小泉環境大臣殿!!
2倍の再エネを2030年までに稼働は、
日本のディープステートとの戦に
勝つ必要あり、勝てますか?
(2021/1/25)
小泉 進次郎環境大臣は12月15日の会見で、
2050年のカーボンニュートラル実現のために、
「2030年までに再エネを倍増」すると発表した。
大臣、お言葉ですが、「2030年までに倍増」と気張らなくても、
既に電力各社が受付ている申請で、5~6年先には実現出来ますよ。
しかし、導入量を倍増しても出力抑制が10倍以上増え、
発電業者の売電収入は極端に少なくなり、発電業者倒産が激増します。
出力抑制を減らす対策はあるが、
再エネ反対派(日本のディープステート) から強く抵抗されてます。
再エネが上手く行ってしまえば、原発が不要となってしまうからです。
反対派は、再エネの失敗を秘かに狙ってます。
その抵抗に勝つためには、小泉大臣が、
再エネ反対派(日本のディープステート) と戦えるかどうかです!!
セクシーでなく、血みどろの戦いです!!
この戦いに勝てば、小泉大臣は
米国のトランプ大統領に次ぐ「ディープステート勝者」として
将来の総理大臣として期待され、負ければ「脛かじり2世大臣」で終わり。
目次
膨大な説明資料(A4判で29ページ相当)です、十分な時間をお取りください。
Ⅰ.既に受付済みで、5~6年先には、約3倍の再エネ導入予定
(1)現在の再エネ受付状況
(2)電力各社別「現在」の稼働状況
Ⅱ.全てが稼働の時、全国が供給過剰になり、出力抑制頻発が始まる
(1)全てが稼働し始めたときの再エネ化率
(2)東京電力の稼働状況詳細
(3)北海道と東北の稼働状況詳細
(4)センター停止回数と各発電所の停止回数
Ⅲ.小泉大臣は、日本のディープステートと戦えるか?
(その1)見せかけ罠「経産省主導の出力抑制対策」
(その2)効果が出すぎるので、取組まない罠
Ⅳ.何故、供給過剰が激増するのか?
理由①太陽光のタケノコシンドロームが原因で供給過剰が発生する
理由②昼の風力は、タケノコと道連れで共犯者となる
理由③夜間の風力は、昼の半分以下の需要に苦しむ
Ⅴ.解決策は有るのか?
解決策(1)太陽光のタケノコシンドローム対策
解決策(2)供給過剰にならないようにする対策
❤ 隠し味①最低出力を下げる事が出来る
❤ 隠し味②停止発電所数の減少が出来る
Ⅵ.解決策実施効果
(1)解決策実施内容
(2)解決策実施結果 効果はどの程度出たか?
(イ)北海道電力
(ロ)東北電力
(ㇵ)東京電力
(二)洋上風力の能力は出せるか?
Ⅶ.再エネ化を更に高める対策 & 技術
(1)再エネ化率を更に高める必要性と対策
必要性①火力発電を一部または完全停止する
必要性②発電と需要の季節ギャップを、GSで埋める
必要性③同時同量の枠を超えた地産都消
必要性④洋上風力は電力系統に乗せずに、直、液化水素に変換
必要性⑤大災害に備えよう
必要性⑥日本もエネルギー輸出国にする
必要性⑦国際有事によるエネルギー価格変動に強い体制を強化する
(2)再エネ化率を更に高めるために必要な技術
(イ)グリッド・ストレージ
(ロ)新時代を創る『新エネルギー産業革命』
Ⅰ.既に受付済みで、5~6年先には、
約3倍の再エネ導入予定
(1)現在の再エネ受付状況
電力各社別受付状況
(図1.1)は、現在、電力各社の稼働中と受付中の種別ごとの容量である。
稼働中の再エネ容量が約10,000万kWで、稼働していないが既に承諾しいる容量は5,000万kW、検討申込後承諾に至っていないものが12,000万kWもある。承諾後は、3年以内に稼働することになっているので、5~6年後には全てが稼働している確率が高い。
その時は現在稼働中の2.9倍程度になる。
「2030年までに倍増」と気張らなくても、25年頃には軽く3倍近くになる。
(図1.1)
(出典)電力各社の「再エネ接続・申し込み状況」より弊社が編集
(注)検討申込・承諾済みが実際稼働までに辿り着く確率は?
承認済分が稼働に辿り着く確率は高いが、検討申込分が稼働に辿り着く確率は低い。しかし、辿り着かなくても、新たな申し込みが次から次に出て来て、5年~6年間に現在以上の容量になります。また再エネを主力電源にするためには検討申込以上の容量が必要である。
風力の検討申込量は承認済に比べると4倍以上も多い。洋上風力のブームに乗ってるからと推定している。しかし、洋上と陸上の比率は明記されていない。洋上の発電効率は陸上の2倍と言われているが、実際に稼働に至る確率も低いと思われるので、陸上の発電効率で計算した。
(2)電力各社別「現在」の稼働状況
(図1.2)は電力会社別再エネ化率と出力抑制発生状況である。
日本全体の再エネ化率は17.9%で、再エネ化率の高い地域は、東北、北陸、四国である。
高い理由は、北陸は水力発電が盛んな地域で、再エネ化率34.2%の内、水力(殆どが大型水力)が27.6%で、太陽光などは6.6%に過ぎない。
2番目に高いのは東北で、太陽光の占める率は日本で一番少なく全再エネの内36.8%しかないが、再エネ化率が大きくなる理由は、全需要に対して40%近くも供給過剰になっているからである。再エネ化率の定義を再エネ全発電量 ÷ 全需要量を、再エネ全発電量 ÷ 全発電量へ変更すると東北は24.8%にしかならない。
(本来なら全需要量=全発電量であるが供給過剰であると発電量が大きくなる為)
東北に次いで再エネ化率の高い四国電力は26.8%であるが、四国も51%の供給過剰であるので、全需要を全発電量で置き換えると17.7%にしかならない。
出力抑制が発生しているのは九州だけで、40%も供給過剰の東北と四国には出力抑制が発生していない。発生しない理由は、東北は東京が、四国は関西が連携線経由で供給過剰分を引き取って処理しているから出力抑制には成ってません。
(図1.2)
(出典)電力各社の「2019年電力需給実績(EXCEL)」のデータを処して弊社が集計・編集
Ⅱ.全の未稼働の再エネが稼働開始すると、
全国が供給過剰になり、
出力抑制頻発が始まる
3倍の容量の再エネを導入したにも拘わらず、
再エネの主力電源化はやや遠く、
増えるのは出力抑制で、売電収入が激減し、
発電業者は倒産状態になる。
(1)全てが稼働し始めたときの再エネ化率
承認済と検討申込中の全てが稼働した時の結果が(図2.1)である。
( 計算で風力は陸上風力として扱っている点をご注意ください)
再エネ容量を3倍近く増やしたのに、再エネ化率は36.1%にしかならない。日本全体としては主力電源と言えるところには至っていない。
