全国の県知事さん、激怒❣❣                                                                        再エネ潰しを企む経産省に、”猛抗議”                                    " 系統接続制約(出力抑制)早期に解決しろ‼"

令和5年7月26日に全国知事会が連名で経産省に対して『脱炭素社会の実現に向けた対策の推進に関する提言』と言うタイトルで、抗議した。

 提言の内容は、                                                                                                                                                                                                                                                     1 脱炭素社会を目指す基盤                                                                                                                                                2 交通分野の施策                                                                                                                                                                 3 建築分野の施策                                                                                                                                                                 4 産業分野の施策                                                                                                                                                                 5 再生可能エネルギー分野の施策

"5 再生可能エネルギー分野の施策"の内容は以下の通り(原文のまま)

 (1) 系統接続の制約の早期解消に向けて、広域系統長期方針(マスタープラン) 及びGX実現に向けた基本方針に基づき、全国規模での系統整備や海底直流送電の整備を着実に進めること。また、送電線の容量不足を補うために系統接続を希望する再生可能エネルギー発電事業者が負担する工事費等について支援すること。加えて、系統用蓄電池は、再エネの出力変動に対応できる調整力等の供出や再エネ余剰電力の吸収が可能なものであるこ とから、更なる導入拡大のために、支援策を拡充すること。    

(2) FIT・FIP制度運用に係る手続きの効率化・迅速化を行うこと。新た にV2Hや蓄電池等を導入する際に必要となる変更申請手続は、処理に時 間を要するなど速やかな電力確保が困難な状況にあるため、適切な措置を 講じること。

 (3) 長期電源化のためには、既存の再エネ設備について、FIT 制度の調達期間 終了後も最大限の活用を図ることが重要であることから、事業者による適 正管理のための追加・再投資への支援など適切な環境整備に向けた方策に ついて検討を進めること。

 (4) 地方における再生可能エネルギーの活用量を拡大し、太陽光発電などの出 力制御の際の需給調整対策としても有効である蓄電池の普及を推進する ため、FITを活用した既設の再エネ発電への導入も補助対象とするなど 支援制度を拡充すること。

 (5) 再生可能エネルギー由来の余剰電力により生産されるグリーン水素の利 活用に向けて、調整手段確立に向けた研究開発等を支援するとともに、価 格補填の制度構築や水素パイプライン等の供給インフラの整備をするこ と。また、「水素基本戦略」に基づき、水素製造装置の製造基盤確立も含 め、国内のグリーン水素製造関連企業を最大限支援するなど、水素製造基 盤の確立を図るとともに、先駆的な取組を推進する自治体への支援策を講 じること。

 (6) 改正地球温暖化対策推進法により導入された「促進区域」制度を市町村が 積極的に活用できるよう、地域脱炭素化促進事業に係る市町村への財政支 援や、同事業の実施主体となる地元事業者への税制上の優遇措置を行う等 により、実効性の高い制度を構築するとともに、促進区域に限らず事業者 が地域住民に事前に事業内容を説明する仕組みを整備すること。また、発 電事業終了後の設備の放置・不法投棄についても必要な対策を講じること。

 (7) 再生困難で今後営農が見込めない荒廃農地について、非農地判断や農地転 用手続きの後に太陽光発電設備を導入するなど地域と共生した形で活用 する場合は、山林化している荒廃農地の整地費用など、十分な支援策を講 じること。

 (8) 洋上風力発電の設置の拡大に向けて、排他的経済水域(EEZ)への展開を 可能とする法改正などの背景を踏まえ、浮体式洋上風力発電の技術開発や、 実証試験に向けた一層の支援を行い、早期の社会実装を促進すること。ま た、洋上風力発電の設置や維持管理の際に必要となる港湾について、地域 振興の方向性などをふまえ、地域の実情に応じた整備を推進できるよう支 援策を講じること。

(9) 洋上風力発電以外の海洋再生可能エネルギー、地熱、太陽熱など、国内に おいて膨大に賦存しているものの十分に開発が進んでいない再生可能エ ネルギーの技術開発について、積極的かつ継続的に推進すること。 

目                  次

      前編.このままでは、太陽光出力抑制激増で、        再エネは崩壊

Ⅰ.太陽光発電に出力抑制激増で発電業者全滅

            Ⅱ.洋上風力、同時同量の観点で、受け入れ余地なし

                                Ⅲ.太陽光と風力の季節変動と需要変化の不一致で                                                                                             脱炭素化は不可能

後編.再エネ拡大の問題点解決方法

Ⅰ.太陽光にHBBS導入て解決

Ⅱ.洋上風力は即、液化水素へ

Ⅲ.マイクロ・グリッドの実現

   前編.このままでは、太陽光出力抑制激増で、        再エネは崩壊

Ⅰ.太陽光発電に出力抑制激増で発電業者全滅

(1)本年4月から出力抑制激増の原因(図1.1)

本年(2023年)までは九州だけだった出力抑制が、4月に急に東京を除く9地域で抑制が始まった。

激増の原因と抑制回数

原因①太陽光発電(以下、太陽光)導入容量増加

太陽光を含む再エネの導入容量が増えた事で、電力需要の少ない土曜・日曜日に限って供給過剰となり、出力抑制になった。特に東北は、東京も供給量が多くなり、東北の過剰分を受取れなくなり抑制となった。

原因②供給力不足の関西が突然供給過剰に!

