出力抑制無しで、

再エネ化率を100以上にするには、

新しい発想の制御技術が必要、

その制御手法は・・・・・!! (2022/2/28公開)

太陽光発電(以下太陽光)が60パーセント以上を占める我が国では供給過剰が起きやすいが、過剰分を切り捨てるだけの再エネ制御方式に頼っているため、大量の再エネ導入は出来ない。

この方式では、再エネ化率10パーセント位から出力抑制が発生し、30パーセント近くで、再エネ業者が倒産するほど出力抑制激増となる。日本の脱炭素化はここで終了となる。

それを避けるには、新しい概念の導入が必要である。それは「電気を貯めてから使用する」概念で、再エネ化の進捗に合わせた制御方式である。RE100までの進捗に合わせた再エネ制御は、次のステップが必須となる。

第1ステップ ;上に伸びる太陽光を、横に寝かせて抑制解消

第2ステップ;洋上風力は電力系統に乗せずに、即、液化水素で保存

第3ステップ;RE100を目指して、捨てられていた電気も保存して活用

第4ステップ;電力系統全体を再エネを貯める方式に変更


Ⅰ.現在の「供給過剰分切捨て方式」とは

★★★★切り捨て方式で再エネ化は崩壊する★★★★


(1)「切捨て方式」では出力抑制が激増する理由

総供給量(原子力+火力+ 総再エネ)が、需要量を超過した時、超過分を揚水発電と連携線処理し、それでも処理出来ない超過分だけが、発電禁止(出力抑制として切捨)となる。この処理は瞬時瞬時に行われる。

供給過剰になる時間帯は、日本の場合、太陽が真南に来る南中時の前後の時間帯と、電力需要が急激に落ち込む深夜の時間帯の2種類がある。前者の南中時には、太陽光と風力が、発電禁止になる、後者の時間帯は風力のみ禁止のため、風力は一日に2回発電禁止になる可能性が有る。

地政学的に日本は出力抑制が発生しやすい環境にある。

理由の①は、太陽光の比率が多いこと。現在稼働中の再エネの中で60パーセントは出力抑制が発生しやすい太陽光で、世界一の太陽光依存国である。太陽光は南中時に供給過剰になり易い特性があるため、日本全国で一斉に出力抑制になり易い。

理由の②は、同時同量の制御は電力会社単位で行っている。日本には電力会社は10社ある。10社の内7社は地方電力で、地方電力7社の年間需要の合計値は、東京電力1社に等しい。地方電力は非常に少ない需要の中で同時同量を成立させなければならない。四国、北陸、北海道は東京の10分の一の需要しかないので、導入可能な再エネ容量は、10分の一程度になってしまう。同じ再エネ容量でも、東京だったら何ら問題なく導入できても、四国や北陸ではすぐに供給過剰になってしまうのである。

フランスでは電力会社は1社しかないので、中々供給過剰にはならない、日本も1社にまとめていれば、九州の出力抑制は発生しなかっただろう。

理由の③は、日本列島は東経130度と145度の範囲に収まっているため、南中時が±30分の範囲に集中する。北海道から九州まで12時前後に最大発電になるため、連携線を利用して供給過剰分の処理依頼をしても、何所も供給過剰状態で、他所の分を引き受ける余力が無い。陸続きで連携している隣国もないため、海外に依頼することも出来ない。全国一斉に発電停止にせざるを得なくなる。


九州電力、過去3年間の月別発電量と年別抑制回数実績


九州本土では2019年から本格的に出力抑制が発生し始めた。 2019年度は再エネ化率は23.4パーセントであったが、抑制回数は74回、2020年度は再エネ化率は26.8パーセントで50回、2021年度(12月まで)は再エネ化率は26.8パーセントで98回(推定)と、再エネ化率は30パーセント以下で停滞しているのに、抑制回数だけは増え続けている(図1.1)。現在受付ている分が稼働し始める2030年頃には、抑制回数211回と推定している。

2021年度が、20年度の50回に較べると急増している理由は①稼働している再エネ容量が73~123万kW増え、月平均再エネ発電量が56GWhも増加したこと。理由②はエリア需要は月平均155GWhも減少しているのに、原発の稼働は月平均1,066GWhも増えていること。以上2点が主な原因である。