再エネが主力電源になったと言えるのは、一部の地域だけで、四国、北陸、東北の3地域である。この地域は拡大前から再エネ化率は高かった。
問題は、再エネ化率はたいして高くならないのに、出力抑制率が非常に高いところが激増している。出力抑制率とは再エネの全発電量に対して発電禁止になった率を表す。出力抑制率が50%と言うことは、半分しか発電させてもらえなかったことを意味する。発電しなかったのだから発電収入もそれだけ少なくなる。太陽光の抑制率が高いのは、九州、東北、北海道で、60%が抑制される。この地区の太陽光発電業者は年間売電収入が予定してい金額より60%以上も減少することになるので、倒産の確率も極めて高くなる。
(図2.1)
出力抑制率が高い主な理由
理由①地域の需要量を超える再エネ容量になっている。
理由②関西を除く8電力で再エネの発電で供給過剰になるため、連携線を使用して
他所の地域に過剰分の消費依頼が出来ない。
(「仕掛罠①の連係線容量拡大は罠である理由」でその理由を説明します)
(特別注意)
風力発電は陸上風力として陸上の発電効率を適応した。しかし、洋上は陸上の2倍の発電効率と言われているので洋上風力の発電効率を適応しても、再エネ化率は上がらず、出力抑制として捨てられる量が増えるだけである。
(2)東京電力の稼働状況詳細
★年間稼働状況
年間を通した再エネ化率は32.7%で、再エネが主力電源になったとはいえない。
しかし、出力抑制はかなり激しく出ている。再エネ化率が30%を超えると、突然出力抑制が増える典型的な例である。「東京電力には出力抑制はあり得ない」と言う都市伝説を信じていた人たちにとってはかなりのショックであろう。
出力抑制の詳細を見よう。太陽光の出力抑制がが43.2%で、風力が41.1%であると言う事は、本来だったら100発電できるのに、太陽光は43.2%が発電禁止、風力は41.1%が発電禁止となることを意味する。それに比例して売電収入も発電禁止が無かった時に比べると、その率程減少することを意味する。予定の40%も減少すれば、殆どの発電業者は倒産に陥るだろう。
★月別稼働状況
再エネ化率32.7%の東京電力の1年間の月別電源別発電量をグラフ化すると、(図2.1.1)になる。その中で白地部分が供給過剰で発電禁止になった部分である。白地は太陽光にも風力にもある。
白地を少なくするには、ピンクの火力をもっと下げればよい。計算上では火力の最低出力は、現在の最低値より少ない値を使用している。これ以上下げるには、新たな技術導入が必要である。
白地(抑制分) と色付き(有効分)を合わせた量は、需要曲線(赤破線)を超過している。従って、これ以上再エネを導入しても出力抑制の対象になるだけである。
東京電力 拡大後の月別稼働状況 (図2.1.1)
(東京電力では現在原発は稼働していないが、近い将来
柏崎の5号機と6号機が稼働すると想定して組み込んだ)
★日別稼働状況
日別の詳細を見てみよう。ごく平凡な日を選んで、3月20日から26日までの詳細見る。(図2.1.2)この7日間の全日が太陽光と風力が共に抑制されている。抑制量は需要量2500~3500万kWhに対して、最大5,000万kWhも発電禁止になっている。抑制量を軽減させる対策として火力発電の出力をぎりぎりまで下げ、東北からの連携線での受け入れも送り出しも行っていない。九州電力方式で、余裕をもって大目に停止させるので、需要曲線を遥かに下回る量を停止させている。
その穴埋めとして揚水発電を毎日働かせている。馬鹿々々しいやり方だ。
東京電力 拡大後の日別稼働状況 (図2.1.2)
東京電力の再エネ化率を主力電源と言えるまで高めるには、洋上風力に力を入れるだけでなく、
①太陽光の抑制率を完全に解消させる
②火力の発電を極限まで下げる
等に、全力を投入すべきだと思う。
(3)北海道と東北の稼働状況詳細
★★★抑制率最悪の北海道と東北の稼働詳細★★★
★月別発電状況
(図2.2.2)は北海道と東北の拡大後の1年間を、月別電源種別毎に集計した発電量を表示した稼働図である。その両グラフの白地の部分は出力抑制で発電させてもらえなかったことを意味している。(図2.3)はそのグラフを作成した基データである。予測計算は電力各社の2019年度電力需給実績に対して、新しい再エネ量を適応した。なお、風力発電は陸上風力として扱った。
白色部分の出力抑制を見ると、両社の風力も太陽光も1年間通して抑制されているのが分かる。特に風力の抑制が酷過ぎる。北海道の風力は全風力発電量のうち75.5%が、東北は54.3%が発電禁止になっている。太陽光は東北が60.3%、北海道は60.7%が禁止である。
洋上風力の発電効率は陸上の2倍と言われている。拡大時のシミュレーションでは電力会社が公表しているリストには陸上と洋上の区別がなく、ただ単に風力としか表記していないので、全てを陸上として陸上の発電効率で計算している。
仮に洋上の効率を適応すると、(図2.2)の風力の白色が増えるだけ(抑制部分) で、有効部分は殆ど変わらない。東北も北海道も洋上の効果は殆ど出ないと断言できる。
だから、これ以上太陽光や風力が導入されても、全て発電禁止になるだけである。コストのかかる洋上風力の投資を回収するのは非常に困難であると言える。
また、北海道では火力の発電量は9,188GWhに過ぎないが、風力の抑制された量22,901GWhより遥かに少ない。風力の抑制が完全に解消されれば、火力発電や原子力発電が無くても需要は満たせることを意味している。火力と原子力が無くても再エネだけで供給過剰になる。これの解決には、現在の再エネ導入に対する考え方を根本的に変えていくことが必要となる。その件は、「Ⅴ.解決策は有るのか?(4)再エネ100パーセント以上にする技術対策」で詳しく説明する。
★日別発電状況
日別の詳細を見てみよう。ごく平凡な日を選んで、グラフを作成した。北海道は11月14日から20日、東北は1月1日から6日(図2.2.1)。
このグラフを見ると北海道も東北も出力抑制だらけで、まるで抑制のために発電してるようだ。風力発電だけを見ると北海道は92%を、東北は80%を捨てている。正にドブに捨てる状態である。捨てた量を見ると北海道は1,001GWh、この期間の需要633GWhより遥かに多い。東北の捨てた量は1,082GWh、有効分は279GWhで合わせると1,361GWh。この期間の需要1,336GWhより多い。
北海道も東北も風力発電だけでこの期間の需要を賄う事が出来ることが分かる。
