出力抑制完全解決への提案(脱炭素化)
新エネルギー時代ヘの幕開け
新エネルギー時代ヘの幕開け
電気エネルギーの脱炭素化を実現
火力発電無し、再エネだけで気象の変化に耐えられるか??
目 次
(1)太陽光と風力の年間の発電特性
(2)太陽光と風力だけで電力需要を満たすには!!
(3)数日続く悪天候に耐える
(4)★ これがグリッド・ストレージだ ★
(5)脱炭素化を実現させる新系統制御室
(1)太陽光と風力の年間の発電特性
説明を分かりやすくするために、太陽光と風力だけに限定して、他の者は一切省いた東京のデーターを使用する(下左)。東京電力の電力需要は夏と冬にピークが来て、春と秋は需要は少なくなり、特に5月のゴールデンウィーク 期間は最低需要になるのは、毎年ほぼ同じパターンである。
一方、太陽光発電(下中)は6月の夏至の頃を最大となり、12月の冬至の頃が最小となる。地球は太陽の周りを一定軌道で公転しているため、太陽からのエネルギーは毎年ほぼ一定である。途中梅雨の季節や台風の季節には、 その年によって多少の変化はあるが、一年を通すとほぼ一定の量である。
一方、風力発電(下右)は春や冬は風は多いが、夏は少なくなるパターンで吹いている。ただし、太陽光に較べると、年によって発電量が大きく変化する点では異なる。 以上の条件で、東京の1年間の電力需要を太陽光と風力だけで、供給した、すなわち、年間電力需要=年間太陽光+年間風力発電になるように、現在受け付けている承認済と検討待ちの半分が稼働したとして作成したグラフが(2)の(図Ⅴ.4)である。
(2)太陽光と風力だけで電力需要を満たす!!
ただし、風力は陸上風力の 発電効率を適応している。このグラフから分かる事は、年間では需要と供給は一致しているが、夏と冬の ピークには供給不足となり、1月~6月までは供給過剰となる。 供給過剰の時は出力抑制として捨て去り、不足のところは何処かから供給して貰うか、火力発電を稼働さ せなければならない。
その結果、再エネ化率は90パーセントにしかならない。 そこで再エネ化率100パーセントを目指して、8月の不足のところを再エネで供給させるために、 8月の需要 = 太陽光+風力になるまで全体を底上げしたグラフが、真ん中の(図Ⅴ.5)である。
全体が底上げ されたため、供給過剰分が極端に増える。風力の捨てられた量は、227TWhもあり、年間需要279TWhの81% に相当し、 風力発電の68パーセントが無駄に捨てられることになる。捨てられる分を15円/kWhで計算すると、毎年3.4兆円になる。
再エネだけで1年間の電力需要を賄うには膨大な蓄電設備が必要になる。その蓄電を、普通の蓄電池で行うと、サッカー場数百個分の敷地が必要になり、現実的ではない。
その数百個分の蓄電池を、弊社はグリッドストレージと読んで、新たに挑戦しようと計画している。
(3)数日続く悪天候に耐える
①悪天候で発電量が極端に少ない時
②台風や地震などで発電設備に被害発生の時
⇒ 現在は、火力発電炊きましや、他電力から連携線使用で補給
⇒ 脱炭素化を推進すると火力発電は無くなるので、
新たな対応が必要になる
(4)★ これがグリッド・ストレージだ ★
マイクログリッドはエネルギー産業の革命
今後の再エネシステムの最終研究テーマとして提言する
♦♦♦♦ 蓄電は複数個所に分けて蓄電する ♦♦♦♦
上から下に流れていた電気の流れが、大きく変わっていく。
その流れの制御手法が全く議論されていない。
その技術が完成しない限り、脱炭素は不可能である。
★ ★ ★ ★ 電気スタンド ★ ★ ★ ★