(注)現在(2020年度実績)、再エネ化率が30パーセントを超えているところは東北、四国、北陸の3地域が有るが、東北は東京に、四国は関西に供給過剰分も含めて大量に供給しているので、出力抑制とはなっていない。北陸は再エネ化率34.6パーセントとなっているが、再エネの大半が大型水力で24時間均等に電気を供給しているので抑制対象とはなっていない。


(図1.1)

九州電力の2021年4月実績

①4月1ヶ月間の稼働助教

4月1ヶ月間の出力抑制回数は、太陽光が21回、風力が8回のだった。(図1.2)は4月1か月間の稼働状況をグラフ化したものである。グラフを見ると1ヶ月の全日が需要ライン((赤破線))を超えているのが分かる。太陽光は導入量が増えると、南中をめがけて上へ上へと伸びる。まるでタケノコのように上に伸びる。弊社はこの現象をタケノコシンドロームと命名しているが、(図1.2)を見ると、まさに九州も見事にタケノコ現象が表れている。まるで竹林の如しである。

需要を超えた分は、まず揚水発電で処理して、残り分は連携線で外に放り出して処理をお願いしている。連携線の先で受取っているのは中国電力と関西電力で、3分の2は関西が引き受けている。

揚水発電と連携線で処理できなかった分が供給過剰として、出力抑制と言う事で発電禁止になる。グラフの中で白地の部分が出力抑制で捨てられた分である。

原子力部分の比率が多く、約半分(47.9%)を占めている。この原子力部分で太陽光が底上げされたので、需要ラインを超える確率が増えている。火力の比率も多く、約40%(38.9%)を占めているため、再エネ化率は13.2%にしかならない。


(図1.2

②4/5 ~ 4/7の詳細拡大

4/5 ~ 4/7の3日間のグラフを拡大して、詳細に見てみよう

3日間とも需要ラインを大幅に超過している。需要のうち約半数は原子力発電で支えられている。

火力発電は下げ代機能の限界まで下げているが、全火力を停止させれば供給過剰にはならなかったのでは、と単純な疑問を持ってしまう。何故、全発電機を停止出来なかったか?

停止出来なかった最大理由は、太陽光の終了後20時頃の最大需要を賄えるだけの供給力を保存しておかなければならなかったからである。火力発電機の全機を停止してしまうと、太陽光発電終了時の最大需要に供給する為に、新たな発電装置を立上げなければならないが、立上げるには5~6時間かかるので、時間的に間に合わなくなってしまう。

もう一つの理由は気象の変化にある。系統制御する場合、前日の内に翌日の天気予報を使用して、需要予測と発電予測を行い、その予測に基づいて当日の運転を行うが、予想が外れる事が有るので外れた時は火力発電の調整機能で同時同量を守っている。火力発電が少なくなると、調整能力少なくなるので、大きな変化に対応出来なくなる。最低限の火力は残しておかなければならないである。


(図1.3


参考までに、切り捨て方式のまゝで3年後の切捨て量は??

追加した太陽光312万kWは、抑制として切り捨てられ( 図1.4)白地が増えだけで、

再エネ化率は全く伸びない、投資した312万kWのコストは帰ってこない

(白地部分が増えるだけにご注目)


( 図1.4




Ⅱ.再エネ化の進捗に合わせ電気を貯め制御方式


第1ステップ;上に伸びる太陽光を、横に寝かせて抑制解消

♦♦太陽光発電所毎に一日の発電分を蓄電し、翌日24時間均等放電する♦♦


(1)3年後の九州の再エネの増加量

3年後に稼働する再エネは、現在稼働中と風力を除く承認済が稼働する。受付中の風力は殆どが洋上風力のため、稼働までに10年を要する。従って、3年後の稼働には含めない。

♦2021年4月の導入済再エネ容量 ⇒ 太陽光=1,029万W、風力=59万W、その他=343万kW

3年後の再エネ容量 ⇒ 4月の容量+12月までの承認済量(ただし風力は除く)

太陽光 ; 1,029+312万kW、風力 ;59万kW、その他 ;343 + 98万kW

♦3年後の連携線 ⇒ 日本の全域で、昼間は供給過剰になっているので、連携線の効果は無し。


)3年後の九州の稼働状況


3年後の姿( 図S1.1)を見て何を感じますか?