このグラフは陸上風力の発電効率を適応しているが、効率の良い洋上風力を適応しても、捨てられる量が増えるだけで、洋上風力はコストがかかるだけで何の経済効果をもたらさない。今のうちに洋上はやめる方が賢明である。
北海道と東北の拡大後の日別稼働状況 (図2.2.1)
出力抑制の多い北海道と東北の1年間の稼働図 (図2.2.2)
北海道と東北の1年間を、月別電源種別毎に集計した発電量 (図2.3)
(図2.1)を見ると、再エネ化率が30%台の東京と中国電力も、出力抑制率が30%から40%になっている。再エネ化率が30%を超えると急に抑制率が増えることを証明している。
風力発電に関しては、風力発電最適地北海道で75.5%も発電禁止だが、北海道は風力発電最適地と言う詐欺に引っかかったしか言えない。北海道は電力需要も日本一少ないため、そよ風が吹いただけで供給過剰になるのを見落としている。九州の75.5%発電禁止も驚きである。九州が多い理由は、年間需要の3分一以上を原発が稼働しているため、再エネの導入余地が少ないからである。原発を止めていれば、出力抑制は全く発生しないのは明確だ。再エネ業者を殺してでも自分(原発)だけは生き延びようとしている。
(注)ここで言いたいことは「原発を止めろ」ではなく、「原発が稼働しても再エネが導入しやすい環境を強化すべき」である。弊社は「原発と再エネの共存」を主張してます。
経産省も出力抑制の見通しを「驚くほどの停止時間」で発表済み
(4)センター停止回数と各発電所の停止回数
★★★出力抑制率が多かった3地域の月別停止回数等★★★
センター停止回数とは、その地域の系統を制御する中央給電指令室が、発電禁止(出力抑制)命令を出した月別の回数である。
センター停止回数の一番多いのは東北で、365日の内、昼は340回出ている。夜は217回である。太陽光は昼だけが対象となるが、風力は昼も夜も対象となる。従って、昼と夜の2回も停止させられる発電所も出てくる。
各発電所の停止回数とは、1回のセンター停止命令で全発電所が停止するわけではない、供給過剰量に相当する発電所だけ停止させるので、一つの発電所は数回のセンター停止で1回停止するようになる。北海道の太陽光(PV)は1年間に225回または226回停止、風力は昼と夜を合わせて428回~429回の停止となる。
1回の停止は昼の場合、午前9時から16時までのほぼ一日停止となるのでその日の発電は諦めざるを得ない。また太陽光の場合、天気のいい日に限ってすなわち発電量の多い日に限って停止させられるので、売電収入減の率は非常に大きくなる。例えば225回の停止では、225 ÷ 365 = 61.6%ではなく、発電量の多い日から225回であるため、弊社の計算では年間発電予定量のうち80%の収入減となる。
80%も年収が減ってしまうのでは、生き残るのは困難になる。北海道、東北、東京は、発電業者の屍がゴロゴロの地獄となる。
北海道、東北、東京の月別発電所停止回数 (図2.4)
3倍以上の再エネを導入しても、発電した電気は捨てられる方が多く、再エネ化率はほとんど伸びず、いたずらに出力抑制が増え、期待していた売電収入はどんどん減り続け、発電業者の倒産で業者の屍の山を築くことになる。
再エネの投資は大金をドブに捨てるのと同じで、再エネの主力電源化と言う詐欺にひかかったとしか言えない。 日本のディープステート(原発推進派)は屍ゴロゴロを見て、してやったりとニャ付く。
日本のディープステート(原発推進派)
は “再エネ壊滅 “を歓迎
原発推進派こそ日本のディープステートだ!!
発電業者の屍の山を見て、原発推進派は呟く。
“これで再エネもジ・エンド、
やっと俺達の時代に戻った“
再エネ推進派は初めて、“再エネの主力電源化“は
国策詐欺だったことに気づく。
時すでに遅し、“再エネの主力電源化“も
“脱炭素社会“も、“EV車“も“RE100“も、
夢のまた夢に過ぎなかったと気付く。
Ⅲ.小泉大臣は、
日本のディープステートと戦えるか?
反対派の"大きな罠"を見抜けるか?
経産省も懸命に抑制改善に取り組んでいるので、再エネの導入が世界的なレベル以上に出来ているとアピールし、それでも抑制が発生したら、『「無制限・無保障」を知りながら投資した発電業者に責が有る』と言って社会を誤魔化すだろう。
彼らが仕掛けた「大きな罠」には、2種類ある。
その1;再エネ化へ真剣な取組みを見せかける罠
❤仕掛罠①連係線容量拡大で出力抑制大幅解消が出来る
❤仕掛罠②火力の最低出力を更に下げる
❤仕掛罠③遠隔(オンライン)制御拡大
❤仕掛罠④経済損失の調整
その2;効果出すぎの為、取組まない罠
💀取組まない罠⑤太陽光のタケノコシンドローム対策を無視
💀取組まない罠⑥全ての地域が供給過剰になった時の対策を無視
💀取組まない罠⑦再エネ100パーセント以上にする技術対策を無視
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
(その1)見せかけ罠「経産省主導の出力抑制対策」
2018年の審議会で九州向けに決定した対策
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
効果の無い対策で再エネ拡大を誘込、奈落の底に引きずり込む陰謀
参照⇒効き目なし、経産省の出力抑制解消対策、これじゃ脱CO2も脱原発もはかない夢
⇒間違いだらけの、経産省の出力抑制解消対策、これじゃ脱CO2も脱原発もはかない夢
仕掛罠①;連係線容量拡大で出力抑制大幅解消が出来る
九州から本州への再生可能エネルギー送電量を105万kWから135万kW前
後へ2019年3月末までに容量拡大する。この拡大で出力抑制が大幅解消出
来る。
仕掛罠①の連係線容量拡大は罠である理由
連携線利用で出力抑制が少なくなるのは、連携線の先に供給力不足の
地域が有るからで、連携線そのもので処理しているのではない。
問題は、全地域が供給過剰になった時どこも引き受けられないことだ。
連携線容量の拡大で出力抑制が解消できると言うのは、電気のことも
再エネのことも知識の乏しい人達を騙す一番手っ取り早い方法。
(系統線容量拡大は、接続量を増やす事は可能だが、抑制を減らす事には成ら
ない。逆に接続量が増えた分だけ、出力抑制が早まる事になる)
(図3.1)は2019年度の電力9社間の連携線利用量と、その連携を表したもの
である。 黒の数字は、不足しているため他社から補給し た、赤字は供給過
剰で他所に処理を依頼したことを意味する。