4月、5月になると関西が供給過剰になり、他電力からの支援が不要となったため、西側の4社の供給過剰分を受取れなくなり、4社は出力抑制となった。6月以降は関西の需要が増えた事などで、4社の抑制は激減した。東京電力は需要の少ない土曜・日曜日に、東北の供給過剰分を受取れない時だけ、東北に出力抑制となった。


(図1.1)

(2)出力抑制を頻発させる太陽光の特性

①太陽光発電が抑制になり易い特性

太陽光の導入量が増えると、太陽が真南に来る南中時の発電量が上へ上へとひ゛る。 (図1.2)                  その現象を「タケノコシンドローム」(弊社造語)と命名した。まるでタケノコが成長するかのようである。成長したタケノコは閑散日の電力需要も、平均日の需要も、最終的にはピーク日の需要も、軽く越してしまう。


    タケノコシンドローム現象(図1.2)

②北から南まで、同時刻に、南中時になる特性

日本列島は東経130度から145度(除く沖縄)に位置しているため太陽が北海道の東端の根室の上空に来てから1時間後に西端の九州平戸の上空に来る。つまり、日本列島は太陽光軌道の1時間の範囲にある。(図1.3)の地図で、そのことは確認できる。(図1.4)は2020年5月8日の電力各社の太陽光発電実績から作成したグラフである。このグラフを見ると沖縄以外はほぼ同時刻に最大発電量になっている。(東京と四国は単位が万kWであるが他は全てMWである)


 日本列島の地図(図1.3)             発電実績(図1.4)

③連携線の役割は、電力9社間で同時同量を成立させる特性

電気は瞬時瞬時、供給量と消費量が一致しなければならない。同時同量と言う。同時同量は一つの電力会社内だけでなく、連携線で結ばれた9社間で成り立っている。沖縄は連携線で連携されてないので、ここでは省略している。

(図Ⅱ.2)は2021年5月3日12時に連携線を流れた電力量を表示したものである。図中では電力会社毎に箱で表示し、電力会社名の真下にある数字が連携線欄の数値である。数値が黒字であれば、不足していたため外部から取り込んだことを意味し、赤字であれば供給過剰のため外に放出したことを意味する。

例えば関西電力は2,453MWh不足であったので、外部から取り込んだ。取り込み先は中国から2,808(以下単位は省略)、北陸から470取り込んだが不足分を補充したので余った825は中部へ送ったことを意味する。

関西を支えたのは九州、中国、四国についで北陸が支えた。

日本の電力消費の三分の二を占めた中央三社(東京、中部、関西)が原発の殆どを止められたため、供給力不足に陥った。その不足分は、地方の電力4社で支えた。( この時だけは中部は過剰となっている)

連携線の使用目的は、どこかの供給不足を補うためにあり、全社が供給過剰になったら連携線の効果は発揮できない。逆に全域が不足状態になっても効果は無い事になる。

全地域が晴天で太陽光がフルに能力を発揮して供給過剰になっているとき、全域が雨天で太陽光の発電量が極めて少なくなっている地域は火力や水力や揚水発電で不足を補うので、外部に助けを求める必要はありません。外部に助けを求めるのは前日の内に行うのが原則であるので尚更です。

だしい誤解は、「連携線の容量を増やせば、供給過剰が防げる」との幼稚な誤解である。全地域が供給過剰になったら、連携線の容量を増やしても何ら意味が無いことを確り理解して貰いたい。

これまでは関西は供給過剰で他所の過剰分を引き受ける役割を果たしていたが、急に供給過剰になり、他所の過剰分を引き受け出来なくなり、出力抑制になったことは、この連携図からも理解できる。


(図1.5)

④原発再稼働で出力抑制激増の理由

また最近、原発の再稼動も急浮上し始めた。その計画によると、2030年に稼働する原発容量は、現在稼働中容量の4.5倍、3,200万kW程度まで拡大される可能性が出て来た。(図1.6)

これだけの原発が稼働すれば、震災前程度まで原発稼働率が高まり、再エネの稼働余地は少なくなる。少なくなれば供給過剰になりやすくなるのは自明の理である。 原発と太陽光発電は相性が悪く共存は難しいことは九州と関西が証明している。

太陽光発電はその導入容量に比例して、南中時を目指して上へ上へと伸びていく。原発は一旦稼働すると一定の出力で24時間連続して発電する。いわゆるベースロードとなる。ベースの分だけ太陽光の南中時の発電量は多くなる。多くなった分だ需要ラインを超過する確率が高鳴る。供給過剰の危険性が高まる事になる。