太陽光は需要曲線の2倍以上も超過している

東北電力では、風力も含めると5倍強にもなる



2021年4月1ヶ月間の出力抑制回数は、太陽光が21回、風力が8回だったものが、陽光が+312万kW、その他が + 98万kW増えたことで、3年後は出力抑制回数は太陽光が29、風力が18増加する。3年後には日本全国が太陽光が真南に来る南中時に供給過剰になるので、連携線が使えなくなることが背景にある。

経産省「出力抑制対策委員会」の出力抑制解消計画では、このような2倍以上の超過に対する解消策は全く考えていない。その計画では①系統制御のオンライン化②供給対策、火力の最低出力対策③需要対策④系統対策、系統容量拡大を挙げているが、全く期待できない。何故なら、同じような内容でこれまで何回も検討されたことが有り、効果が全くなかった実績があるからである。

計画の詳細は「経産省の再エネ出力抑制解消策は再エネ特性等の知識無し、抑制の深堀研究無し、・・」を参照下さい。スマートセンター (smart-center.jp)

経産省の出力抑制解消策で最大の問題点は、供給過剰最大の原因である「タケノコシンドローム」に対する対策が無い事である。この対策が無い限り、出力抑制の激増を抑える事が出来ないため、発電業者は売電収入不足で倒産地獄に陥る。発電業者がバタバタと倒産してしまえば、日本の脱炭素化も終わりになってしまう。


3年後の4月の稼働状況( 図S1.1


)上に伸びる全太陽光をHBBS適応で横に寝かせて太陽光の出力抑制完全解消


全太陽光にHBBSを導入した結果の稼働図( 図S1.2)

縦に伸びるタケノコが横に寝たため、南中時の最大値が3~4分の一に縮小するので、出力抑制は完全解消出来る。将来、更に太陽光の導入量が増えても、増加分の3~4分の一しか需要超過に影響しない。日本の全域でHBBS導入が進めば、全域で供給過剰が解消されるので、全国が一斉に出力抑制が発生することが殆ど無くなる。理由は何処かの地域で供給過剰になっても、供給過剰になって無い地域が有るので、連携線を使って供給過剰分を処理して貰える事になる。

4月の再エネ化率は13.2パーセントから39パーセントまで上昇し、火力発電の発電量が減少量1,733GWh減少する。


風力の出力抑制も大幅解消が出来る、その理由

理由①;( 昼間の解消) 昼間は太陽光が発電するため供給過剰になると、太陽光と風力が抑制の対象になる。昼の太陽光の供給量が3~4分の一に減少すると、太陽光と風力を合わせた量も激減する。激減した結果が、需要以下になる確率が高くなるので、風力抑制対象とならなくなる。

理由②;間の解消)HBBSを使用すると、24時間均等放電の影響で夜間に、これまでには無かった太陽光の放電の影響が新たに加わるため、供給過剰になる確率は高まるが、夜間にも働いている火力の最低出力を下げることで、過剰量を減らす可能性が有る。結果、風力の出力抑制可能性が高まる。


HBBS適応後の4月の稼働( 図S1.2



②HBBS使用で、火力発電の最低出力を下げる事が出来る理由


経産省の有識者たちは火力発電の最低出力を下げるのは、発電装置を最新式の発電機に変更することで最低出力を下げると主張しているが、この考えは膨大なコストが掛かりかつ効果が少ない。

しかし、HBBS使用であれば、火力発電の最低出力を大幅に下げる事が出来る

その説明の前に、電力会社の系統制御のやり方を説明する。

系統制御をやるために、前日の17時頃に、翌日と翌々日の需要予測と風力と太陽光の発電予測を行い、その需要に供給するための火力発電等の稼働計画を立てる。その稼働計画はどの火力発電機を何時と何時に開始し、何時に停止するかの計画である。その時重要なことは、発電機ごとに電源ONにしてから営業運転出来るまでの時間が発電装置毎に異なるので、必要な時間に合わせた立ち上げ時間を発電機毎に決める。出力抑制の予測も行い発生すると判明したら、停止すべき発電所に前日の内に停止命令を電子メールで送信しておく。