同時同量は電力9社間で瞬時瞬時に成立しているから、月間でも年間でも成
立するのは当然である。(図3.1)は電力会社ごとの年間の連携線利用量を
表している。どこが不足し、どこが過剰になっているかが分かる。この図か
らすべての地域が過剰になった時、処理ができるのか考えて貰いたい。
(図3.1)
(図3.2)
(図3.2)は供給過剰の4社と、供給力が不足している5社の合計値を
比較している。両合計値を比較すると4GWhの差しかない。
この差は、送電ロス、周波数変換ロス、直交変換のロスであるので、年
間を通して同時同量が成立していると見なせる。
(図3.1)と(図3.2)で言いたいことは、連携線の容量を増やしても供給過剰の解消にはならない。供給過剰の解消は、供給力不足のところがあるから出来るのであることを証明している。
(図3.1)と(図3.2)で言いたいもう一つのことは、数年後には全域で供給過剰になるが、その時、供給過剰分を引き受けるところが無い事をしっかりと認識して欲しい。引き受け手がないことで最大の悲劇をもたらすが、経産省のエリートたちは全く「見て見ぬ振り」、いや「罠を仕掛けている」としか言えない。
仕掛罠②火力の最低出力を更に下げると出力抑制は大幅減少する。
再生可能エネルギーを制御する前の段階の火力発電やバイオマス発電の
最低出力量を更に引き下げる。
仕掛罠②の火力の最低出力を更に下げるは罠である理由
⇒⇒火力の最低出力を更に下げれば、再エネ導入量が増えるのは確かだ
が、下げるための具体的な提案がない。最低出力は火力発電装置の下
げ代機能で決まるので、新しい発電装置にでも切り替えなければ下げ
る事は出来ない。そんな装置が有ればの話であるが…。
仕掛罠③遠隔(オンライン)制御拡大
発電事業者サイドでの遠隔制御装置(オンライン制御)の設置促進する。
仕掛罠③の遠隔(オンライン)制御拡大が罠である理由
⇒⇒オンライン制御に切り替えても出力抑制量が減るわけではない。発
電を停止したり再開する発電所側の手作業が少なくなるだけである。
九州電力では、実際に停止すべき発電所の数より48パーセント増し
の発電所数を停止させているので、オンライン対象の発電所を停止
させる回数は極めて少なくなっている。公平の原則が大きく崩れて
いるのは問題である。
仕掛罠④経済損失の調整
「経済損失の調整」とは、実務上の出力抑制は確実に抑制できるオンライン
制御可能な再エネ設備に限定し、抑制に伴う再エネ事業者の機会損失につい
て事後的に抑制対象の事業者全体に均等に割り振る仕組みを指す。
仕掛罠④の経済損失の調整が罠である理由
⇒⇒出力抑制は確実に抑制できるオンライン制御可能な再エネ設備に限定
するとは言っているが、実際はオンライン制御装置を持った装置を優
遇する結果となっている。
抑制量全体が少なくなるわけではない。
2018年の審議会で九州向けに対策を取ったが、2019年の九州の実績を見ると減るどころか増えている。全く効果が無かったことが分かる。もともと見せかけだけの対策だったら、ディープステートは「してやったり」と似やついてる顔が見える。
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(その2)効果が出すぎるので、取組まない罠
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この対策が導入されると、太陽光は出力抑制もなく無制限に
導入可能となり、再エネ100パーや、脱炭素社会が実現出来、
原子力は不要となる。そうならないように、再エネ反対派は
この策を無視することに懸命である。正に、DSの手口。
供給過剰になる最大の理由は、太陽光発電特性のタケノコシンドロームである。
この特性の何たるかも理解せず、主力電源化を主張するのは、馬鹿の寝言に過ぎない。タケノコシンドロームについては、「Ⅳ.何故、出力抑制が激増するのか?」で詳しく説明する。
これを理解せず、主力電源化とかRE100を唱えるのは、足し算引き算もできない未就学児に微分・積分問題を出すのと同じだ。
取組まない罠⑥;全ての地域が供給過剰になった時の対策
現在、東北と四国は大幅な供給過剰であるが、出力抑制になっていない。東北は東京が、四国は関西が供給過剰分を引き受けているから、出力抑制になっていない。九州は主に中国が引き受けるが中国は九州より規模の小さい電力会社であるので九州の全てを引き受け出来ない。引き受け出来ない分が出力抑制となっている。
数年後未稼働案件が稼働し始めると、日本全国が供給過剰になる。その時、全域がは、一斉に全域が出力抑制となる。
経産省のお役人たちは、日本の全域で供給過剰になる事の警告を発信していない。それでいて「再エネを主力電源にする」と国民を欺いている。これはまさに詐欺である。まさに「国策詐欺」である。詐欺に掛かる人も悪いが、詐欺を行うのはもっと悪い。
悪いのは経産省だけでなく、学者や太陽光や風力の関連教会や売りたい一心の機器メーカーも完全に無視している。まさにこのグループが「日本のディープステート」である。その中心が経産省で、その裏にいるのが「原子力村」である。
取組まない罠⑦;再エネ100パーセント以上にする技術対策
気安く「RE100」(再エネを100パーセントにする)などと言って、多数の企業がその協会などに加入して、自慢げに「弊社はRE100を実現しました」なんて嘯いているが、知識レベルの低さに驚きだ。
何故、再エネ化率100パーの実現が難しいかを簡単に、(図3.3)を使用
して説明する。
(図3.3)は東京電力2019年度の月別電力需要実績と、風力と太陽光の実際に発電した実績を、
年間電力需要=年間太陽光発電量+年間風力発電量
になるように設定した場合の、各月の量をグラフ化したものである。
これを見ると夏場の7月~9月は需要のピークだが、風力は夏場に少なく冬に多い傾向にあり、太陽光は5月に比べるとやや少ない、風力と太陽光の合計は需要を満たしていない。
冬のピーク需要ではやや再エネが不足するが、1月から5月までは風力が大量に発電するので供給過剰となる。
年間の需要を再エネで賄うには、春に余った電気を夏まで保存しておかなければならないが、保存量は東電のような大都市にとっては、想像を絶する量となり、電気系統全体の革新的転換が必要となる。詳細は、
『Ⅴの(3)再エネ100パーセント化にする技術対策』で説明する。
参照⇒⇒再エネ化率80パーセント以上で、火力発電は不要となる。
(図3.3)
Ⅳ.何故、供給過剰が激増するのか?