原発の再稼動を声を大にして唱えるなら、「原発と再エネの共存」が可能になるような対策を、事前に行うべきである。その対策とは、「上に伸 びるタケノコを横に寝かせる」こと、すなわち全ての太陽光に蓄電池を電力会社の費用で導入することを約束した後に、原発再稼働を実施すべきである。

★★★ 原発の能力の限界 ★★★★

原発だけで脱炭素が実現できるのか?言葉を変えると、原発だけで1年間の電力需要を満たす事が出来るのかと問いたい。答えは「NO」である。理由は原発には「調整力」が無いからである。「調整力」とは需要の 変化に合わせて、出力を調整する機能で、昼のピーク時には出力を2~3倍に増やし、夜間の閑散時には 出力をそれに合わせて大幅に落とす火力発電が持っている機能である。(図1.7)は東京電力の1年間の需要を24時間連続してグラフ化したものであるが、源発の安全な出力は年間最低需要、東京の場合は5月GW 期間の需要量より少なく、且つその間に火力の最低出力と地熱や水力等の止める事の出来ない発電も考慮にして決めると、30~40%が限界である。フランスも九州も関西その程度の稼働である。


(図1.6)

東京電力2021年度の需要曲線実績(図1.7)

(3)2030年頃、どの程度の出力抑制が発生するのか?


①2030年頃の再エネ導入量を地域別に予測する

現時点(2023/6/末)で、日本全体で稼働している再エネの容量は119GW、その内太陽光が71GWで全再エネの60パーセントを占めている。未稼働容量は、検討申込(120GW)と承認済容量(56GW)と合計(178GW)ある。検討申込の内70パーセントが風力であり、大半が洋上風力であろう。洋上風力は導入に10年近く要すると言われているので、30年までの稼働には間に合わないと推測する。

検討申込した後、数か月後に大量に取消されたことが有ったので、将来の容量予測には使用しない事にする。しかし、承認済は、確実に稼働に至る確率が高く、かつ承認された後は3年以内に稼働させる約束になっている。また、太陽光に関しては、GX(グリーントランスフォーメーション)の推進で、特に太陽光の導入が予想以上に進むと思われるので、30年頃の容量を、地域別に下記の式で求める。

太陽光の容量 = 現容量 + 承認済容量×3 

風力とその他の容量は、下記の式で計算する。

風力とその他の容量 = 現容量 + 承認済容量


②季節別発電量を、地域の発電実績に合わせて算出する。

求めた容量は即、発電量を意味するものではない。最大発電可能容量に過ぎない。実際の発電量は、地域別季節別に異なる。例えば、太陽光の発電量が最大になるのは一般的に6月の夏至の頃が最大で、12月の冬至の頃は最小となる。しかし、6月は梅雨のシーズンで悪天気が続き太陽光の発電量は落ちる。地域別に、太陽光と風力の季節別(夏冬ピーク日、春秋平均日、5月閑散日)発電量も止める。


③地域別季節別に電力需要の正午の最大値を過去の実績から調査する

地域毎に電力需要は大きく異なり出力抑制に大きく影響するので、2022年度の電力需給実績から、季節別に正午の需要実績を調査して置く。


④地域別に、火力の最低出力と原発の予想出力及び揚水発電の調整力を調査する。

調査結果を基に、季節ごとに総出力を計算する。

季節別総出力 = 再エネ総出力+(火力最低出力+原発出力-揚水総出力)


⑤地域別季節別に、再エネを含む最大出力と、該当最大需要との倍率を求める。

総出力と需要の倍率 = 最大出力 ÷  最大需要

計算結果を下記の表(図1.6)にセットする。計算結果は次のことを表している。


(図1.6)

表の見方

★1.0未満は供給力不足で出力抑制とはならない。但し、夏冬のピーク日でも、土日などの電力需要が少         ない時は供給過剰になることも有り得る。ピーク日は9社計では1.0以上である。

★1.0以上は供給過剰で出力抑制となる。

★沖縄を除く電力9社がすべて1.0以上であれば、電力9社間で連携する意味が無い事は、③連携線の役     割で説明済。

★夏ピーク日でも3地域は供給力不足だが、不足分は3地域合わせて0.7であり、全域の過剰分の一部に     しか過ぎない。

★結論を言うと、沖縄を除く全域は、天気の良い日は、日本全国で出力抑制となる。


(図1.7)

(4)2030年頃の東京電力で、出力抑制発生を実証

東京電力の「春平均日」の需要との倍率が「2.1」となっている。実際の発電状況を予測して見よう。予測は東電の2021年4月の電力需給実績値を使用する。太陽光等の2030年頃予想容量の伸び率を、21年実績に乗じ、原発を再稼働させ、揚水を適応後、火力の最低出力を調整した。予測結果をグラフ化したのが(図1.8)です。これを見ると4月は全日供給過剰である