HBBSを使用した場合、HBBS使用の全発電機から夕方の16時頃に、当日の発電量を知らせて来るので、その発電分を翌日に24時間均等放電するため、翌日の発電予測は不要となる。均等放電量を使用した翌日の稼働計画を作る事になる。勿論、風力については翌日の発電量予測は必要である。稼働中は、天気の急変で太陽光の発電量が急変することは無くなる。24時間安定した供給となる。系統制御担当者は天気の急変による太陽光の影響については無関心でいられる、風力の事だけ気にしていればよいことになる。4月5日から7日までの稼働は( 図S1.3)の様に変化する。


HBBS使用後は、何故、火力の最低出力が下げられるか?

( 図S1.3)はHBBSを使用した場合の九州の4月5日から7日までの稼働状況をグラフ化したものである。太陽光の発電量が南中時を頂点とした釣り鐘状の供給(図1.3)がフラットな形に変化しているのが分かる。24時間放電は前日の発電量の大きさで決まってくる。4月7日の放電量が多いのは前日の6日の発電量が多かったからである。火力発電の発電量が少なくなっているのは、太陽光の放電量が多かったからである。7日に稼働している火力発電機の数は一番少なくなっている。

火力発電の出力が幾ら必要かは前日の稼働計画作成時点で分かっている。その時必要な火力の発電機の台数は決まってしまう。一番少なくて済む台数を決めればいいのである。最低出力がどうのこうのは気にする必要はない。因みに、HBBS使用前、つまり経産省方式の場合の最低出力は2161MWhであったが、HBBS使用後の最低出力は500MWhまで下がった。圧倒的効果である。

(注)24時間均等放電を行うと、深夜の需要の少ない時間帯に供給過剰になる事があるが、その時は揚水発電や連携線等で対応可能となる。



HBBS使用後の4/5 ~ 4/7の詳細拡大( 図S1.3

風力や火力発電等に対する波及効果

①風力に対する波及効果

❤ ❤ ❤ ❤ 風力にはHBBSは適応しないのに風力の出力抑制回数が激減する ❤ ❤ ❤ ❤

♦♦♦♦ 昼間の効果 ♦♦♦♦

太陽光は昼しか発電しないが、風力は昼も夜も発電する。昼間に供給過剰になると、その時発電していた太陽光と風力は出力抑制の対象となる。発電量の比率に準じた抑制となる。しかし、太陽光にHBBSを適応すると、太陽光の最大発電量は3分の一から4分の一の高さに激減するので、その時一緒に発電していた太陽光+風力の発電量が減少し、供給過剰で無くなる可能性が増大する。供給過剰で無く成れば、当然太陽光も風力も抑制の対象にならない。例え、風力だけ供給過剰になったとしても過剰量は少なくなるので、抑制率も少なくなる。

♦♦♦♦ 夜間の効果 ♦♦♦♦

夜は風力しか発電しないが、HBBSを適応した太陽光の24時間放電の影響で、逆に供給過剰の確率が高くなることがある。しかし、この状況に対しては、過剰を回避する事が出来る。回避策の第一は、火力発電の最低出力を更に下げる事が出来ることと、第2に連携線の利用が可能であることの2点である。

♦♦♦♦ 昼 + 夜 の効果 ♦♦♦♦

現在日本の全地域では太陽光が圧倒的に多い。風力は陸上風力だけのため非常に少ない。太陽光は60パーセントで、風力は4パーセントにしか過ぎない。従ってHBBSを太陽光に使用して、波及効果が風力にも出てくるが、風力の効果は極めて少ない。しかし、2030年過ぎには洋上風力も稼働開始するので、風力の容量が太陽光を追い越してしまう。

その時、風力は一日24時間稼働出来るが、太陽光は昼間だけの為、8時間程度しか発電できない。また、現時点のFIT単価は洋上風力が36円/kWhであるが、太陽光は殆ど入札制が適応され、10円/kWh程度となっている。つまり風力の稼働時間とFIT単価を適応して計算すると、HBBSに投資した太陽光発電業者より、投資しなかった風力発電業者の方が効果が大きいという予測も出ている。洋上風力が稼働し始める10年後の東京電力の場合のHBBS投資効果を金額で計算すると、投資した太陽光の効果は2,274億円、投資しなかった風力が4,575億円と言う結果も出ている。