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出力抑制が発生する原因を技術的に解説する
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理由①太陽光のタケノコシンドロームが原因で供給過剰が発生する
太陽光発電は導入量に合わせて南中時の発電量が上へ上へと伸びる。
決して、横には広がらない。
まるでタケノコがどんどん成長するかの如くである。
これをタケノコシンドロームと呼ぶ(弊社造語)
(図4.1)
タケノコは需要曲線を超える事は出来ない。タケノコの頭が需要量と一致する時点では、太陽光の発電量は一日の需要の30%程度となる。その時再エネ化率30%である。ただし、タケノコの下にベース電源やその他再エネがあると、30%以下となる。我が国のエネルギー基本計画で2030年までの再エネ化率を22~24%としているのは、ベースロード電源として原子力発電を想定しているからであろう。
逆に、太陽光だけで一日の需要を賄うとしたら、太陽光の発電量は南中時需要の3倍以上が必要となる。しかし、需要を超えたタケノコは切り捨てられる。従って、再エネ化率が30%を超えるためには、揚水発電、連携線利用、火力発電の最低出力を更に下げる対策など必要だが、それはごくわずかな効果しかないので、再エネ化率を50%以上、いわゆる主力電源にするためには需要を超えた部分を捨てるのではなく、有効利用する技術が必要となる。
太陽光発電に関しては、日本固有の地政学上の問題がある。
日本では標準時間が1種類であるため、日本全国が一斉に12時になり、一斉に18時になる。米国では西海岸と東海岸では3時間の差があるので東海岸のニュヨークが12時になっても東海岸のサンフランシスコではまだ午前9時である。ニュヨークでは電力需要のピークになっているが、サンフランシスコでは需要の低い時間帯である。
標準時間が1種類の日本では電力需要量が北から南まで一斉に同じパターンで動き、更に太陽光発電が最大になる南中時が東端と西端で+―30分の差程度で一斉に南中時になる。従って日本では同じ時刻に日本の全域で供給過剰になったり、一斉に電力需要が一斉にピークになる。米国のように、供給過剰分や不足分を国全体で融通する事が出来るが、日本ではそれが出来ない。一斉に出力抑制となる危険性がある。
更に、日本には供給過剰になりやすいもう一つの理由がある。
それは再エネの中でも太陽光発電の容量比率が高いことである。再エネ先進国のドイツでは全再エネ中太陽光の比率は19%程度あったが、日本では、現在稼働中で見ると太陽光は平均が58.4%で、特に比率が高い地域は北陸、九州、中部が70%以上、次が四国、東京の60%代である。中国電力が50%代で平均値に近い。太陽光の少ない地域は東北で37%、北海道が44%となっている。
そんな日本でも最近は洋上風力が俄かに注目され始め、新規導入の申請が急増している。その申請分すべてが稼働したとした場合、太陽光の比率は38%程度に落ちるが、ドイツと比べてもまだ太陽光の比率は高いままである。
再エネ先進国であるヨーロッパは供給過剰になりにくい理由がある。その理由の一つは、日本では10電力会社がそれぞれの地域の需要と再エネ発電量で同時同量の制御を行う。日本は小さな需要の範囲で制御するのですぐに供給過剰になりやすい。それに比べてドイツやフランスでは国全体と言う大きな需要に対して制御するので供給過剰に成り難い。
第2の理由は、ヨーロッパ大陸の中に多くの国があり、一つの国は多くの陸続きの隣国がある。例えばドイツやフランスでは陸続きの隣国が8~9か国ある。その隣国とは網の目のような連携線で結ばれているので臨機応変の連携がやり易くなっている。
それに比べると日本は陸続きの隣国を持っていない。従って連携は日本国内だけに限定される。国内の連携は9つの電力会社間は1本ないし2本の連携線で芋づる式に結ばれているだけである。日本では臨機応変な連携は難しくなっている。例えば九州と北海道は直接の連携が出来ない。九州⇒中國⇒関西⇒中部⇒東京⇒東北⇒北海道の手順を踏んで連携しなければならない。九州から直接北海道と連携できれば九州の出力抑制は発生していなかったかもしれない。
そんな日本にとっては、ヨーロッパでは必要性が少ないが、全域が一斉に供給過剰になる対策は必須である。それ無くば、再エネの主力電源化も、RE100も夢物語になってしまう。
参照 ⇒⇒ 再エネの主力電源化は、タケノコシンドローム対策が必須
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風力は、太陽光より出力抑制になりやすい
※※※※※ 日本固有の問題 ※※※※※
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理由②昼の風力は、タケノコと道連れで共犯者となる
昼は太陽光も風力も発電する。
数年後は、日本の全域が太陽光だけで供給過剰となる。
従って、昼には、太陽光と風力は共犯として、抑制対象となる。
(図4.2)
理由③夜間の風力は、昼の半分以下の需要に苦しむ
夜の電力需要は1年を通して、昼の需要の半分以下である。
また夜間には、ベースロード電源が昼と同じ量で稼働している。
従って、夜間に再エネを導入する余裕は、昼間より遥かに少ない。
しかし、風力の発電量は昼より多い傾向にある。特に冬場は。
従って、風力は夜間に供給過剰で発電禁止になる確率が非常に高い。
(図4.3)
Ⅴ.解決策は有るのか?