この事からいえる事は、(図1.6)のと東北は夏冬のピーク日も春明の平均日も倍率が2.0以上となっているが、全域が雨でも供給過剰になることが分かる。九州も夏ピーク日以外は倍率が2.0以上であるので東北にほぼ同じと言える。


(図1.8)

供給過剰が最小の日の正午の天気実績(図1.9)を見ると、29日(木)は全観測所で雨(●)だった。これを見ても分かるが、倍率が2倍であれば全域が雨でも供給過剰になる事が証明された。5日は一部の地域が曇りまたは晴れていたが、倍率が1.03で、ぎりぎりに供給過剰だった。の地域が曇りまたは晴れていたが、倍率が1.03で、ぎりぎりに供給過剰だった。快晴(〇) の日もあった。


(図1.9)

(5)実際より多めに発電停止にしている

★実超過分以上に抑制される

抑制実施は需要予測や発電予測の下に行っているが、天気の急変や、予測はずれの不安が付きまとう。不安解消も込めて必要以上に抑制している。九州電力では48%増しで抑制している。例えば、100kW分抑制するところを、安全性を考慮して、148kW抑制している。4/18に適応考慮して、148kW抑制している。4/18に適応すると(図1.10)のように需要ラインを超えた分まで抑制対象となる。


(図1.10)

★自分が停止させられる頻度が高くなる。

供給過剰の量が多くなると抑制される率が増える。例えば、最初は5%だった抑制率が10%、20%、、、と徐々に増え、2030年頃には90%近くが抑制となる。一つの発電所から見たら、自分のところが抑制させられるのは10回中、1回だったのが徐々に増えて、ほぼ毎回停止させられることになる。

(6)年間売電収入に対する影響は、予想以上に大きい

一つの発電装置でも、一日の発電量は多い日も有り少ない日もある。365種類あると言っても過言ではない。多い順から並べたグラフが図1.11である。これは関東に設置された7MWの発電実績値である。出力抑制は天気の良い日で発電量が多い時に限って抑制されることが多い。高倍率の東京の場合は、全域雨でも抑制されたが、一般的には悪天候では抑制される確率は低くなる。

発電業者の年間売電収入はいくら減少するか?

(図1.11)は一日当たりの発電量の多い方から数日分を取り出した場合年間発電量の何パーセントを占めるかを示したグラフである。例えば、90個取り出すと38%にになる。逆に、右側から90個、すなわち270=360-90の欄を見ると90%だから残り10%となる。左から90回は38%の影響だが、右からだと10%にしか過ぎない。左から90回は38%の影響だが、右からだと10%にしか過ぎない。


(図1.11)


(7)家庭用太陽光も将来は抑制対象にせざるを得なくなる

10kW未満の家庭用太陽光は抑制対象外となっている。対象外にした理由は件数が膨大なため個々の発電所に連絡し、管理し、制御するのが困難で、かつ効果が少ない事等で、抑制対象外にしていた。現時点で10万件以下の件数が一番多い地域は東京の88万件、中部が55万件、関西が41万件、九州が45万件となっている。2030年までには、新築家屋への設置義務化とか、その他のGX(グリーントランスフォーメーション)の推進でさらに導入が拡大し、10kW未満の比率が増えるると推測できる。現時点で10kW未満の容量比では一番多い関西で26%程度だが、30年頃には40%まで拡大するでしょう。そこまで拡大すると抑制無しでは、系統の安定運転は不可能になる。設置義務化までしたのに、抑制ばかりでは、設置した方の不満は、何所にぶつけるのだろうか?

(8)日本全国の抑制発生頻度

2030年頃の日本全国の出力抑制頻度は、どの程度になるか?

(3)の①で求めた2030年頃の再エネ容量で稼働させた時の出力抑制頻度は(図1.12)の通り。                抑制回数最多地域は東北で、昼に340回、夜に217回である。センター停止回数とは電力会社には系統を制御するセンターが必ずあるが、そこで停止を発令した回数である。センター停止には太陽光と風力を停止させる昼と、風力だけを停止させる夜の停止が有る。年間の最大停止の地域は東北で、340回である。1年の内ほぼ全日停止となる。10地域中8地域が年間200回以上の停止である。200回以下は中部と関西で、あるが中部は171回で、200回に近い回数である。関西は91回と最小であるが、出力抑制が日本で一番少ないと分かれば、日本全国の発電業者が殺到する可能性が有る。

1回のセンター停止では必要な数の発電所だけ停止させる。したがって特定の発電所は数回のセンター停止で1回順番が回って来ることになる。「個別発電所停止回数」は個別の発電所が年間何回停止させられたかで、個別発電所の売電収入にどれだけ影響を与えるかが、ここの数字で判断できる。一番売電収入が減るのは北海道で、226回である。年間の売電収入の減り方は、(図1.11)の表から最大80パーセント程度の収入減となる。電力10社中、8社の太陽光発電所は年間100回以上の停止であるから売電収入は40パーセント以上の減少となる。200回を超えない中部でも、年間売電収入減は30パーセント近くになる。結論からすると、30年頃は関西を除く全地域の太陽光発電業者は、年間売電収入が、30~80%の減少となり、発電事業の継続が困難になり、倒産続出となるであろう。