②火力発電に対する波及効果

♦♦♦♦ 発電量減少による燃料費削減効果 ♦♦♦♦

HBBSを使用すると、太陽光と風力の抑制回数が少なくなる。抑制分は有効電力となるので、火力発電が少なくて済むようになる。火力発電のkW当たり単価は電力会社公表値では21円程度であるので、燃料費コストが大幅に削減される。東京電力の1年間をシミュレーションした結果を見ると、火力発電部門は5,988億円の効果が毎年得られるという事だった。


③系統制御を行う電力会社に対する波及効果

♦♦♦♦ 燃料費削減以外の効果 ♦♦♦♦

太陽光の最大出力が3分の一以下になるため、系統容量拡大の必要性が半減する。

HBBSから当日の発電量を知らせて来るので、HBBS使用の太陽光に対する発電量予測は不要となる。

HBBS使用の太陽光には出力抑制は発生しないので、太陽光に対する抑制処理が不要となる。

火力発電の最低出力が下げられる事と再エネ全体の量が増える事で燃料費の大幅削減となる。




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ステップ;洋上風力は、即、液化水素に変換


(1)洋上風力が活動開始する10年後

風力が陸上と洋上で大量に稼働し始める10年後は、現在の受付状況から推測すると、稼働している風力は現在の23倍の容量まで拡大し、太陽光と同じ容量の109GWにまで拡大する。その時は既に太陽光も大量に供給過剰となっているので、風力も殆どが供給過剰となる。その実例を北海道、東北、東京の3つの地域で見てみよう。接続申請されている風力の大半が稼働し始める2030年頃の北海道(図7.1)と東北(図7.2)及び東京(図7.3)の稼働想定図である。

( 各グラフの縦軸の容量に大きな差がある事にご注意ください。東京は最大100GWhであるが、北海道は18GWhで、6分の一の縮図である)


北海道の場合(図S2.1

現在稼働中の風力56万Wに対して新たに1,925万kWを加えると容量1,981万kWになるが、その大半を洋上風力とした場合、2020年3月と同じ風が吹いていたとして計算すると、3/28の1日の風力発電量291.2GWhとなる。この量は一日の需要の3倍近くの過剰量となる。

風の強い3月は31日の内25日が需要の3~4倍の風力の発電となっており、この量は連携線の容量を遥かに超えているので、連携線を乗せる前に出力抑制として発電禁止となってしまう。何のために高額の洋上風力へ投資したか、疑問になってしまう。


東北の場合(図S2.2

現在稼働中の風力170万kWに対して新たに2,714万kWを加えると容量2,884万kWが、その大半を洋上風力とした場合、12/17の1日の風力発電量485.9GWh、12/17の風力MAX21.7GWhと、需要量の2倍強が、1週間連日供給過剰となっている。この風力の超過分を東京に送電しても、東京も供給過剰となっているので引き受けてくれない。東京以外も殆どの地域は過剰分を引き受ける余力は無い。


東京の場合(図S2.3)

2030年頃東京の太陽光は4,200万kW程度稼働しており、その太陽光にHBBSを導入して出力抑制を解消しているが、太陽光と原子力などの発電量でほぼ需要を満たしており、風力の殆どは出力抑制で、捨てざるを得ない状況になっている。折角、東京電力自らが洋上風力に投資したのに、何の効果も得られない悲惨な結果になる。容量4,288万kWを洋上風力とした場合、5/11の1日の風力発電量1196.7GWh、時間当たり最大発電量は82.0GWhとなる。


上から順に(図S2.1)(図S2.2)(図S2.3)


2)洋上風力は即、液化水素へ変換

風力発電、特に洋上風力に対する特別な供給過剰対策が必要である。

通常のやり方で系統に乗せようとすると、すぐに出力抑制の対象となり殆ど発電が許されない状態になる。それを避けるには、同時同量の計算対象から外すために発電した電気は系統に乗せずに直接液体水素に変換(図7.4)して、後でトラック便か船便で輸送する手段を取るべきである。電力系統で運ぶなら、需要の少ない時間を限定して送電することも可能であるが、系統に乗せるには供給不足の地域発生を待たなければならないが、日本全国供給過剰の為、系統に乗せるのは望み薄である。何時乗せるかは、次の「第3ステップ」で述べる。