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解決策(1)太陽光のタケノコシンドローム対策
各太陽光にハイブリッド・バッテリー・システム(HBBS)適応
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縦に伸びるタケノコを横に寝かせるだけ
℄℄℄℄℄ 令和のコロンブスの卵 ℄℄℄℄℄
各太陽光発電所にHBBSを導入し、中央給電指令室にPVSSを導入する
太陽光にだけHBBSを導入するが、導入しない風力まで効果が出る
★各太陽光発電所にHBBSを導入し、一日の発電量全てを一旦HBBSに保存し、終了後に翌日の系統運転の開始に合わせて24時間かけて均等放電する。
★HBBSの使用で、南中時の最大値が3分の一から4分の一に減少するため、南中時の供給過剰発生が激減する。
★発電終了後にその日の発電実績値から翌日の時間当たり放電量を中央給電指令室に知らせ、翌日の稼働計画を作成する。中央給電指令室で稼働するシステムがPVSSである。
★翌日の午前ゼロ時から24時間かけて均等に放電する。
★翌日の系統制御では太陽光の天気による変動は全く発生しない。
★各発電所にHBBSを導入することで系統容量を4倍に拡大した効果がある。
★天気予報からの予測や出力抑制関連の作業が不要となる。
(自己消費の太陽光にはHBBSは適応できません。すでに導入済みの太陽光にはコストメリットを出すのは困難です)
HBBS使用で出力抑制が激減するサンプル
使用前
5月のGW期間の7日間は全て出力抑制になっている。
火力は最低出力1,700万kWだった場合です。
(図5.1)
使用後
太陽光のタケノコはフラットになるので供給過剰は風力と共に解消さ
れる。HBBSを使用していない風力まで殆の出力抑制が解消されてい
る。ごくわずかだが抑制が残っている。全地域がHBBS/PVSSを導入
すれば、全域が供給過剰である状態でなくなるので、少々の供給過剰
であれば受取って貰えるようになり、風力も抑制が無くなると考えら
れる。
また、火力の最低出力も更に下げられるので、最低出力700万kWに下
げている。
(図5.2)
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解決策(2)供給過剰にならないようにする対策
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供給過剰にならないようにする対策としては、
★太陽光のタケノコシンドロームを解決する対策
★火力発電の最低出力を更に下げる対策
★過剰分をグリッドストレージに保存する対策
の3種類を全部実行する必要がある。
ここでは「タケノコシンドローム対策」が
何故、
❤ 隠し味①最低出力を下げる事が出来る
❤ 隠し味②停止発電所数の減少が出来る
が可能となる理由(隠し味)を説明する。
❤ ❤ 隠し味①火力発電の最低出力を更に下げる ❤ ❤
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最低出力が下がる理由の説明前に、系統制御計画作成方法を説明する
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電力会社の系統制御室では、毎日夕方、翌日と翌々日の需要予測を行い、
需要を満たすべき発電所の稼働を計画する。
①HBBSとPVSS導入後の系統制御計画(稼働計画)作成
★毎日17時頃に、各HBBSに蓄電されている量(情報)をPVSSで取り込み、翌日の24時間均等放電量を計算し、その放電量を稼働計画作成システムに知らせる。
★稼働計画は翌日と翌々日の2日分が作られる。(翌々日分は翌日に発電実績で再計算される)
★需要予測で24時間分を5分刻みの需要曲線を作成し、天気予報から再エネの発電予測を行い、火力と水力の発電計画を作成する。
★発電計画とは需要量を満たすためにどこの発電所を何時から何時まで稼働させるかを事前に決める事である。
★火力発電の場合、発電機毎に立ち上げに必要な時間、最大出力、最低出力の特性を持っている。その特性と需要量から装置毎の開始時刻を計算しておく。
②何故、火力発電の最低出力を下げられるのか?
★日の出から太陽光発電が始まり、南中時に最大の発電量になり、日没に向けて発電量がゼロに向けて急減する。それに合わせて火力は逆の動きを要求される。その動きを発電装置の調整力で行うため、最低出力が制限される。
★HBBSからの24時間均等放電により、太陽光が天気の急変などの影響は全く受けないため、火力の調整力への依存が無くなる。風力の急変は受けるが、太陽光程の急変ではない。
★2日分の需要予測に合わせた火力発電の稼働計画の中で、立ち上げ時間を組み込んでいるので、需要の急増に対応できる。上げ代/下げ代に頼らない。
★(図5.3)は当日の太陽光の発電終了時頃に作成する翌日と翌々日分の需要予測に従った稼働計画である。火力の最低出力は900万kW程度、下げ代が50パーセントとすると、450万kWの急変まで吸収できる。急変するのは需要と風力だけである。太陽光の放電は事故でもない限り急変しないので、十分に対応可能である。
★以上のことから、火力の最低出力は、必要なだけ下げる事が出来る。
(図5.3)
参照 ⇒⇒ 日本全域供給過剰後、タケノコシンドロームとその「隠味」で、発電業者倒産を防ぎ、主力電源化達成
③最低出力を更に下げる事の効果サンプル
★火力発電の最低出力を過去の実績値1,355万kWまで下げた場合、太陽光は完全に出力抑制はなくなったが、風力発電の殆どは抑制されている。(図5.4)グラフの中で白色部分が風力の抑制された部分である。
太陽光だけにHBBS使用 (図5.4)
★火力発電の最低出力を1,355万kWから半分の700万kWに下 げる(図5.5)と、
風力発電も出力抑制は全く発生しなくなる。
風力発電も出力抑制は発生せず (図5.5)
(補足)最低出力値を700万kWに出来た理由
●その日の気象の変化で前日発電太陽光の放電量が変化することはない。
●変化するのは風力だけで、その変化も数時間単位の高精度予測できる
●その風力の予測に合わせて事前に揚水発電を稼働せている。
●それでも多少の変動があるのでその変動を吸収するために火力を稼働さ
せておく。その量は風力の発電量から700万kWと見なした。
❤ ❤隠し味②HBBS(発電実績値) 使用で、
天気予報使用の発電予測が不要となり、
制御信頼度が高まり、
停止発電所数を減少出来る❤ ❤
九州では予測信頼度の不安から、停止すべき発電所の数を約50% 増。
HBBS/PVSSを導入すると、停止すべき発電所の数は20%増し程度でOK。
何故、20%程度でよいのかを説明するために、現在、九州電力で行っている発電禁止にする発電所件数の決め方を簡単に説明する。
発電前日に天気予報などから需要予測、太陽光発電予測、風力発電予測を行い供給過剰を予測し、停止すべき発電所の数を決めているが、HBBSを使用すると太陽光の発電予測は不要となるので、風力だけが抑制の対象となる。そのために、九州の方法を風力だけにアレンジして説明する。
一日を午前と午後の2つに分け(図5.7の左)抑制管理するとした。(仮の設定)