今年の4月、5月に東京電力を除く9社で出力抑制が発生したが、その中でも九州は最多の抑制で、2ヶ月間で44回も停止させられた発電業者は、こんな状況が続くとメンテ維持費も出せなくなり、夜逃げでもしなければならなくなる、放棄した後のパネルは誰が管理するのだろうかと、本気になって心配し始めている。


(図1.12) (図1.12)

Ⅱ.将来の洋上風力、同時同量の観点で、受け入れ余地なし   

(1)洋上風力が直面する課題

現在稼働中の風力は、日本全国合わせて519万kWだが、洋上風力が稼働し始めるころの風力の容量は、現在の25倍の12,800万kWになる。

これだけ稼働すると、風の吹く日は、東北電力需要の9倍近い供給量(図2.1)となり、出力抑制が必要となる。それ以前に、昼間はほぼ全日、太陽光で供給過剰のため、風力が入り込む余裕は無く、夜間は需要が少ない上に、出力を下げせれない原発と最低出力中の火力が稼働しているため、風力を受け入れる余裕もない。従って洋上風力は1年の内の殆どが出力抑制の対象となって仕舞う。


(図2.1)

(2)解決策;洋上風力は即、液化水素へ変換 

風力発電、特に洋上風力に対する特別な供給過剰対策が必要である。

通常のやり方で系統に乗せようとすると、すぐに出力抑制の対象となり殆ど発電が許されない状態になる。それを避けるには、同時同量の計算対象から外すために発電した電気は系統に乗せずに直接液体水素に変換して、後でトラック便か船便で輸送する手段を取るべきである。

電力系統で運ぶなら、需要の少ない時間を限定して送電することも可能であるが、系統に乗せるには供給不足の地域発生を待たなければならないが、日本全国供給過剰の為、望み薄である。


(図2.2)

Ⅲ.完全なる脱炭素化を進めるには、更なる対応が必要

(1)太陽光と風力だけで年間電力需要を満たせるか?

経産省推奨の「供給過剰分切捨方式」で、再エネ化率を高めようとすると、切捨部分の方が多くなり再エネ化率は高くならないだけでなく、発電業者が経済的にも採算の取れない状態になってしまう事を説明する。説明を分かりやすくするために、太陽光と風力だけに限定して、他の者は一切省いた東京電力のデーターを使用する。東京電力の電力需要は夏と冬にピークが来て、春と秋は需要は少なくなり、特に5月ゴールデンウィーク期間は最低需要になるのは、毎年ほぼ同じパターンである。

一方、太陽光発電は6月の夏至の頃を最大となり、12月の冬至の頃が最小となる。地球は太陽の周りを一定軌道で公転しているため、太陽からのエネルギーは毎年ほぼ一定である。途中梅雨の季節や台風の季節には、その年によって多少の変化はあるが、一年を通すとほぼ一定の量である。一方、風力発電は春や冬は風は多いが、夏は少ない。但し、太陽光に較べると、年毎に発電量が変化する点では異なる。

以上の条件で、東京の1年間の電力需要を太陽光と風力だけで、供給した、すなわち、年間電力需要=年間太陽光発電+年間風力発電になるように、現在受け付けている承認済と検討待ちの半分が稼働したとして作成したグラフが、(図2.3)である。このグラフから分かる事は、年間では需要と供給は一致しているが、夏と冬のピークには供給不足となり、1月~6月までは供給過剰となる。

供給過剰の時は出力抑制として捨て去り、不足のところは何処かから供給して貰うか、火力発電を稼働させなければならない。その結果、再エネ化率は90%にしかならない。そこで再エネ化率100%を目指して、8月の不足のところを再エネで供給させるために、8月の需要 = 太陽光+風力になるまで全体を底上げしたグラフが、真ん中の(図2.4)である。全体が底上げされたため、供給過剰分が極端に増える。風力の捨てられた量は、227TWhもあり、年間需要279TWhの81%に相当し、 風力発電の68%が無駄に捨てられることになる。捨てられる分を15円/kWhで計算すると、毎年3.4兆円になる。年間売り上げ6兆円弱、経常2000億円前後の東京電力がこんなに沢山、出力抑制として捨ててしまうのを黙って見ているだろうか?経産省の制御方式では、毎年3.4兆円、しかも、風力発電の68%も捨てることになる。

東京電力の例では、供給過剰として捨てられる分を一時保存すると、1年間で27.6TWhとなった。この量はピーク月8月1か月間の需要量に相当する。果たしてこのような大規模蓄電池は存在するのか?