(注)発電即液化水素へ転嫁の必要性を予見した某企業は、この方式の研究を開始している。


( 図S2.4

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ステップRE100を目指して、捨てられ電気も活用

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(1) 東京電力の場合

経産省ご推奨の「供給過剰分切り捨て方式」で、再エネ化率を高めようとすると、切り捨て部分の方が多くなり、再エネ化率は高くならないだけでなく、発電業者が経済的にも採算の取れない状態になってしまう事を説明する。

説明を分かりやすくするために、太陽光と風力だけに限定して、他の者は一切省いた東京電力のデーターを使用する。

東京電力の電力需要は夏と冬にピークが来て、春と秋は需要は少なくなり、特に5月のゴールデンウィーク期間は最低需要になるのは、毎年ほぼ同じパターンである。

一方、太陽光発電は6月の夏至の頃を最大とし、12月の冬至の頃が最小となる。地球は太陽の周りを一定軌道で好転しているため、太陽からのエネルギーは毎年ほぼ一定である。途中梅雨の季節や台風の季節には、その年によって多少の変化はあるが、一年を通すとほぼ一定の量で発電している。

一方、風力発電は春や冬は風は多いが、夏はかなり少なくなるというパターンで吹いている。ただし、太陽光に較べると、年によっては発電量が大きく変化する点では異なる。

以上の条件で、東京の1年間の電力需要を太陽光と風力だけで、供給した、すなわち、年間電力需要=年間太陽光発電+年間風力発電になるように、現在受け付けている承認済と検討待ちの半分が稼働したとして作成したグラフが、(図Ⅷ.上)である。ただし、風力は陸上風力の発電効率を適応している。このグラフから分かる事は、年間では需要と供給は一致しているが、夏のピークと冬のピークには供給不足となり、1月~6月までは供給過剰となる。供給過剰の時は出力抑制として捨て去り、不足のところは何処かから供給してもらうか、火力発電を稼働させなければならない。その結果、再エネ化率は90パーセントにしかならない。

そこで再エネ化率100パーセントを目指して、8月の不足のところを再エネで供給させるために、8月の需要 = 太陽光+風力になるまで全体を底上げしたグラフが、真ん中の(図Ⅷ.中)である。全体が底上げされたため、供給過剰分が極端に増える。風力の捨てられた量は、227TWhもあり、年間需要279TWhの81パーセントに相当し、 風力発電の68パーセントが無駄に捨てられることになる。捨てられる分を15円/kWhで計算すると、毎年3.4兆円になる。年間売り上げ6兆円弱、経常2000億円前後の東京電力がこんなに沢山、出力抑制として捨ててしまうのを黙って見ているだろうか?もし黙って見ている様な経営者だったら、経営者失格と言わざるを得ない。経産省の制御方式では、毎年3.4兆円、しかも、風力発電の68パーセントも捨てることになる。こんなに捨てて、経営の無駄をまき散らして、最適な制御方法だと言えるのか??言ってるのは経産省だけだろ。

それに対して、効率良く再エネ化率を高める方法を考えよう

需要=供給が成り立っていた最初のグラフ(図Ⅷ.上)で、供給過剰になった分をグリッド・ストレージ(以下、GS) と称するところに保存し、不足な時にそこから取り出して供給すれば、年間の同時同量が成り立つ。つまり、捨てる部分が無い状態で再エネ化率100パーセントを成立させる事が出来る。そのためには、GSにどれだけの量が保存されるだろうか?その時のグラフが(図Ⅷ.下)である。最大27.6TWhの保存量となる。東京電力の1ヶ月の需要量に相当する。

再エネ化率を100パーセントまで持って行くのに、経産省の主張する「切捨て方式」の制御を採用すると、膨大な無駄が発生する。その無駄は、地方電力の年間需要の殆どを賄う事が出来るほどの量である。無駄を生じさせないで再エネ化率を高めていくには、「貯めてから使う」方式に切り替えていくべきである。貯めるための費用は、捨てる予定だった電気の有効利用で、たったの1年で採算は取れるはずだ。