EV時代にはEV車向けの電気(ガソリン)スタンドが必要。現在ガソリンスタンドは東電管内だけで7千ヶ所 有るそうだ。1スタンドで毎日300車に500km走行分の電気を提供すると、1スタンド当り50MWh程度の 蓄電池が必要となる。東電管内だけで一日当たり350GWhの蓄電量となる。 電気の充電時間は通常は8時間くらいかかるが、高速充電であれば 30分程度で出来るそうだ。1台当たり30分掛けて、営業時間12時間に300台に充電するためには、 25台が一斉に駐車できるスペースが必要となり、電気スタンドと言うより駐車場と言う感じになる。土地代の 高い都会地でこれだけのスペースを確保するのは困難であり、且つ採算を取るのも困難であろう。 それに代わる対策として、蓄電池の標準化を進め、蓄電池の種類を大型、中型、小型の3種類位に限定 してどのメーカーの車でも共通して使用できるようにする。電気スタンドでは充電サービスを受けるのでなく、既 に蓄電しているバッテリーと数分間で交換するサービスを提供する。既にこのタイプのサービスは、2輪車では 一部メーカーが実施している。
★ ★ ★ ★ フロントステーション ★ ★ ★ ★
現在の配電変電所に相当する。東電の配電変電所は1000ヶ所は有る。配電変電所の役割は二つある。 一つは需要家に電気を供すること、二つ目は発電所からの電気を受け止める事である。
★ ★ ★ ★ ミドルステーション ★ ★ ★ ★
配電変電所より上位の変電所、中間変電所、1次変電所、超高圧変電所等を総称してミドルステーション と呼ぶことにする。東電管内だけで1000ヶ所有るそうだ。このステーションの役割は二つある。一つは電気を 液体水素に変換して、変換された水素を貯蔵タンクに保存することと、2つ目は、適切なタイミングで貯まった 水素を電気に変換して電力系統へ送り込むこと、の役割がある。
★ ★ ★ ★ バックヤードステーション ★ ★ ★ ★
旧火力発電所跡地15ヶ所を液体水素専用貯蔵タンクの保存場所とする。他所の地区との輸出入はこの ステーションからトラック便または船便で行う。
水素社会の実現
(5)脱炭素化を実現させる新系統制御室
~ ~ ~ マイクログリッドの電気の流れを制御 ~ ~ ~
現在、日本の電力会社は、自社の電力系統の運用で、同時同量を中央給電指令室で、毎日24時間監視制御している。
現在の制御は上流(原発や火力の大型発電所)から下流(一般需要家)に流れる電気を供給と需要が等しくなるように、監視と制御が主な仕事である。その制御に貢献しているのが火力発電の調整能力である。その機能を別名「上げ代下げ代」と読んでいる。
脱炭素化とは、別名火力発電の廃止を意味する。火力発電の稼働が無く成ったら、調整機能は誰が行うのか?調整能力以外の問題は、火力廃止で、上から下に流れた電気の流れが変わる。将来は大型発電は原発だけになるので、原発の近くの需要家は何時でも電気が流れて来るが、原発から離れた所には電気が流れて来ない。
また、需要は夏や冬は多く、夜より昼が多く、平日は休日より多いなど、激しく変動する。それに対して、再エネは太陽光も風力も季節によって変動する。しかし、電気は如何なる時でも需要と供給は一致、即ち同時同量でなくてはならない。また、現時点では「電気は貯められない」を原則として電力系統を運用している。
「脱炭素化後の新電力系統制御」
脱炭素化が実現すると、火力発電の調整力が無くなり、上から下への規則的流れも無くなり、「貯めて作った液化水素」タンクから補給しながら、変動する需要に同時同量で一致させなければならない。将来の系統制御は大きく変わる。
日本に最初の電灯がともり始めてから、既に140年が経過した。その間に休むことなく次々と電力設備は導入され、現在に至っている。
脱炭素化を進めるには140年かけて構築したすべての電源設備を、一日も休むことなく電気を供給しながら推進しなければならない。
新電力系統制御
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