答えは「マイクログリッド」を推進すれば大規模蓄電は実現できる。詳細は弊社HP参照ください。


(図2.3) (図2.3) (図2.3)

後編.再エネ拡大の問題点解決方法

Ⅰ.太陽光発電毎に系統用蓄電池導入で解決

(1)供給過剰解決に影響する太陽光の特性

晴天日の発電量をいったん蓄電池溜め、発電終了後に24時間かけて均等放電すると、1時間当たり放電量は南中時の最大発電量の3分の一から4分の一になる。夏至の頃は3分の一で、冬至の頃は4分の一になる。(図3.1)は3種類の太陽光発電に対して、その一日分を24時間均等放電した時の放電量をグラフにしたものである。なお、発電量は夏至に近い日の発電実績であるため3分の一になっている。

一番少ない発電量ステップ1(白実線)の南中時の最大発電量は約2,500万kWh、24時間均等放電時の放電量は847万kWh(白点線)。ステップ2(赤実線)の南中時の最大発電量は約7,922万kWh、24時間均等放電時の放電量は2,683万kWh(赤点線)。ステップ3(黒実線)の南中時の最大発電量は約12,675万kWh、24時間均等放電時の放電量は4,294万kWh(黒点線)。


(図3.1)

(2)適応例(タケノコ狩りの概要)

各太陽光毎にHBBSまたはPVSS接続させ発電した電気は一旦それぞれの蓄電池に蓄電し、発電終了後のゼロ時から24時間均等放電する。タケノコの高さが3分の一程度の高さになる。発電したその日に、センターで翌日の稼働計画作成締め切り時間直前に、各発電所で蓄電した量を知らせて来るので、火力発電の稼働計画作成に反映できるため、火力の最低出力を思い切り下げる事が出来る。

均等放電で供給過剰になる事が事前に分かった場合は、水力やバイオや風力の出力調整で解消できる。それでも解消できない場合は、南中時に日本全国一斉に供給家事にはならないので、連携線を使用して他所に支援をお願いすることも可能である。他地域でHBBSを使用していれば、南中時に一斉に供給過剰にはならないので、連携線の役目が果たせる。風力は必要に応じて抑制されることはあり得る。

完全な脱炭素化を進めるには、更なる高度な対策が必要となる。詳細は 「Ⅲ.完全なる脱炭素化・・・」に記述している。

重要ポイント

これだけ太陽光の導入が増えると、供給過剰も大容量になる。 これだけの供給過剰を解決する方法は、即、太陽光導入を停止するか、[タケノコ狩り」を実施するしかない。

太陽光にHBBS導入で、抑制解消以外にも太陽光自体にメリット有るが、 風力と火力発電を行う電力会社にもメリットがある。

抑制解消によるメリットをそれぞれの売電単価を当てはめると、火力発電の効果が一番大きく、HBBSコスト以上の効果となる。

火力発電を所有する電力会社にとっては、抑制解消による燃料費削減効果以外の効果、例えば、送電線容量3倍に増設したと同じ効果等が有る。

電力会社にとっては、抑制解消による燃料費削減効果や、抑制のための諸 管理費用削減効果など、経営上の効果が多く得られる。

電力自由化で、激しい価格競争下にある電力会社は、HBBS導入を積極 的に行えば、価格競争を有利に展開できるのではないだろうか?

Ⅱ.系統用蓄電池はハイブリッド・バッテリー・システム(HBBS)

(1)HBBSの構成と機能と効果

①HBBSのシステム構成(図3.3)

ソーラーパネルで発電した電気一日分を蓄電池に保存する。

任意の個数の蓄電池の容量の合計値は、一日分の発電量を収容し、且つ、蓄電と放電の同時処理が可能な容量である。

②HBBSの機能

★パネルで発電した電気を直流のまゝ蓄電池に蓄電する

★毎日決められた時刻に、前日の同時刻から24時間かけて蓄電した量をHOSTへ知らせる。

★毎日、決められた時刻(通常は午前ゼロ時)から24時間かけて均等放電する。

★前日分の24時間放電と当日発電分の蓄電を並行処理行う。

③HBBSの蓄電池容量

(a)一日分の容量

 太陽光発電の1年間の中での一日当たりの発電量は、365種類ある。多い順に並べると図3.4のようになる。「緩やかなS字カーブ」と呼ぶことにする。 図4.4は神奈川県に設置された13MWの発電装置から実際に発電した日別発電量を多い順に並べたものである。一日当たりの最大発電量は90,860kWhで、平均は44,637kWhとなっている。一日当たりの発電量をどこに決めるかは蓄電池の投資効率に大きく影響する。弊社の計算では最大値の90,860kWhではなく、65,000kWhの容量が利益率では最適であるとした。


(図3.4)

(b)蓄電と放電の同時処理を行うための蓄電池容量

    (1)一日の発電量と放電量の時間別変化(図1)

発電は日の出時刻から始まり、南中時に最大発電量となり、日没で終了する。放電は午前ゼロ時か   ら、毎時同じ量(前日発電量の24分の一の量)が均等に24時間かけて放電される。