(図Ⅷ.上)(図Ⅷ.中)(図Ⅷ.下)

(2)北海道電力の場合


北海道のピーク月は、東京とは違って冬期である。また、東京と大きく異なるのは、電力需要が東京の10分の一以下で、風力(1,981万W)は太陽光(303万W)の6.5倍の容量を受付ている。東京の太陽光(4,180万kW)と風力(4,331万kW)の容量はほぼ同量である事と比べると、北海道は風力天国そのものである。

2030年の少し前に、受け付けている全てが稼働したとして、計算した稼働図は(図8.上)である。風力は全て陸上として計算した。太陽光にHBBSを使用しているので、太陽光の出力抑制は発生していない。風力は発電した内の68パーセントが抑制されている。抑制処理は経産省ご推進の九電方式で行ったため、安全率を高く(48%)取った。その結果、需要ライン以上に抑制され、その穴埋めで揚水発電を15パーセント近く供給している。そのため再エネ化率は、63パーセントしか達成出来ていない。

(図8.上)のグラフは太陽光と風力以外が含まれているので、それら全てを除いたグラフが(図8.中)になる。覗いてみると、風力と太陽光だけで電力需要が賄えることが見え.る。年間通して供給力不足の月は存在せず、9カ月連続供給過剰である。年間の供給過剰量は8.5TWhで、風力発電の21パーセントになる。この過剰分を15円kWhで売り上げると、1,100億円になる。年間売上高6,000~7,000億円で経常利益が300~400億円の北海道電力にとって、喉から手が出るほどの金額である。この計算は風力が陸上として計算したが、洋上風力の発電効率で計算すると、供給過剰量は42.3TWhとなるだけで、有効電力は一切増えていない。何のための洋上か、疑問に思う。

北海道や東北は洋上風力最適地の言葉に煽られて、大量の洋上風力が計画されている。しかし、洋上風力の発電効率の良さが有効利用されることなく、ただ闇雲に出力抑制として捨てられる。それを救うためには「貯めてから使う」方式に切り替えていく必要がある。

「貯める装置」を弊社はグリッド・ストレージ(GS) と呼ぶことにしている。

(図8.上)(図8.中)(図8.下)

❤❤❤❤ 理想の再エネ制御技術、電気は貯めてから使う NO.4 ❤❤❤❤

ステップ;電力系統全体を、「再エネを貯める方式」に変更

★★★★ 膨大なグリッド・ストレージは実現できるのか? ★★★★


東京電力の例では、供給過剰として捨てられる分を一時保存すると、1年間で27.6TWhとなった。この量はピーク月8月1か月間の需要量に相当する。果たしてこのような大規模の蓄電池は存在するのか?今後の再エネ大量導入の最大研究テーマとして取り上げることを提言する。


蓄電は複数個所に分けて蓄電する(図Ⅸ.1)

電気スタンド

EV時代にはEV車向けの電気(ガソリン)スタンドが必要だ。現在ガソリンスタンドは東電管内だけで7千ヶ所有るそうだ。1スタンドで毎日300車に500km走行分の電気を提供すると、1スタンド当り50MWh程度の蓄電池が必要となる。東電管内だけで一日当たり350GWhの蓄電量となる。

電気の充電時間は通常は8時間くらいかかるが、高速充電であれば30分程度で出来るそうだ。1台当たり30分掛けて、営業時間12時間に300台に充電するためには、25台が一斉に駐車できるスペースが必要となり、電気スタンドと言うより駐車場と言う感じになる。土地代の高い都会地でこれだけのスペースを確保するのは困難であり、且つ採算を取るのも困難であろう。

それに代わる対策として、蓄電池の標準化を進め、蓄電池の種類を大型、中型、小型の3種類ぐらいに限定してどのメーカーの車でも共通して使用できるようにする。電気スタンドでは充電サービスを受けるのでなく、既に蓄電しているバッテリーと数分間で交換するサービスを提供する。すでにこのタイプのサービスは、2輪車では一部メーカーが実施している。

スタンド側は、空のバッテリーに8時間かけて満タンになるまで充電する。1バッテリーに8時間かかるため、8時間で200台の車にサービスするには、常時200台の充電したバッテリーが在庫として持っておく必要がある。従って、1スタンド当り400台分の蓄電能力(100MWh)が必要と計算できる。東京電力管内で最低でも700GWhの蓄電能力が必要となる。