午前の部は、前日のうちに停止命令を受け取り、午前ゼロ時から12時まで発電停止とする。午後の部は、その日の午前中に停止命令を受け取り13時から23時まで発電を停止させる。
その日の風力の総量は(図5.7の右)に表示されており、
48,817(青)+20,331(赤)=69,148MWh(以下MWh省略)、
発電停止にならない量(青)は48,817、供給過剰量(赤)は20,331(図5.7の右)である。グラフでは、風力発電の正常分は青、抑制対象となる過剰分は赤とした。
午前の最大過剰率は11時の51%、午後は16時で同じ51%。その率を(風力+供給過剰)の時間毎に乗じ、最大率補正列の該当時間に設置する。乗じた結果はグラフの赤線で表示されている。抑制時間帯は午前の部は午前ゼロ時から、午後の部は13時から12時間発電禁止となる。発電禁止の量は11時に1,508になるが、この量は11時の745+763=1,508と一致するのがポイントである。その理由、発電禁止は午前ゼロ時に51%の発電所が一斉に発電禁止になるが、11時の禁止量が一致するように設定しているからである。同様に午後の部も最大値になる16時の禁止量3,889が、供給過剰値(1,973)と風力(1,919)の合計値(3,889)に一致させなければならない。
全ての予測がびったりだったらこのやり方でよいが、数々の予測を通して得た数値であるので、該当時間にびったし一致すると考えるのは危険が多すぎる。九州電力では予測信頼度を考慮して、約50%増しの発電所を止めている。
50%の発電量はグラフでは黒破線で、その一日の量は125,717となる。この量は、供給過剰分も含む一日の風力発電量69,148の2倍となる。この量は、風力をすべて止めた上に、他の発電量も減らすことを意味する。減らした分は、揚水発電で追加する、全く馬鹿々々しいやり方である。発電する量より止める量のほうが多い。だったら最初から全て止めてしまった方が得である。
九州では太陽光と風力の二つが同時に発電するので、両社の予測が外れると大きく外れる危険性がある。しかし、太陽光にHBBSを使用すると太陽光の天気に対する予測は全く発生しない。風力だけ予測外れが生じる。しかし、風力は太陽光に比べると天気に左右される率が極めて少ない。
だから、HBBSを使用する場合は、予測信頼度に対する余裕は50%も取る必要はない。そこで、20%とすると、発電停止量が25%少なくなる。その分、再エネ化率が高くなる。北海道のケースでは年間の再エネ化率が2%向上した。これがHBBSの隠し味②である。
時間別風力発電量と供給過剰量のグラフと表 (図5.7)
Ⅵ.解決策実施後の改善効果
全てが稼働の時の出力抑制率が高い
北海道と東北(図2.2)、
再エネ化率が32%でも抑制率の高い東京(図2.1.1)
の改善効果を詳述する。
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(1)解決策実施内容
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❤全太陽光発電装置にHBBSを使用
★各太陽光発電にHBBSを適応により一日の太陽光の最大出力が4分の一近くまで減少するため、供給過剰が激減する。
★24時間均等放電により日の出から南中時に向けて発電量の急増と、南中時を過ぎてから日没までの間に急減する事がなくなる。火力発電の対応が楽になる。
★前日分の均等放電中、天気の急変に対して系統制御に対する影響は無くなる。
★風力にはHBBSは適応しないのに、風力まで改善されることにご注目。
❤電力会社の系統制御システムにPVSSを導入する
★系統制御システムにPVSSを導入し、稼働計画作成時に火力発電の最低出力を限度一杯まで下げた指示を取り込める。
❤火力発電の最低出力を稼働環境に合わせて、可能な限り下げる
★太陽光の均等放電で、太陽光の最低から南中時の最大になる激変が無くなるため、火力発電で調整する必要性が激減することと、新たな火力が必要になる時刻まで十分な時間があるので火力発電の調整力に頼る必要が無くなる。従って、最低出力を思い切り下げる事が出来る。
❤出力抑制で使用する安全率を半分以下にする。
出力抑制対象は風力のみになるので、安全率を半分以下にできる。これまでは50%増しだったのを、半分以下の20%程度まで引き下げる。
❤北海道から九州まで供給過剰状態になるため、連携線は利用出来ない
連携線を利用して他電力に供給過剰分の処理をお願いする事は出来ない。過剰分は揚水発電で対応するしかない。対応できない分は出力抑制となる。
HBBS使用のコスト問題の詳細は以下のテーマで掲載してます、ご参照。
⇒遅すぎる蓄電池投入、出力抑制頻発で再エネ化率は上がらず、発電業者は倒産続出
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(2)解決策実施結果
効果はどの程度出るのか?
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(イ) 北海道電力
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①改善効果
改善前 ⇒ 改善後 改善量(改善効果)
再エネ化率の改善 43.8% ⇒ 66.0% ; 再エネの主力電源化実現
太陽光の出力抑制率 60.7% ⇒ 0% ; 抑制量1,686GWh減少
風力の出力抑制率 75.5% ⇒ 58.7% ; 抑制量5,088GWh減少
火力発電量 9,188GWh ⇒ 6,811GWh ; 2,377GWh減少
1年間の月別発電量
改善前 改善後 (図6.1)
④改善後に残る問題点
★風力発電量は陸上の発電効率で計算したが、洋上の発電効率で計算すると出力抑制頻度は倍増する。洋上の効果が全くでない。
★再エネ容量としては、北海道の電力需要を満たせるほど有るのに、抑制として捨てられてしまう。
★北海道以外の需要向けに風力で発電したくても、すぐ需要ラインを超えてしま
うので発電させてもらえない。
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(ロ)東北電力
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①改善効果
改善前 ⇒ 改善後 改善量(改善効果)
再エネ化率の改善 54.3% ⇒ 79.2% ; 再エネの主力電源化実現
太陽光の出力抑制率 60.3% ⇒ 0% ; 抑制量11,736GWh減少
風力の出力抑制率 54.3% ⇒ 23.5% ; 抑制量11,057GWh減少
火力発電量 36,214GWh ⇒ 18,866GWh ; 17,348Wh減少
②改善結果の金額換算
太陽光の買取単価を12円/kWとすると年間で2,024億円、17年間で3兆4,408億 円の売電収入増となる。風力を36円/kWとすると年間で3,980億円、17年間で6兆 7,668億円の収入増となる。 太陽光と風力合わせて年間6000億円、17年間で10兆円の経済効果である。
火力発電の平均的単価21.0円/kWとすると火力の発電量減少で年間 3,643億円の燃料費が削減できる。年間の経常利益が 700~1,000億円程度の東北電力にとっては、創業以来の高利益となり株価が急増するのは間違いない。原子力に力を入れるより再エネを推進した方が、経営にとってはメリットが大きいのではないか?