    (2)蓄電量の変化(図2)

一日当たりの発電量を1とする。前日蓄電された量は、1時間ごとに24分の一づつ減少し、24時間後にはゼロになる。当日の流れ蓄電量はその日の出時刻から、当日の発電が始まり蓄電量が増えていく。日没時刻にその日の蓄電量は1になる。

    (3)合計蓄電量の変化(図3)

合計蓄電量は0時に1から始まり徐々に減少し、日の出時刻から少しづつ増加し15時に最大値1.331になり、最終時刻には1になって終了する。

(2)何故、集中ではなく、パネル毎に蓄電池を設置するのか?★★★★  経産省の過去の失敗[経産省の幼稚な解消策」★★★★

需要を超えた昼の再エネ分を、電力会社の変電所に設置された蓄電池にいったん保存し、夜間の需要に対して供給し、翌日の供給過剰時までに消費して、蓄電池を空にしておくこと (図3.6)で「需給バランスを改善する」と言う方針で東北と九州に大規模蓄電池を設置した。(2016年2月)   


   (図3.6)

今年(23年)4月9日の抑制された量3,777万kWhを豊前変電所に蓄電するとしたら、変電所の容量を1,300倍にしなければならない。その広さはサッカー場が5,400個作れる広さである。30年頃は抑制量も3倍以上になるので、この蓄電池も3倍とすると、その面積はサッカー場の1万5千個くらいの広さとなり、全くナンセンスな話である。経産省のエリートが考える対策とはこんな程度である。情けない話だ。


パネル毎に個別に蓄電池を設置することの(集中設置と比較した)メリット

★パネルが一日で発電する量を収容する蓄電池容量であるので小規模の蓄電池になる

★パネルの下に蓄電池を設置するので、蓄電池専用のスペースは不要である。

★パネルが発電した直流のまゝで蓄電するため、直交変換のロスが無い事と、変換のためのパワコンが不要となることと、変換ロスが無いため発電量が多くなる。

★接続電圧が3分の一になるため、接続変電所が1ランク下の変電所に変る。1ランク下の変電所の数は、多くなるので変電所までの距離が近くなる確率が高くなり、接続工事負担金が大幅に減少する可能性が有る。

(3)HBBS適応による出力抑制解消以外の効果

①太陽光発電業者にとってのメリット

★出力抑制が、完全に解消し、天気通りの安定化した売電収入が確保できる。                                                       (注)24時間放電で供給過剰はほぼ解消するが、一部で、深夜などの時間に供給過剰になる事も有り得るが、それは事前に分かる事なので、揚水発電や、他の水力の出力調整、あるいは連携線で他社に依頼する等で対応可能である。

直流から交流の変換が不要となるためパワーコンディショナーが不要となる                                                   パネル購入コストが20パーセント程度安くなる                                                                                                         ♦直流から交流変換が不要になるため発電量がその分増加する

★系統接続電圧が3分の一になるため、接続工事負担金が大幅に安くなることがある。                                 

★蓄電池はパネルの下に設置脛ので、蓄電池用の土地は不要である。

②風力光発電業者にとってのメリット                                                                                 ★風力発電には蓄電池は設置しないのに、昼間の出力抑制が、大幅に解消する。

③系統制御を行う電力会社にとってのメリット                                                                ★太陽光と風力の発電量が増えた分、火力発電量が減少するので燃料コストが大幅に減少する                         ★太陽光の系統への接続電圧が3分の一なる事で、系統容量が3倍に増えた効果が出る。                             ★太陽光に対する出力抑制が完全に解消し、風力は激減するので、出力抑制に対する作業が激減するため、作業コストや管理コストが激減する。                                                                                                                      ★HBBS接続の太陽光から毎日決められた時刻にその日の発電量を知らせて来るので、発電予測が不要となる。発電予測に必要なコストが激減する。                                                                                                                   ★太陽光の出力が天気の急変で激変することが無くなるので安定運転が可能と成り、火力の最低出力が大幅に減少する。

(4)HBBS使用で系統接続変更の工事負担金減額のサンプル

①接続ルールと変電所の件数

 PVの容量(最大出力)に従って、電力会社の系統の接続場所が決まっている。接続ルールを図にすると図3.7となる。


(図3.7)

接続ルールを表にすると(図3.8)となる。

 10000kW以上の太陽光は、南中時の最大出力の電圧の関係から66KVの1次変電所へ接続しなければならない。2000kW〜10000kWは22kVの中間変電所への接続となる。

   以下同様。


1次変電所は日本全国で661ヶ所しか無いため、確率的に遠距離接続となる。高圧の送電は高価な鉄塔が必要となり、その費用は1km当たり0.9〜3.2億円となっている。10kmの送電線が必要であればその費用は9〜32億円となる。 発電業者は接続のための工事費を負担しなければならない。


接続ルール(図3.8)