★フロントステーション

現在の配電変電所に相当する。東電の配電変電所は1000ヶ所は有る。配電変電所の役割は二つある。一つは需要家に電気を供すること、二つ目は発電所からの電気を受け止める事である。


★ミドルステーション

配電変電所より上位の変電所、中間変電所、1次変電所、超高圧へな電諸島を総称してミドルステーションと呼ぶことにする。東電管内だけで1000ヶ所有るそうだ。このステーションの役割は二つある。一つは電気を液体水素に変換して、変換された水素を貯蔵タンクに保存することと、2つ目は、適切なタイミングでたまった水素を電気に変換して電力系統へ送り込むこと、の役割がある。


★バックヤードステーション

旧火力発電所跡地15ヶ所を液体水素専用貯蔵タンクの保存場所とする。他所の地区との輸出入はこのステーションからトラック便または船便で行う。


グリッド・ストレージ構成(図Ⅸ.1)

Ⅲ.電気を貯めた制御方式で得られる効果

(1)「日本の電気料金を世界一安く」

♦♦♦♦ 切捨て方式では達成できない最終結果 ♦♦♦♦

※米国は、州ごとの料金格差が大きいため州別料金の幅をグレーで表示

※中国は1kWhあたり約9円~11円、ただし21年12月に50~70パーセント値上げ実施

※カナダ約9円~11円/kWh 水力発電の比率が59%(2012年)

※デンマーク 約37~40円/kWh、再エネ化率50%

※ドイツ約35~36円/kWh再エネ化率200%再エネ購入費+環境税も電気料金に含まれる

※日本は23~25円/kWh


再エネ導入拡大で電気料金が下がる根拠


①燃料コストゼロの再エネ拡大

且つ付加金制度廃止、原発はコストが大の為、最低限の稼働にしておく

②再エネ発電は投資効果の大きい大規模発電所に限定

大規模発電所であればkW当たりの導入コストが極めて小さくなる

③供給過剰分の有効利用

捨てられるはずの太陽光と風力の供給過剰分を生かす

④マイクログリッドの推進

コストに大きく占める電力流通設備コストを下げる

⑤地産都消の推進

地方の再エネ環境を都会と輸出に生かして地方の活性を促す



「電気は貯めてから使う」ことで得られるメリット

「貯めてから使用する」ことで「マイクロ・グリッド」が実現できる。

その実現で日本のエネルギー産業が大きく変わる。

「エネルギー産業革命」である。


出力抑制が全く発生しない形で、再エネ化率100パーセント以上が実現出来る。

②大きな蓄電機能のお陰で、天候不順が続いても、天気に左右されない安定供給が出来る。

膨大な供給過剰分を捨てることなく利用する等で、日本の電気料金を大幅に下げる事が出来る。

④設備コストの中で大半を占める電力流通設備コストを下げて、電気料金を下げることに貢献出来る

⑤需要以上に蓄電した電気を、液化水素などにして輸出が出来る。エネルギー輸出国に変身出来る。

⑥日本に必要なエネルギーを海外に頼る必要がなくなるので、海外の政治動向に左右されなくなる



再エネが目指すものは何か?


最近、やたらと再エネに対する不平・不満・批判を耳にすることが多くなった。

★パネルの設置で自然を破壊している。

★パネルの火事で被害が大きくなっている。

★天候不順つづきで再エネなんぞは使い物にならない。

★再エネ先進国のドイツは再エネ失敗で大停電になる。

★中國共産党の汚れたマネーで日本の再エネ業界は汚染されている。


再エネ拡大に不満が多いのは、再エネの行き着く先を知らないからだ。

経産省の発言を聞いていても、再エネの推進で電気代が安くなるとか、エネルギー輸出国に変身できるなんて、一度も聞いたことが無い。ただ聞こえてくるのは、再エネ化率の話ばかりだ。経産省や有識者たちは再エネの将来像が描けないので、将来の夢のある話なぞ出来ないのだろう。

困ったものだ。再エネの将来像をきちんと描いていれば、不満も出て来ないはずだ。


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