑制頻度からの影響度、収入の
20パーセント減 を使用する。
(注)出力抑制の影響度は、最大80~90パーセントになる事もあり得る。
大きくなる原因は、前述の①~③によるものだが、更に④としてHBBS使
用者が増えると、HBBSからの24時間放電でベース電源が底上げされて、
HBBSを使用していない太陽光発電者は真っ先に抑制対象となる。
手順5;スケールメリット体系を決める
①一体化したHBBSのスケールメリット体系
★パネル
パネルが 30MWまでは1000kW毎に1.0パーセント減額
〃 40MWまでは2000kW毎に1.0パーセント減額
〃 60MWまでは3000kW毎に1.0パーセント減額
〃 100MWまでは4000kW毎に1.0パーセント減額
〃 200MW以上は5000kW毎に1.0パーセント減額
上記適応ルールを適応すると基準単価は図3.2 のようになる。
(図3.2)
★蓄電池
蓄電池が 30MWまでは 500kW毎に2.0パーセント減額
〃 50MWまでは1000kW毎に1.5パーセント減額
〃 120MWまでは1000kW毎に1.0パーセント減額
〃 120MW超過は2000kW毎に1.0パーセント減額
上記適応ルールを適応すると基準単価は図3.3 のようになる。
基準単価が3.6 万円/kWhだったものが、1.7ギガの容量の時は、
0.45万円/kWhになる。
(図3.3)
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★制御器および導入諸経費
蓄電池と同じスケールメリット率を適応する
②旧危機に対するスケールメリット体系
★パネル/パワコン
パネルの全てに対して1000kW毎に0.5パーセント減額
★据付等導入諸経費
スケールメリット適応無し、すべて一律に4万円/kWを適応
(注)スケールメリット体系は蓄電池メーカーやパネルメーカーが独自に作るもので、当サイトで掲載しているものは弊社独自の案であって、現実と食い違いがあると思います。ご了解ください。
(2)計算実例
10MWの発電所の場合を実例として説明する。
ステップ1 10MW発電所の1年365日の日別発電量を降順に並べてカットライン
を設定する。
カットラインとして、平均値の40,380kWh、50,000kWh、60,000kWh、
65,000kWh、カット無し(73,000kWh)を設定する。
一日の発電量 (図3.1)
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ステップ2 カットラインごとに、カット分発電量、24時間放電量、HBBS容量等を
計算する。
(図2.4)
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ステップ3 FIT価格に該当する蓄電池やパネルの価格を「FIT価格に準じた蓄電池等
の価格」(図3.1)から装置毎の基準地価格を取り出し、パネル容量と蓄
電池容量に応じたスケールメリット価格を計算する。
ステップ4 算出したスケールメリット価格を利用して、17年間の粗利益を計算す
る。
★FIT価格15円の時 (図2.4)
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★FIT価格12円、9円、6円の時の計算
計算結果は割愛します
★FIT価格4円の時
FIT価格が4円になっても利益が出ることを確認する。
HBBSを使用しないときはFIT価格15円でも赤字になる。
(図2.4)
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最後までご精読ありがとうございます。ご質問、ご感想、反論等
ozaki@smart-center.jpまで直接お送りください。