 ・50kW未満は、接続先は同じである。

 ・50〜150kW未満は、HBBS導入後、 50kW未満と同じ接続先に変更となる。(変更のあるものは赤で編みかけしている)

 ・以下同様


(図3.8)

②接続に必要な設備費がいくら安くなるかのシミュレーション  

(距離と電圧に関連する設備費のみを比較する)

    ケース1.13000kWの太陽光発電所の場合(図3.9)

1次変電所まで10km、中間変電所まで5kmとする

   シミュレーション結果

  HBBSを使用すると6.05億円から31.15億円の範囲で設備費用が安くなる。

費用のうちほとんどが1次変電所と太陽光発電所の距離に関連している。


(図3.9)

 ケース2.7000kWの太陽光発電所の場合(図3.10)

 中間変電所まで5km、配電変電所まで1kmとする

  シミュレーション結果

HBBSを使用すると2.5億円から5.7億円の範囲で設備費用が安くなる。費用の違いは電圧の違いで設備費が違ってくることに起因している。


(図3.10)

(5)蓄電池コストと売電収入の関係

❤❤❤❤ 1年間の発電実績から容量とコストを推定する  ❤❤❤❤

①13000kWの実績(図Ⅲ.5)から売電収入を推測する


1年間の発電                                                         16,425MWh

1年間の売電収入(12円/kWh)                            19,710万円

20年間の売電収入                                              394,200万円

1万kWのパネルの20年間の売電収入                   30.3億円/万kW


②蓄電池コスト


使用する蓄電池はNAS蓄電池として2.4万円/kWhで計算した。


1.3万kW時の蓄電池容量(6万kWh×1.33) 79.8MWh

1.3万kW時の蓄電池コスト(2.4万円) 19.2億円

1万kWのパネルの蓄電池容量     61.4MWh

1万kWのパネルの蓄電池コスト 14.7億円/万kW


(6)HBBS電力会社別2030年頃の全太陽光の蓄電池費用 

①地域別太陽光容量とHBBS容量とコスト(図3.11)

(5)で求めたkW当たりのコストと収入を適応して、必要な蓄電池容量とコスト等を計算した。


(図3.11)

蓄電池使用で増加または減少した発電量を、IT買取単価もまたは公表されている火力の単価で計算とした結果、なんと火力が最大効果を生み出している。東京電力では太陽光の効果が、風力より少ない最低の額であった。20年間の額は東京も東北も、系統下の全蓄電池のコストより大きな額である。蓄電池コストを太陽業種だけに負担させることは、極めて大きな不公平を生み出すことになる。

②太陽光、風力、火力が得られる直接効果の金額換算 

HBBS使用で増加または減少した発電量を、IT買取単価もまたは公表されている火力の単価で計算 とした結果、なんと火力が最大効果を生み出している。東京電力では太陽光の効果が、風力より少ない 最低の額であった。20年間の額は東京も東北電力も、系統下の全蓄電池のコストより大きな額である。 蓄電池コストを太陽光だけに負担させることは、極めて大きな不公平を生み出すことになる。    


(図3.12)

(図3.13)

(図3.14)

東京電力は自社の系統に接続された全太陽光の蓄電池のコスト6兆3866億円を負担すると、火力発電の燃料費が20年間で13兆1397億円節約できる。         

東北電力は3兆3398億円の投資で5兆4638億円の燃料費の節約となる。 太陽光だけに蓄電池を適応したにも拘らず、風力と火力発電にも効果が出ている。

しかも、最大効果は火力発電で、太陽光は最小の効果でしかない。全太陽光に必要な蓄電池コストを、火力の効果だけで十分に補えるほどである。

結   論

♦大量太陽光導入で発生する出力抑制を解消する方法は、各太陽光毎にHBBSを導入する以外に存在しない。


♦太陽光にHBBS導入すると、風力と火力発電と、電力会社にもメリットが発生する。新規太陽光には、パワコン不要、工事負担金軽減の効果もある。


♦抑制解消によるメリットをそれぞれの売電単価を当てはめると、火力発電の効果が一番大きく、全HBBSコスト以上となる。


♦火力発電を所有する電力会社には、燃料費削減以外の、例えば、送電線容量3倍に増設したと同じ効果、抑制のための諸管理費用削減効果など、経営上の効果が多く得られる。


♦HBBSコストは、系統制御を行う電力会社が、自社の系統制御用資産として負担すべきである。


♦HBBS導入を積極的に行う電力会社は、電力自由化の価格競争を有利に展開でき、利益率も向上し、株価も上昇する。いいことづくめだ。


♦しかし、電力会社は動かない、経産省の指導が無いからだ。原発再稼働だけ望んでいる経産省は、再エネが潰れる方に誘導している。


♦経産省が計画している解消策「再エネ出力制御の低減に向けた取組について」(2023年5月29日)  には「タケノコ対策」が全く存在しない。意図的に外しているのを見ると、彼らの狙いが読み取れる。



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