1年間の月別発電量 改善前 改善後 (図6.5)
③発電停止回数の改善
東北もHBBS使用で太陽光の停止回数は完全に無くなった。HBBSを使用しない風力の停止は、残ってはいるが少なくはなっている。
風力の停止回数の減り方は大きい。557回の停止が333回へ激減している。
各発電所の停止回数は314回から227回と激減する。
★改善前、太陽光は年間340回停止命令を受けていたが、改善後は0回になった
★改善後は風力だけの停止になったが、年間で昼に134回の停止、夜は199回だった。
★改善後の風力は、各発電所は年間314回から昼64回、夜の方が多くて163回に減少した。
改善前 改善後 (図6.7)
④改善後に残る問題点
★風力発電量は陸上の発電効率で計算したが、洋上の発電効率で計算すると出力抑制頻度は倍増する。洋上の効果が全くでない。
★再エネ容量としては、東北全体の電力需要を満たせるほど有るのに、抑制として捨てられてしまう。
★東北以外の需要向けに風力で発電したくても、すぐ需要ラインを超えてしま
うので発電させてもらえない。
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(ㇵ)東京電力
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①改善効果
改善前 ⇒ 改善後 改善量(改善効果)
再エネ化率の改善 32.7% ⇒ 51.3% ; 再エネの主力電源化実現
太陽光の出力抑制率 43.2% ⇒ 0% ; 抑制量 1,894,960GWh減少
風力の出力抑制率 41.1% ⇒ 5.8% ; 抑制量 35,244GWh減少
火力発電量 143,082GWh ⇒ 114,567GWh ; 28,515Wh減少
②改善結果の金額換算
太陽光の買取単価を12円/kWとすると、出力抑制分が壊滅しその部売電収入に変わることから、年間で2兆2,739億円、17年間 38兆6,563億円の太陽光発電業者の売電収入増となる。同様に、風力を36円/kWとすると、風力発電業者は年間で1兆2,687億円、17年間で21兆5,693億円の収入増となる。 太陽光と風力合わせて年間 3兆5,326億円、17年間で59兆5,000億円の経済効果である。
火力発電の平均的単価21.0円/kWとすると火力の発電量減少で年間 5,988億円の燃料費が削減できる。大震災時の原発事故に対する損害賠償を支払うために、今後10年間は毎年5,000億円以上の経常利益を捻出すると国に対して約束していたにもかかわらず、10年近くが経常利益が2,000~3,000億円程度の東京電力にとっては、年間 5,988億円も燃料費が節約できるとなれば、原子力に力を入れるより再エネを推進した方が、経営にとってはメリットが大きいのではないか?
1年間の月別発電量
改善前 改善後 (図6.8)
③発電停止回数の改善
発電停止回数も極端に激減する。
東京もHBBS使用で太陽光の停止回数は完全に無くなった。HBBSを使用しない風力の停止は、残ってはいるが少なくはなっている。
風力の停止回数の減り方は大きい。381回の停止が75回へ激減している。
各発電所の停止回数は238回から25回へと激減する。
センター停止回数と発電所停止回数
★改善前、太陽光は年225回の停止命令を受けていたが、改善後は0回になった
★改善後は風力だけの停止になったが、年間で昼50回停止、夜は25回だった
★改善後は風力は一発電所は年間238回から昼17回、夜8回であった
(図6.10)
④改善後に残る問題点
★風力が洋上風力にしても再エネ化率は殆ど上がらず、抑制で捨てられるだけ。
★再エネ化率51%程度では、主力電源とは胸を張って言えない。もっと再エネ化を進めなければならない。
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(二) 洋上風力の能力は出せるか?
実発電実績を使用したシミュレーションで洋上の効果が出ないことを証明する
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東京電力の3月20日から27日の7日間の発電実績で比較する。
風力の容量の半分を洋上風力とし、洋上風力の発電効率を陸上の2倍とする。陸上で計算したグラフが左で、半分を洋上としたグラフが右側である。左右のグラフを比較すると、右側は白色部分が多いのが分かる。風力の発電量が少ない3月24日から25日までは風力の部分はすべて有効分として取り扱われたが、それ以外の日、もともと抑制されている日は洋上になっても抑制の対象となってしまうだけである。
下の表は左右のグラフを数値化した表である。
全風力を比較すると1.5倍になっているが、抑制分は2.56倍で、発電分は1.16倍にしかなっていない。すなわち、大半が抑制されてしまったことが数値でしっかりと証明されているのである。ちなみに、この7日間の再エネ化率は76.8%、出力抑制率は41.2%である。これは再エネ化率は70%を超えるのは非常に難しいことと、発電効率が2倍になっても半分近くが捨てられるだけが分かる。
陸上風力の場合 洋上風力の場合 (図6.11)
Ⅶ.再エネ化率を更に高める対策&技術
弊社の高度化技術≪HBBSとPVSS≫と
その隠味で、
風力発電の売電収入減 を大量に減らしながら、
なんとか、再エネ化率60%~70%までは、
達成できるが
それ以上の再エネ化率は、ほぼ不可能である。
RE100やカーボンフリーなどは夢のまた夢。
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(1)再エネ化率を更に高める必要性と対策
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必要性①火力発電を一部または完全停止する
弊社は火力発電の最低出力を更に下げる技術を公表した。
これは、火力発電は最低でも稼働していることが前提だった。
更に、火力発電の完全停止で
どの程度出力抑制が減少するか、の検証からやってみよう。
再エネ化率が30%を超えると急に出力抑制が増える。そのことは 「 Ⅱの(1)の (図2.1)」で証明している。
それでも、HBBS使用で再エネ化率は高くなった。東北電力(図6.5)は73%、北海道電力(図6.1)は66.0%と、目標である主力電源化にたどり着いた。
しかし、風力発電業者は売電収入減と言う大きな犠牲が襲い掛かる。例えば北海道の風力は58.7%減、東北は38.4%の減である。ここでの計算は陸上風力の発電効率を適応しているが、本来の洋上風力を適応すると、風力の犠牲はさらに大きくなる。東京電力のシミュレーションでそれは容易に想像できる。
★風力発電を洋上風力で計算する時、火力の最低出力をゼロまで落とした場合、どの程度の効果が出るかシミュレーションした。
その結果が(図7.1)である。風力は半分が陸上、残りが洋上とし、洋上は陸上の倍の発電効率とした。
★月別計算で、供給量が余る時は、余った部分は抑制とし、足りない部分は火力で穴埋めした。
★6月~9月は供給量が需要量に届かなかったので火力で補充した。それ以外の月は供給過剰となったので風力の抑制とした。
★結果、再エネ化率は94.6%、風力の抑制率は24.8%と大きく改善された。
★再エネ化率を100%にするには、新たな発想の技術が必要となる。
(図7.1)
火力を全停止にすると、
専門家からクレームが来ます。
火力発電が完全に止まってしまったら、
火力発電が持つ調整力が使えなくなる、と。
再エネには調整力が無いため
同時同量の実現が困難になるからだ。
しかし、
沖縄の波照間島では、風力発電の再エネに加えて、
モーター発電機と蓄電池と加えた体制で
500人の島民に電気を供給している。
火力発電無しで同時同量を実現している。